AGA基礎知識

市販の育毛剤は効かない?成分や効果などを詳しく解説

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育毛剤は大きく2種類に分けられ、ドラッグストアやデパートなどで気軽に購入できる市販薬と、医師が診察をした上で処方する処方薬(発毛剤)があります。

市販薬は手に取りやすく気軽に使いやすいですが、一方で効かないという声も上がっています。

そこで本記事では、市販薬の育毛剤の効果や副作用、本当に十分な効果が得られないのか、詳しく解説します。

市販の育毛剤を使用したいけれど効果に不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

    市販の育毛剤の効果

    市販の育毛剤を検討している方の中には、処方される育毛剤との違いを十分に理解していない方もいるでしょう。

    そもそも育毛剤とは、現時点で生えている髪を維持しつつ、頭皮と髪の健康を維持するために使われるものです。

    まずは、市販の育毛剤にどのような成分が含まれているのか、市販の育毛剤でも高い効果が期待できる人について、詳しく解説していきます。

    市販の育毛剤の成分

    市販の育毛剤には、発毛を促進する成分と抜け毛を予防する成分が、それぞれバランス良く含まれています。

    しかし、処方薬のように高濃度でない、あるいは確実に作用する成分が入っていない場合もあります。

    毛母細胞の活性化や、血行の促進によって発毛をサポートするためには、以下の成分が含まれていなければなりません。

    毛母細胞を活性化する成分

    • ・D-パントテニルアルコール(パンテノール)
    • ・アデノシンなど

    血行を促進する成分

    • ・酢酸DL-α-トコフェロール(ビタミンE誘導体)
    • ・ナイアシンアミド
    • ・アルギニンなど

    これらに加え、処方薬には抜け毛を予防するために、頭皮環境を整える成分が豊富に含まれています。一方で市販薬の場合、薬草エキスなどの西洋医学の考えをベースとした成分が豊富に含まれている点が特徴です。

    ただし、発毛を強力に促す成分は含まれていません。

    そのため、現在はある程度髪が生えており、その髪をさらに健やかに育てたいという方にとっては、市販の育毛剤が向いていると考えてください。

    市販の育毛剤の効果

    前述したように、市販の育毛剤の効果は、抜け毛の予防と発毛の促進がメインです。

    育毛剤は医薬部外品や化粧品に該当し、医薬品に使用される成分は一切含まれていません。

    そのため、劇的に薄毛が改善する、抜け毛が起こらなくなるなどの治療効果は見込めません。

    頭皮の環境を良くして髪の毛が生えやすくなったり、髪の毛の質が良くなったりと、あくまでもヘアケア用品という位置づけであると捉えておきましょう。

    市販の育毛剤による効果の発現はごくわずか

    市販の育毛剤には医療的な有効成分が一切含まれていないことから、劇的な症状の改善は見込めませんが、頭皮の環境を良くさせたことにより、髪が生えてくるケースもあります。

    ただし、頭皮環境が原因で薄毛になっていたケースのみです。

    特に薄毛の原因がAGAの場合は、市販の育毛剤では改善効果を見込めません。

    つまり、薄毛の原因によっては市販の育毛剤が効かず、何も効果が得られない場合もあることを押さえておきましょう。

    市販の育毛剤を使える方

    上述したように、市販の育毛剤では十分に効果が得られない方もいれば、市販の育毛剤を治療前に使ったほうが良い方もいます。

    市販の育毛剤をおすすめする方は、次のとおりです。

    AGAではないと分かっている方

    前述したように、すでにAGAと分かっている方においては、市販の育毛剤も効果がありません。

    AGAの原因は頭皮環境ではなく、男性ホルモンが関係しているため、男性ホルモンに着目した治療をしなければ、改善ができないのです。

    一方で、AGAではないことが検査などによって分かっている方の場合、薄毛の理由は頭皮環境が関係している可能性があります。

    そのため、育毛剤を使って頭皮環境を整えた結果、薄毛が改善する可能性があるのです。

    頭皮にトラブルがない方

    育毛剤はさまざまな成分を含んでいるため、頭皮が弱い方は皮膚の炎症、かぶれ、かゆみ、発赤が起こることがあります。

    起こる確率は使用者の10%程度ですが、頭皮にトラブルが起こることにより、髪の成長発達を阻害して、薄毛や抜け毛をさらに助長する可能性が高まります。

    そのため、育毛剤は頭皮にトラブルがない方、頭皮が健康な方におすすめです。

    市販の育毛剤に効果がないと言われる理由

    ではなぜ、市販の育毛剤には効果がないのでしょうか。ここからは、市販の育毛剤は効果がないと言われる理由と、本当に全く効果がないのかについて解説します。

    市販の育毛剤のみで薄毛改善を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

    医学的根拠がない

    市販の育毛剤には、残念ながら医学的根拠がありません。

    現在の医学は「Evidence Based Medicine」に基づき、その治療の信ぴょう性を評価しています。

    しかし、市販されている育毛剤については、エビデンスを担保する研究が行われていません。

    そのため、発毛効果や育毛効果が果たしてどのくらいあるのか、詳細な効果については不明な状態です。

    特に、AGAといった医療の介入が必要な状態において、医学的根拠のない治療法については高い効果が見込めないため、医療行為として信用できません。

    このことから、市販の育毛剤は効果がないと言われているのです。

    医薬部外品である

    市販の育毛剤に効果が見込めないもう一つの理由は、医薬部外品であるためです。

    薬は医薬品と医薬部外品の2種類に分類できます。

    上述したように、医薬品はエビデンスに基づいて研究が行われており、高い効果があることを実証した上で世の中に出しているため、一部の医薬品を除いては市販で販売されていません。

    一方、医薬部外品とは、厚生労働省が許可した有効成分が一定の濃度で配合されている製品のことで、医薬品と化粧品の中間に位置します。

    医薬品ではないことから、許可を取れば販売することが可能で、消費者側も特に手続きをせず気軽に購入できます。

    医薬品ではないという点から医薬部外品の育毛剤は十分な効果が得られないと考えられるのです。

    市販の育毛剤に「薬用」という表記があった場合、それは医薬部外品の育毛剤として考えて問題ないでしょう。

    ミノキシジル育毛剤の正しい使用方法

    上述したように、ミノキシジルを配合した育毛剤ならば、市販薬であっても高い効果が期待できます。

    ただし、ミノキシジルは医薬品でも使用されている成分のため、正しい使用方法で使うことが非常に重要です。

    ここからは、ミノキシジルを配合した育毛剤を使うに当たり、正しい使用方法を解説していきます。

    ミノキシジルとは

    ミノキシジルとは、AGA治療薬として唯一の外用薬で、発毛効果に期待できます。

    もともとは降圧薬として使われていましたが、降圧のために血管拡張した結果として血流が良くなり、多毛となった副作用を受けて研究を重ね、今日の日本では育毛剤として使われています。

    ミノキシジルの効果は、次のとおりです。

    • ・毛乳頭細胞の増殖作用
    • ・上皮系毛組織細胞(毛母細胞)のアポトーシス抑制作用
    • ・毛組織血流改善作用

    現在、皮膚科学会が発表しているAGAの診療ガイドラインにおいても、積極的に使用を勧める薬剤に位置づけられています。

    ミノキシジルについてはこちらでも詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。

    化学成分の使用の有無

    ミノキシジルを主成分とする育毛剤には、さまざまな化学成分も使用されています。

    中でも、ほとんどのミノキシジルを含む育毛剤に使用されている化学成分は、ポリプロピレン酸グリコールです。

    ミノキシジルはその性質上、そもそも水に溶けません。

    しかし、このミノキシジルを外用薬として扱うためには、水に溶かす必要があるのです。

    そこで水に溶かすために、このポリプロピレン酸グリコールが使われるのですが、ポリプロピレン酸グリコールは頭皮にかぶれなどの炎症を引き起こす要因にもなります。

    このように、育毛剤にミノキシジルを含ませるためには、化学成分の使用が避けられないため、この点も理解しておきましょう。

    使用回数

    ミノキシジルが含まれる育毛剤は、1日2回、1回当たり1mgを使用することが目安となっています。

    朝と夜に1回ずつ使うと考えておくと良いでしょう。

    ただし、使用回数を増やしても高い効果は見込めませんので、1日の使用回数を守ることが大切です。

    使用回数や使用量は育毛剤のパッケージに必ず記載されているため、確認の上で用法用量を守って使いましょう。

    副作用があることを理解する

    ミノキシジルを含む育毛剤には副作用があります。

    ミノキシジルの主な副作用は、頭皮の発赤、かゆみ、かぶれ、フケ、熱感です。

    特に、もともと頭皮が弱い方、頭皮にかぶれや傷があるという方は、これらの副作用が強く出る可能性があります。

    また、ミノキシジルはもともと降圧薬であったという背景から、頭痛、めまい、動悸、胸痛といった副作用が発症する可能性もあります。

    そのため、循環器系に障害がある方は特に注意が必要です。

    循環器系の病気がある方は、ミノキシジルの含まれた育毛剤は市販薬も含め、かかりつけ医に相談してから使用しましょう。

    市販の育毛剤を使う上でのポイント

    市販の育毛剤に効果がないとはいえ、現時点で病院受診は考えておらず、市販の育毛剤で様子を見たい方もいるかもしれません。

    市販の育毛剤を使うに当たり、次のポイントをチェックしておきましょう。

    成分に着目する

    市販の育毛剤を使う際は、必ず成分に着目しましょう。

    市販の育毛剤にはさまざまな成分が含まれていますが、特に以下の成分については、含まれているかどうかの確認が必須です。

    • ・塩化カルプロニウム
    • ・センブリエキス
    • ・トコフェロール
    • ・t-フラバノン
    • ・アデノシン
    • ・ペンタデカン
    • ・パントテニルエチルエーテル
    • ・ヒノキチオール

    これらの成分は、血行を促進したり、毛根細胞を活性化させたりするため、必ず含有されているか確認しましょう。

    また、有効成分の含有の有無と併せて、添加物についても含有の有無を確認してください。

    添加物は育毛剤の品質を保つ一方で、人体にとっては有害となることがあります。

    育毛剤に含まれる主な添加物には、エタノール・タール色素・香料・防腐剤がありますが、どれもがかぶれや炎症、かゆみを引き起こしやすいです。

    そのため、育毛剤を使用する前には、有効成分と添加物の両方をチェックしましょう。

    継続して使える価格か

    育毛剤を数回あるいは数日間のみ使ったとしても、効果は期待できず、継続して使わなければ意味がありません。

    そのため、継続して使える価格帯かどうかを確認しましょう。

    良い成分が含まれていても、ご自身の予算に見合わず、継続して使えないとなれば本末転倒です。

    市販の育毛剤はドラッグストアだけでなく、ECサイトからも購入できます。

    ECサイトの場合、まとめて購入することで割引される可能性もあるため、さまざまな購入方法をチェックした上で購入を検討しましょう。

    いろいろな育毛剤を併用しない

    中には高い育毛効果を期待して、さまざまな育毛剤の併用を考える方もいるかもしれませんが、原則として育毛剤の併用は控えてください。

    育毛剤を併用しても、相乗効果が得られるわけではありません。

    それだけでなく、かえって副作用のリスクが増すと考えられています。

    ひとつの育毛剤を最低でも6カ月間継続的に使用して、複数の育毛剤を併用するのは控えましょう。

    外用薬と市販の育毛剤は併用 NG

    育毛剤の併用だけでなく、市販の育毛剤と外用薬(ミノキシジル)の併用もしてはいけません。

    市販の育毛剤を使いながらミノキシジルを使うと、ミノキシジルの吸収に影響を及ぼす可能性があります。

    「市販の育毛剤を使用していたら副作用症状が起こり、外用薬を処方された」という場合は、育毛剤の使用は禁忌であるため、すみやかに使用を中止しましょう。

    頭皮が清潔な状態で使用する

    いくら効果が期待できる育毛剤を使っても、頭皮が不潔な状態で使えば、十分な効果は得られません。

    頭皮に雑菌や皮脂が残っていると、十分に育毛剤が浸透しないだけでなく、雑菌と混ざって頭皮に刺激を与える可能性も考えられます。

    頭を洗った後の清潔な頭皮に使うのが理想ですが、特に朝忙しくて頭を洗っている暇がないという方は、ブラッシングで頭皮の汚れをある程度浮かせてから使うと良いでしょう。

    頭皮マッサージを行いながら使用する

    頭皮マッサージで血行を促進させながら使用することで、より育毛剤の成分が浸透しやすくなります。

    そのため、育毛剤を塗布したら頭皮マッサージを積極的に行いましょう。

    ご自身で行うのが難しい方は、頭皮を後頭部、頭頂部、側頭部ごとに分けて揉むだけでも、高い効果が期待できます。

    ただし、頭皮マッサージそのものが育毛に直接作用することはありません。

    また、頭皮マッサージをしなければ育毛剤の効果が得られないということでもありません。

    育毛剤の効果をより高めたい、育毛剤にプラスαのケアをしたいという方は、ぜひ頭皮マッサージを試してみてください。

    男女別で合う育毛剤は異なる

    女性は男性よりも皮膚が敏感な方が多いことから、女性が男性用の育毛剤を使うことにより、頭皮への副作用が強く出る可能性があります。

    また、男性には育毛剤を使用してふさふさの強い髪を作りたいという方が多いですが、一方で女性にはボリュームアップを期待している方が多いです。

    女性と男性では育毛剤を使う目的が異なるという点から、適切な育毛剤が異なる点も押さえておきましょう。

    また、男性と女性では、ミノキシジルの使用量も異なります。

    女性が男性用のミノキシジルを含む市販の育毛剤を使うと、かゆみや炎症などの副作用が生じる可能性があります。

    育毛剤を使用するならば、必ずそれぞれの性別に合ったものを使いましょう。

    市販の育毛剤が効かなければ病院の受診を検討しよう

    市販の育毛剤で薄毛が改善されない場合は、AGA(男性型脱毛症)の可能性があります。

    AGAであった場合は、育毛剤の効果が全く見られず、改善するためにはAGA専門のクリニックでの受診が必要です。

    市販の育毛剤を使っていても効果がない、むしろ悪化しているという方は、病院の受診を検討しましょう。

    市販の育毛剤が効かなければAGAかも

    市販の育毛剤が効かなければ、AGAである可能性が高いといえます。

    市販の育毛剤には髪を健康的に保つ効果はあるものの、髪を生やす発毛の効果はありません。

    そのため、頭皮環境が原因で薄毛になっているという場合は、育毛剤だけでもある程度の改善が見込めます。

    一方で、市販の育毛剤を使っても髪がどんどん抜けていき、薄毛になっているという方は、AGAの可能性が高いです。この場合、根本的な問題を解決しなければ、薄毛の改善はできません。

    そのため、市販の育毛剤が効いてない場合は、AGA治療薬による治療を検討してください。

    また、髪を生やす効果があるのは育毛剤ではなく発毛剤ですので、その点も理解しておきましょう。

    医師が処方する外用薬について

    ミノキシジルとは、AGA治療薬として医師が処方する外用薬で、市販の育毛剤にも含まれていることのある有効成分です。

    しかし、市販の育毛剤と比べると、処方薬には添加物の量が少なく、さらに処方医から定期的に状態をチェックしてもらえます。また、病院なら市販薬よりも高濃度の取り扱いがございます。このことから、薄毛が気になる方は、医療機関でミノキシジルを処方してもらうことがおすすめです。

    また、市販の育毛剤に含まれるミノキシジルの最大濃度は5%ですが、処方薬ならばそれ以上の濃度の外用薬も使用可能です。

    まとめ

    市販の育毛剤は髪を生やすためではなく、頭皮環境を整えて健やかな髪を育てるという目的で使用されます。

    ただし、育毛剤を使えば確実に髪が生えるという医学的根拠はありませんが、頭皮環境を整えることで髪が生えてくるケースもあります。

    また、育毛剤は種類ごとに含まれている成分が異なる上に、添加物の種類によっては頭皮に思わぬ副作用を与えるかもしれません。

    そのため、市販の育毛剤を使う際には、必ず成分を確認しましょう。

    市販の育毛剤を使っていても一向に改善せず、むしろ状態が悪くなっているという場合は、AGAによる薄毛の可能性があります。

    AGAであった場合、専門の治療をしなければ改善は見込めません。

    育毛剤を使っているのに改善しない、薄毛がさらに進行しているという方は、ぜひAGA専門クリニックへご相談ください。

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