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テストステロンは薄毛に関係する?男性ホルモンと髪の関係を解説!

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「テストステロンが多いと薄毛になりやすい」という話を聞いたことはありませんか?

実際は、テストステロンが多いからといって必ず薄毛になるわけではありません。

重要なのはテストステロンそのものではなく、体内で変換された「DHT(ジヒドロテストステロン)」という物質です。

この記事では、テストステロンがどのようにDHTに変換され、なぜ髪の毛を細く短くしてしまうのか、そのメカニズムを解説します。

遺伝的要因との関わりや、ホルモンと髪の複雑な関係についても医学的根拠に基づいて説明しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

    そもそもテストステロンの役割とは?

    テストステロンは、主に男性の精巣で生成される代表的な男性ホルモンです。

    思春期の体の成長や筋肉の発達、ひげや体毛の増加、声変わりなど、男性らしい特徴を発現させる重要な役割を担っています。

    一般的に「男性ホルモン」と呼ばれますが、実は女性の体内にも少量存在し、卵巣や副腎で作られています。

    テストステロンは筋肉や骨の健康維持、エネルギー代謝、性欲の調整など、体全体の機能に幅広く関わっているのです。

    男性らしい体を作る

    テストステロンは筋肉の発達と維持に不可欠なホルモンです。

    テストステロンが適切に分泌されると、筋肉量の増加、体脂肪の減少、骨密度の向上が促進されます。

    特に上半身の筋肉発達に大きく影響し、肩幅を広げ、腕や胸の筋肉を発達させることで、いわゆる「逆三角形」の男性的な体型を形成します。

    記憶力や集中力を高める

    テストステロンは脳機能にも重要な役割を果たします。

    適度に分泌されたテストステロンは、脳の情報処理能力を向上させ、記憶力や集中力を高める効果があります。

    テストステロンが低下した方に対し、テストステロン補充療法といって、テストステロンを補給することで認知機能を向上させる療法も存在します。

    前向きな気持ちにする

    テストステロンはメンタル面にも大きく影響します。

    適切なレベルのテストステロンは自信や意欲を高め、前向きな思考をサポートします。

    反対に、テストステロンが不足すると、無気力やうつ症状、不安感が増加することがあります。

    このホルモンは決断力や積極性にも関わり、男性の精神的健康を支える重要な要素です。

    性欲を高める

    テストステロンは男性の性的機能を調整する主要ホルモンです。

    性欲の維持・向上に直接関わり、性的興奮や勃起機能にも影響します。

    テストステロン値が低下すると性欲減退や性機能障害を引き起こすことがあります。

    適切なレベルを維持することで、健全な性生活と親密な人間関係の構築をサポートしてくれるでしょう。

    髪を太くする

    テストステロンは体毛の成長にも関わりますが、髪との関係は複雑です。

    テストステロン自体は髪の成長を促進しますが、一部は5αリダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されます。

    このDHTが遺伝的に感受性の高い頭皮の毛根に作用すると、薄毛の原因となることがあります。

    テストステロンとAGAは関係がある?

    テストステロンが多い男性ほど薄毛になりやすいというわけではありません。

    重要なのは、テストステロン自体の量ではなく、テストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素によって変換された「DHT」の作用です。

    このDHTが毛包の成長サイクルを短縮し、髪の毛を徐々に細く短くしていきます。

    同じテストステロン量でも薄毛になる人とならない人がいるのは、毛包にある「アンドロゲン受容体」の感受性が遺伝的に決まっているからです。

    つまり、単に「男性ホルモンが多い=薄毛になる」というわけではないことを理解する必要があります。

    テストステロンが多いからといってAGAになるわけではない

    テストステロンの量は、必ずしも薄毛の進行度と比例しません。

    実際、テストステロン値が高い男性でもまったく薄毛にならない人もいれば、平均的な値でも早期から薄毛が進行する人もいます。

    重要なのは体内でのDHT(ジヒドロテストステロン)への変換量と、毛根のDHTに対する感受性です。

    アスリートやボディビルダーなど、テストステロン値が高い男性でも薄毛ではない例は多く、単純にテストステロン量だけでAGAを判断することはできません。

    AGA(男性型脱毛症)と男性ホルモンの関係

    AGAは、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってDHTに変換され、このDHTが頭皮の毛包に作用することで起こります。

    DHTは毛髪の成長期を短縮させてしまいます。

    その結果、髪の毛は十分に成長する前に抜け落ち、次第に細く短い産毛のような状態になってしまうのです。

    ただしDHTが存在しても、毛髪全体としてはヘアサイクルが保たれているため、薄毛にはなりません。

    しかし5αリダクターゼの活性度が高いと、DHTが過剰となり、脱毛が進んで薄毛になってしまいます。

    この現象は主に前頭部と頭頂部で起こりやすく、AGAに特徴的なM字やO字型の薄毛パターンを形成します。

    AGAに影響する男性ホルモンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

    参考記事:5αリダクターゼとは?AGAの原因物質とその働きを抜け毛のメカニズムから解説

    アンドロゲン受容体の感受性も影響する

    AGAの発症は、DHTの量だけでなく、毛包に存在するアンドロゲン受容体の感受性にも大きく左右されます。

    アンドロゲン受容体の感受性が高いと、DHTに反応しやすいため、脱毛が進んで薄毛になります。

    この感受性は主に遺伝によって決まるため、家系に薄毛の人が多い場合、AGAになりやすい傾向があります。

    同じDHT量でも、受容体の感受性が高い人は早く若い年齢から薄毛が進行し、感受性が低い人はほとんど影響を受けないこともあるのです。

    これが「同じような生活習慣でも、薄毛になる人とならない人がいる」理由の科学的な根拠といえるでしょう。

    AGAは進行性の疾患!クリニックで治療しよう

    AGAは放置すると確実に進行する疾患です。

    抜け毛の増加、髪のボリューム低下、生え際の後退などが見られたら、早めの対処が効果的です。

    AGAは、内服薬や外用薬による科学的根拠に基づいた治療法が確立されており、治療開始が早期であるほど高い効果が期待できます。

    専門クリニックでは、医師があなたの薄毛の状態や進行度、生活習慣などを総合的に診断し、最適な治療プランを提案してくれます。

    自己判断での対処は限界があるため、気になる症状があれば専門医に相談しましょう。

    テストステロンを増やすためにできること

    適切な量のテストステロンは、実際には全身の代謝促進、筋肉量の維持、集中力向上、そして毛髪の成長にもよい影響を与えることが知られています。

    年齢とともに自然に低下するこのホルモンを、日常生活の中で自然に増やす方法について解説します。

    筋力トレーニングを行う

    大きな筋肉群を使う複合運動(スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなど)は、テストステロン分泌を効果的に促進します。

    特に高強度の筋トレを週に2~3回行うことで、一時的なホルモン増加だけでなく、長期的な基礎代謝の向上も期待できます。

    良質な睡眠をとる

    テストステロンは主に睡眠中に分泌されるため、7~8時間の良質な睡眠は必須です。

    特にレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが重要で、就寝前のブルーライト対策や規則正しい睡眠スケジュールの維持が、ホルモンバランスを整える基盤となります。

    タンパク質を多く含んだバランスのよい栄養補給

    卵、赤身肉、魚などの良質なタンパク質はテストステロン生成に不可欠です。

    また亜鉛(牡蠣、ナッツ類)、ビタミンD(日光浴、魚油)、健康的な脂質(オリーブオイル、アボカド)の摂取も重要です。

    過度な精製炭水化物や加工食品は控えましょう。

    過度なダイエットは避ける

    極端なカロリー制限はテストステロン低下を招きます。

    体脂肪率が極端に低すぎても高すぎても悪影響があり、男性は10~20%程度の適正範囲を維持するのが理想的です。

    急激に体重を減らすような無理なダイエットではなく、緩やかで持続可能なダイエットを心がけましょう。

    テストステロンは増やしすぎても減らしすぎても髪にはよくない

    テストステロンと髪の健康には絶妙なバランスが存在します。

    テストステロンは適切なレベルであれば毛髪の成長をサポートしますが、過剰しても不足しても頭皮環境に悪影響を及ぼします。

    激しすぎる筋トレなどでテストステロンが過剰になると、ホルモンバランスが崩れて頭皮の油脂分泌が増加し、毛髪環境を悪化させる可能性があるのです。

    一方、テストステロンが不足すると、5αリダクターゼの活性が高まり、テストステロンの作用を補う形でDHTの生成量が増加します。

    その結果、薄毛が引き起こされてしまいます。

    健康な髪を維持するには、極端な運動や生活習慣を避け、ホルモンバランスを適正に保つことが重要です。

    激しすぎる筋トレはホルモンバランスの乱れを招く

    過度に高強度な筋力トレーニングを長時間続けると、一時的にテストステロンは増加しますが、やがてコルチゾールなどのストレスホルモンも過剰分泌され、全体的なホルモンバランスが崩れます。

    その結果、頭皮の皮脂腺が過剰に刺激され、油脂分泌が増加。

    毛穴詰まりや炎症を引き起こし、健康な髪の成長サイクルが妨げられます。

    適切な休息日を設けず、毎日高強度トレーニングを行う「オーバートレーニング」状態は、男性ホルモン系全体に負担をかけ、結果的に抜け毛リスクを高めることになるのです。

    テストステロンが少なくなるとDHTの増加を招く

    テストステロンの量が低下すると、体は5αリダクターゼの活性を高め、DHTへの変換量がかえって増加します。

    DHTでテストステロンの作用を補填しようとするわけです。

    テストステロン自体は髪によい影響を与えますが、テストステロン不足による代償的なDHT増加は、毛髪の成長サイクルを短縮し、髪を細く弱くしていきます。

    加齢、慢性的なストレス、極端な食事制限、睡眠不足などによるテストステロン低下は、このメカニズムを通じて薄毛を加速させるのです。

    まとめ

    今回はテストステロンと髪の関係について解説しました。

    テストステロンは男性の身体機能や精神面に多くの恩恵をもたらす重要なホルモンですが、薄毛との関係は単純ではありません。

    薄毛の主な原因は、テストステロンが変換されたDHTにあります。

    健康な髪を維持するには、バランスの取れた栄養摂取、適度な運動、質のよい睡眠など、テストステロンレベルを適正に保つ生活習慣が重要です。

    テストステロンが過剰になっても不足しても髪に悪影響を与えるため、極端な生活習慣は避け、気になる症状があれば早期に専門医に相談しましょう。

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