



AGA基礎知識
#AGA基礎知識
AGAを発症した方の多くがAGAは完治するのか、自力で何とかできるのか知りたいと考えているでしょう。
そこで、本記事ではAGAが完治できるのかどうかを解説します。
また、AGAを発症したらどうすればいいか、治療を受ける場合に注意すべきことについても解説するため、AGA発症後にどうすればいいか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
「AGAは発症したら終わり」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
なぜこのような言葉が使われるようになったのか、その理由を解説します。
AGAは発症したら終わりといわれる最たる理由が、AGAは難治性かつ進行性の病気であるためです。
AGAは進行性病変のため様子を見ていても改善は見込めず、治療をせずに放置しているとどんどん脱毛が進んでいきます。
進行スピードには個人差があるといわれており一概にはいえませんが、急激に薄毛になることは少なく、数カ月から数年単位で症状が進んでいくことが一般的です。
また、詳しくは後述しますが、AGAは完治することが難しい病気とされています。
AGA治療は時間とお金がかかる治療です。
AGA治療は自身に合う治療薬がすぐに見つかるとは限りません。合う治療薬が見つかるまでに時間がかかる上に、見つかったとしても効果が出るまでには薬剤を服用してから6カ月はかかるのが一般的です。
また、AGA治療を始めると、初期脱毛によりいったん抜け毛の量が増え、薄毛になる可能性があります。その状態から髪が生えてくるまでにはさらに時間がかかるため、目で見て治ってきていると実感できるまでには長い時間がかかるのです。
さらに、AGAは自費診療となるため保険が適用されません。薬の費用だけでも一回の診療あたり数千~数万円はかかります。
AGA治療薬はある程度の期間服用すればよいわけではなく、生涯服用を続ける必要があります。
時間がかかり、金銭的にも負担がかかることも、AGAを発症したら終わりといわれる理由です。
AGAが完治するかどうかを知るためには、AGAが発症する原因やきっかけについても知っておくことが必要です。
発症の原因やきっかけによっては、早期にAGAが改善する可能性もあるためです。
AGAが発症する原因やきっかけは次のとおりです。
AGAが発症する原因には男性ホルモンと遺伝が深く関係しています。
なぜ、男性ホルモンと遺伝がAGA発症につながるのか、その理由は次のとおりです。
AGA発症の原因となるのが、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンです。
ジヒドロテストステロンとは、男性ホルモンのテストステロンが、5αリダクターゼという還元酵素の影響で変化したものです。
ジヒドロテストステロンは筋肉の維持増強や皮脂分泌、二次性徴の発達など、男性らしい体を作る上では欠かせません。
しかし、毛乳頭細胞に存在する受容体にジヒドロテストステロンが結合すると、毛母細胞の増殖が抑制されるため、髪の毛の成長期が短縮して髪が抜けやすくなります。
この状態が続くことで、髪がどんどん抜けるのに新しい髪がなかなか生えてこず、薄毛になるのです。
AGA発症は遺伝も深く関係しており、特にX染色体上に存在する男性ホルモンレセプター遺伝子が関係していることが分かっています。
男性ホルモンレセプターの感受性や、5αリダクターゼの活性度が遺伝的に高い場合、そうでない人よりも薄毛になりやすいのです。
また男性のX染色体は母方から受け継ぐため、母方にAGAの方がいるとAGAになる可能性が高いということも分かっており、母方の祖父と曽祖父ともに薄毛の場合は約90%の可能性で遺伝するとされています。
このことから、親族の誰かがAGAの場合、自身もAGAになる可能性が高いと思っておいてよいでしょう。
近親者にAGAの人がいても、必ずしも発症するわけではありません。
ほかの要因が合わさってAGAが発症することが少なくないようです。
また、近親者にAGAの人がいないという方でも、何かをきっかけにAGAを発症する可能性は十分にあります。
AGAが発症するきっかけとして以下の理由が考えられています。
不規則な食生活はAGAの発症へ大きく関わります。
髪の毛の8割はタンパク質でできているため、食生活が乱れると健康な髪の毛が作られにくくなり、抜けやすくなります。
加えて、菓子パンやファーストフードなど、糖が多く含まれる食品を多量にとり続けると、糖質がタンパク質と結びつき、細胞を劣化させます。
これによって毛母細胞が劣化すると、薄毛の進行へとつながるのです。
さらに、脂っこい食事の多量摂取は血流を悪くし、毛穴から皮脂を過剰に分泌させるため、髪の成長に悪影響を及ぼし、毛が抜けやすくなるのです。
ストレスはAGA発生に直接関係しません。
しかし、長期的にストレスにさらされ続けることで、自律神経のバランスが不安定になり、結果として男性ホルモンバランスも乱してAGAを引き起こすきっかけになると考えられています。
過度な飲酒や喫煙もAGA発症のきっかけになります。
特に、喫煙についてはアメリカで、中年男性1241名の喫煙者と非喫煙者を比較した調査がされています。
その結果によると、喫煙者の体内では男性ホルモンの濃度が高く、ジヒドロテストステロンの濃度が非喫煙者に比べて14%高くなっていることが分かったのです。
また飲酒については、アルコールが体内に入るとアセトアルデヒドになります。
このアセトアルデヒドがジヒドロテストステロンを増やすことが分かっているため、AGAと深く関係するといわれているのです。
アセトアルデヒドは、本来血中に入っても肝臓で処理されて体外に排出されます。
しかし、アセトアルデヒドを処理するためには髪の成長に必須であるアミノ酸を大量に消費するため、AGAのきっかけになるだけでなく、髪の成長発達も阻害すると考えられています。
AGAを発症しやすい40~50代は働き世代ともいわれており、睡眠を削って仕事をする方も多くいます。
睡眠が不足すると髪の成長に不可欠な成長ホルモンが十分に分泌されないため、結果としてAGAを発症するリスクが高まるとされています。
また、睡眠不足により自律神経が乱れると、血流や内臓の働きが悪くなるので、髪の成長発達に悪影響を及ぼすと考えられています。
年齢を重ねると、薄毛が気になる方は少なくありません。 薄毛に悩み始める年齢の平均値としては男性が30代後半、女…
AGAを発症した方の中には、AGAを完治させた人がいるのか気になる方もいるかもしれません。
また、AGAを医療機関で治療せず、自身で何とかしたい方もいるでしょう。
AGAが自力で治せるのか、完治した方はいるのかを解説します。
AGAは残念ながら完治することはありません。
AGAは進行性の病気であり、現在できる治療は進行を予防することのみです。
また、完治しないため、治療を終了すればすぐに元の状態に戻ります。
AGAは、発症したら生涯付き合っていかなければならない病気です。
完治は難しいAGAですが、自力である程度改善できる場合もあり、そのケースは主に2つです。
一つは、生活習慣の乱れによって起こっている場合です。この場合には生活習慣を見直すことで改善が見込めます。
もう一つは、ストレスによって起こっている場合です。
ストレスを解消することで、自律神経を整え、AGA改善につながる可能性があります。ストレス発散方法は人によって異なるため、自身にとって効果的な方法を見つけて実践してみましょう。
ただし、自身でAGAがなぜ起こっているのか原因を把握することは困難です。
自力で治せるかどうかの判断をしてもらうためにも、一度は医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。
AGAを発症したら放置せずに対処する必要があります。
しかし、AGAを発症したらどうすればいいのか分からない、発症したときに具体的にどのような行動をとればよいか知っておきたい、という方もいるのではないでしょうか。
AGAを発症したら次のような対策、対処法をとりましょう。
AGAを発症しているかもしれないと思ったら、まずは医療機関へ相談して治療を受けましょう。
薄毛、抜け毛を誘発する病気はAGA以外にもさまざまなものがあります。
誤った判断のもとで対処をすると、AGAを悪化させたり進行させたりするケースもあります。
そのため、医療機関で専門医からの診断を受けましょう。
医療機関で相談し治療を検討すると、主に以下の治療をすることとなります。
薬を服用して行う治療で、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」において、「行うことを強く勧める」と治療への推奨度が高くなっていることから、多くの医療機関でまず提案される治療法です。
内服薬を服用して5αリダクターゼの働きを阻害し、テストステロンがジヒドロテストステロンへ変換されないようにして、抜け毛を予防します。
AGAの内服治療で使用する薬剤は、主にフィナステリドとデュタステリドで、AGAのタイプや薬との相性を見ながらどちらを選択するかが決められます。
フィナステリドは、3年間の継続服用で約7割の方に軽度改善以上の効果が認められており、軽度のAGAや40歳以下の若い方のAGAにおいては高い効果が報告されているため、これらに該当する方はフィナステリドを勧められるでしょう。
副作用としてはリビドー減少、ED、射精障害などの報告がありますが、いずれも10%以下です。
外用薬とは塗り薬を意味します。AGA治療では、多くの医療機関でミノキシジルが処方されます。
特に5%ミノキシジルは「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」で推奨度Aとなっており、外用薬治療に優先的に使われる薬剤です。
発毛を促す成分が含まれており、実際に日本臨床毛髪学会の調査報告でも約35%の方において中程度あるいは高度のAGA改善が報告されているのです。
ただし、皮膚に直接使用するため、かゆみ、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などの副作用があります。
5%ミノキシジルは現在市販化もされているものの、副作用があるという観点から医療機関で処方されたものを使うことが勧められています。
薬物治療のみではAGAを改善させることは難しく、内服治療と併せてセルフケアに力を入れることも重要です。
薬物治療と併せて行ってほしいセルフケアは次のとおりです。
気軽に行えるセルフケアとして、まずは食生活を見直しましょう。
AGAを予防、改善させていくためにはバランスのとれた食事をとることが重要です。
タンパク質、シスチン、亜鉛、ビタミンなどは髪が成長していく上で必要不可欠な栄養となるため、これらを含んだバランスのよい食事をとるように工夫して献立を考えてみましょう。
特に、シスチンは成分そのものにも発毛効果があると分かっているほか、ミノキシジルの発毛効果に寄与することも分かっているため、治療薬にミノキシジルを使っている方は積極的にシスチンをとることがおすすめです。
ヘアケアを積極的に行うことで、AGAを発症させにくくする、あるいは進行を抑制する効果が期待できます。
特におすすめなのが育毛効果のあるシャンプーの使用で、髪の成長発達に関わり、より太くて丈夫な髪を育てます。
アミノ酸が含有されたシャンプーには育毛効果が期待できるため、自身に合ったものを見つけて使ってみましょう。
また、t-フラバノンはヘアサイクルが退行期・休止期に誘導されないように抑制するため、t-フラバノンが添加されたシャンプーを使うのもおすすめです。
しかし、シャンプーのみを使用しても改善は見込めません。シャンプーの使用に加えて、正しい方法で洗髪をすることも必要です。
シャンプーをよく泡立て、頭皮は指の腹で優しく洗いましょう。
その後はしっかりと洗い流し、頭皮に直接熱を与えないようにドライヤーをして乾かすことが必要です。
ストレスを適宜解消することも、AGA対策には重要です。とはいえ、髪が薄くなっていること自体がストレスとなるかもしれません。
髪に対する不安やストレスは、専門医からアドバイスをもらうことが解決への得策となるため、不安なことがあれば、薄毛治療の専門医へ相談しましょう。
ほかにも、仕事や家庭などのストレスは、適宜解消していきましょう。
ストレスをまったくためない生活は難しい上に、ストレス解消法は人によって異なります。そのため、自身でストレス解消法を見つけて実施していくことが重要です。
前述したように、飲酒や喫煙は髪を薄くするだけでなく、AGAを発症させたり助長したりします。
そのため、飲酒や喫煙を控えましょう。
飲酒についてはさまざまな意見があるものの、一般的には節度ある飲酒であれば問題ないと考えられています。
節度ある飲酒とは、厚生労働省の基準ではビールならば中ビン1本(500ml)、日本酒なら1合(180ml)程度です。
特に、普段過度な飲酒をする方は、まずお酒の量を減らしてみましょう。
AGAは、治療を早く始めれば始めるほど、改善が期待できます。
しかし、治療の前にはいくつか知っておくべきことがあります。
AGA治療を受ける前には次のことを理解しておきましょう。
AGAの治療は早めに始めることが重要です。
前述したように、薬の種類によっては軽度なうちに治療をしたほうが高い改善効果が期待できるものもあるためです。
また、毛量が極度に少なくなる前にAGA治療を始めたほうが、AGAの改善効果を目に見えて実感することができる点も特徴です。
「抜け毛が増えてきた」「薄毛かも…」と思ったタイミングで治療を始めるのが、早期改善のためのポイントです。
また、年齢が若い方も、「まだ若いから今後改善するかもしれない」と思わずに、薄毛が気になりだしたタイミングから治療をしたほうが、早い段階で改善できるでしょう。
AGA治療は一定期間治療すれば終わりではなく、継続して治療する必要があります。
例えば、内服薬で治療をする場合には、薬の効果を確認するために少なくとも6カ月間の服用が必要で、ミノキシジルについても4カ月程度は経過を見る必要があります。
しかし、これらはあくまで効果が出始めるタイミングとなるため、目に見えた改善を期待する場合には1年以上は服用する必要があります。
治療を継続することが必要という点を押さえておきましょう。
AGA治療は自費診療となるため、保険が適用されず、高額な治療費用がかかります。
内服薬の相場が月15,000~25,000円程度はかかるため、年間18万~30万円程度はかかると見込んでおく必要があります。
その上、治療を長期にわたって継続しなければなりません。
治療費用が支払えないからと治療を終了すれば、またすぐに治療前の状態へと戻るため、これまでの治療が無駄になってしまいます。
治療費用がかかることを念頭に置き、あらかじめ治療費用を継続して払えるかを見積もっておきましょう。
治療をしたからといって、すべての方が100%改善するわけではありません。
その理由として考えられるのは、AGAではなくほかの病気で薄毛になっているということです。
AGA以外の理由で薄毛になっているのであれば、その病態に合った治療をする必要があります。
AGA以外の理由で薄毛になるケースは、主に次の2パターンが考えられます。
頭部に円状の脱毛斑ができたり、いきなり多量の毛が抜けたりする場合には、円形脱毛症の可能性があります。
円形脱毛症の場合は、AGA治療薬では改善しません。
円形脱毛症は年齢問わずに突然発症し、急速に進行します。
AGA同様に自然治癒は難しく治療が必要となるため、AGA治療をしても効果が見られない、脱毛が急速に進む、丸くはげてきている場合には、円形脱毛症の可能性を疑いましょう。
脂漏性脱毛症とは、自身の皮脂によって頭皮の環境が悪化し、抜け毛につながる病気です。
40~60歳以上の人に起こりやすく、多量の抜け毛が起こったり髪が生えにくくなったりすることがあります。
脂漏性脱毛症もAGAの治療薬では改善が見込めませんが、投薬治療と日常生活の見直しで早期に改善、完治も見込めます。
頭皮が脂っぽくべたべたしているという方は、脂漏性脱毛症を疑って一度皮膚科で診てもらいましょう。
AGA治療では、薬を使っていると副作用が生じることがあります。
飲み薬の場合は、リビドー減少、ED、射精障害の報告があります。
塗り薬の場合はかゆみ、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などが副作用として報告されています。
特に、5%ミノキシジルという高い濃度のミノキシジルを使用する場合、副作用が多数報告されています。
AGA治療をする際には、必ず副作用を知っておきましょう。
医師からも治療前に説明があるため、しっかりと聞き、納得してから治療を開始するとよいでしょう。
AGA治療や薄毛対策は皮膚科でもできます。
しかし、確実に自身に合った治療法で治療をしたいと考える場合には、AGAクリニックへ受診することがおすすめです。
AGAクリニックの特徴について解説します。
AGAクリニックには、AGAの検査をするための専門的な機械、専門知識を持ったドクターが配置されています。
そのため、一般的に皮膚科では受けられないより精密な検査が受けられます。
一般的な皮膚科では頭皮の状態を目で見て確認することが多いですが、AGAクリニックならば血液検査をしてより具体的に原因を調べたり、マイクロスコープを使った頭皮チェックも受けられたりする点が特徴です。
AGA治療は投薬治療が第一選択となりますが、ほかにも植毛やLEDを活用したレーザー療法、成長因子導入および細胞移植療法などさまざまな治療法があります。
また、薬剤も多数用意されているので、自身に合わなかった場合にはほかの薬剤使用も提案してもらえます。
さまざまな治療法から自身に合ったものを提案してもらえるのは、AGAクリニックで治療を受けるメリットといえるでしょう。
近年、オンラインクリニックも普及し、お薬をもらうだけであればオンラインクリニックで簡単に診察してもらえるようになりました。
しかし、治療を継続していく上では、発毛効果をチェックしていくことが重要です。
オンライン以外のAGAクリニックでは、診察のたびに発毛効果のチェックをし、発毛状態によって柔軟に薬を変えながら治療の継続ができます。
クリニック受診を億劫に感じる方もいるかもしれませんが、より高い効果を期待するならばAGAクリニックで発毛効果をチェックしながら治療を継続しましょう。
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AGAは進行性の病気であり、残念ながら完治は見込めません。
しかし、治療をして行くことでAGA発症前と同等の発毛量を取り戻すことは可能です。
AGAは早期発見、早期治療をすれば、進行を抑えて早く改善できるでしょう。
AGAかもしれないと考えたらAGA専門のクリニックで相談し、検査を受け、AGAかどうかを確認してから専門的な治療を行いましょう。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
薄毛対策に関するトピックをお届けします。