ジヒドロテストステロン(DHT)がAGAの原因? 抑制する方法も紹介

ジヒドロテストステロン(DHT)とは

人男性に多くみられる脱毛症のAGA(男性型脱毛症)。AGAには男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)が深く関わっていると考えられています。

ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの一種「テストステロン」が体内の還元酵素「5αリダクターゼ」と結合して生成されます。通常、男性ホルモンは骨や筋肉の発達を促したり、男性ホルモン受容体の「アンドロゲンレセプター」と結合することで髭や体毛に対しては成長因子を刺激して毛を太く成長させたりする作用を持っています。

ジヒドロテストステロンとは?

ジヒドロテストステロンの作用

ジヒドロテストステロンの大きな役割として、​​胎児期における男性生殖器の形成があります。そのため、胎児期には​​男児が母親の胎内で成長する過程で必要とされています。

一方で思春期以降ではニキビや前立腺に関わる疾患、AGAなどの発症に関与しているとされています。

ジヒドロテストステロンとAGA

髭や体毛に存在するアンドロゲンレセプターにジヒドロテストステロンが結合すると細胞成長因子「IGF-1」などが生成され、髭や体毛を濃くするよう作用します。

一方で前頭部や頭頂部においてアンドロゲンレセプターにジヒドロテストステロンが結合すると、脱毛因子と呼ばれる「TGF-β」などが産生され毛母細胞の増殖を阻害し、軟毛化を引き起こすことがわかっています。

また髪の毛の成長には「ヘアサイクル」と呼ばれる一定の周期(通常、約2〜6年)があり、ヘアサイクルが健全に機能することによって髪の毛の正常な発育が保たれています。ジヒドロテストステロンの感受性が強い人の場合、前頭部や頭頂部でTGF-βなどの脱毛因子が産生されると、ヘアサイクルの成長期が極端に短縮されてしまい髪の毛が十分に育たなくなるため、抜け毛や薄毛が進行すると考えられています。

DHTを生成する5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、主にⅠ型は全身の皮膚や皮脂線に、Ⅱ型は前立腺や髭、前頭部・頭頂部の毛包に存在しています。AGA主にⅡ型の5αリダクターゼが関わっていると考えられているため、AGAの症状は前頭部および頭頂部を中心に出現します。

ヘアサイクル

ジヒドロテストステロンを抑制するには?

AGAの主な原因となるジヒドロテストステロンの働きを抑制するためには内服治療が推奨されています。投薬治療でジヒドロテストステロンの働きを抑制し、抜け毛や薄毛を予防する方法が現在の標準的治療とされています。

AGA治療専門クリニックの投薬治療

ジヒドロテストステロンの働きを抑制するAGAの投薬治療には「デュタステリド」と「フィナステリド」が用いられます。これらは主に5αリダクターゼの働きを阻害することでジヒドロテストステロンの働きを抑制し、AGAを改善します。

デュタステリドとフィナステリドの主な薬効は同じですが、フィナステリドが5αリダクターゼⅡ型のみに作用するのに対し、デュタステリドは5αリダクターゼⅡ型のみならず5αリダクターゼⅠ型にも作用するという特徴があります。

またデュタステリドのⅡ型5αリダクターゼに対する薬理作用はフィナステリドの3倍で、フィナステリドと比べ1.6倍の増毛効果があるとされています。

最近ではデュタステリドやフィナステリドを個人輸入などで手に入れることが可能となっています。しかし金額が安いなどの理由でむやみに医薬品の個人輸入を行うと、効果がない偽造品を飲んでしまったり、副作用が起きた際に医師による処置が受けられなかったりといった事態が起こるため、医師の診察を受けた上で投薬治療を開始することが重要とされています。

デュタステリドとは?

ジヒドロテストステロンに関するQ&A

ジヒドロテストステロンは体に悪いホルモンなのですか?

いいえ。確かに成人期ではAGAの主な原因となるほか皮脂分泌や前立腺肥大に関わるとされています。しかし本来、ジヒドロテストステロンは胎児期では男性の外性器の形成、思春期では体毛や声変わりの発現など一次性徴と二次性徴の発達を促すため、特に男性の発育には必要不可欠なホルモンといえます。

筋トレするとDHTが増え、薄毛になるというのは本当ですか?

筋トレが直接、AGAや薄毛を招くという医学的根拠はありません。筋トレを行うとテストステロンの分泌量が増加することがわかっていますが、AGAの主な原因となるジヒドロテストステロン値が上昇するという報告はありません。おそらくジヒドロテストステロンがテストステロンから生成されるため、筋トレとAGAによる薄毛との関連性が疑われるようになったと考えられます。

またテストステロンが増えても5αリダクターゼの量が少なければ、ジヒドロテストステロンの産生は活発に行なわれません。ジヒドロテストステロンが増加したとしてもアンドロゲンレセプターの感受性が低ければ、薄毛や抜け毛を招く成長抑制因子は発生しづらいと考えられます。

ジヒドロテストステロンはニキビの原因になるのですか?

ジヒドロテストステロンが必ずしもニキビの原因になるとは限りませんが、ジヒドロテストステロンが皮脂中のトリグリセリドの産生を促進し、皮脂が過剰に分泌されることで、ざ瘡(ニキビ)形成の原因の一つになると考えられています。

AGAを改善するなら専門クリニックへ

ジヒドロテストステロンが主な原因となって起こるAGAは進行性の疾患であるため、何らかの治療を施さない限り薄毛や抜け毛の症状は進行していきます。AGAによる薄毛や抜け毛の進行を抑えるためには医師の診察を受け、投薬治療を開始をすることをお勧めいたします。

前述した通り、個人輸入などでのAGA治療薬入手は様々な危険が潜んでいます。安心してAGA治療を続けるためにも、AGA治療専門クリニックなどで処方された医薬品の使用を推奨いたします。

AGAヘアクリニックではAGA治療に有効な成分を含有したオリジナル治療薬を取り扱っております。処方の際は必ず医師が診察を行い、患者様の症状に則して治療薬を処方しているため、治療薬投与後の経過観察や様々な不安に対するケア、ご相談などにも対応しております。医師による相談や診察は初診・再診ともに無料ですので、少しでも薄毛や抜け毛が気になる場合は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。

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