薄毛治療を検討されている方で、ミノタブ(ミノキシジルタブレット)に関心を持たれている方は多いのではないでしょうか?
本記事では、ミノタブの特徴や効果、副作用や入手方法まで徹底的に解説します。
ミノタブがAGA治療にどのように関係しているのか、まずは主成分と治療効果を発揮する仕組みについて解説します。
ミノタブの主成分はミノキシジルという成分です。
服用者に発毛・多毛の副作用があり、発毛剤としての研究が進められ、現在はAGAの治療薬として使用されています。
ミノキシジルを有効成分とするAGA治療薬は、外用薬と内服薬の2種類に分けられます。
外用薬の作用が及ぶのは毛細血管のみですが、内服薬では毛細血管の根幹にある細動脈にまで作用が及びます。
ミノタブは内服薬に該当するので、外用薬よりも高い効果を期待できます。
ミノタブは、体の内側から作用して毛細血管の根幹の細動脈を拡張させます。
細動脈が拡張されることで、毛細血管の血流が大幅に増加します。
そうすることで、髪の発育に関わる毛乳頭細胞に必要な酸素や栄養素が十分に運ばれ、発育が促進させるという仕組みです。
ミノタブは、日本ではAGA治療薬として承認されていません。
ミノキシジルの外用薬はAGA治療薬として厚生労働省から認可されていますが、内服薬のミノタブに関しては、安全性が確立されていない点から承認されていないのです。
ただし、未承認だから処方できないということではありません。医師がしっかりと診断し、起こり得る副作用のリスクも含めて説明すれば、処方は認められています。
また、ミノキシジルはAGA治療薬に位置付けされるため、保険適用外の自由診療になります。もちろんミノタブも保険適用外です。
前項では、ミノタブの主成分を主軸に紹介しました。
次にミノタブで期待できる効果について紹介します。
ミノタブに期待できる効果は次の3つです。
上記を順番に解説していきます。
1つ目は、血管を拡張させて血流の流れをサポートすることです。
血流が改善すると、頭皮の毛細血管に十分な血流が行き渡り、髪の発育に不可欠な酸素や栄養が運ばれて発毛を促します。
ミノタブは内服薬のため、経口摂取で直接体内に成分を取り込めます。外用薬よりさらに高い効果が期待できるでしょう。
発毛は、髪を作り出す司令塔である毛乳頭が毛母細胞に栄養を渡し、毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで行われます。
毛母細胞は24時間常に細胞分裂を繰り返すため、多くの酸素や栄養が必要です。
ミノタブの効果で血流が改善・増加すると、酸素や栄養が十分に行き渡り、細胞分裂が活発になって、太く濃い健やかな髪を生やすことが期待できます。
ミノタブは、他のAGA治療薬と併用することができます。
具体的には、プロペシアやザガーロが挙げられます。
ミノタブ(ミノキシジルタブレット)は、発毛効果は期待できますが、抜け毛を防止できるということではありません。そこで、抜け毛防止効果のあるプロペシアやザガーロを併用することで、AGA治療の効果をより期待できるでしょう。
ミノキシジルのAGA治療薬は、内服薬と外用薬の2種類があります。
ミノタブは内服薬に該当します。以下に内服薬と外用薬の違いを表でまとめました。
内服薬 | 外用薬 | |
服用効果 | 血流を改善して、発毛を促す | |
効果の強さ | 比較的強い | 比較的弱い |
入手方法 | 医師による処方個人輸入 | 医師による処方市販(薬局など) |
副作用のリスク | 比較的高い | 比較的低い |
厚生労働省の認可 | なし | あり |
主成分が同じミノキシジルでも、内服薬と外用薬では特徴が異なります。
内服薬は外用薬より効果が高く、より発毛促進の効果を期待できますが、同時に副作用のリスクも高くなることを忘れてはいけません。
また、内服薬は厚生労働省未承認の薬である点も外用薬と大きく異なる点です。
未承認にはなりますが、ミノタブを服用することが違法行為にはなりません。医師の判断のもと適切な使用を行えば、AGA治療でより高い効果を期待できるでしょう。
ここからは、ミノタブの副作用について解説します。以下が主な副作用です。
初期脱毛は、ミノタブのみならずAGA治療全般で起こり得る症状です。
髪の毛には、「成長期」「後退期」「休止期」と、毛周期と呼ばれる髪の毛が生え変わるサイクルがあります。
初期脱毛は、「休止期」にある毛根がAGA治療で急激に活性化した毛母細胞によって「成長期」に移行し、新しい毛が古い毛を押し出すことで抜け毛が増える現象です。
初期脱毛は、治療開始から1週間程度で始まって、2カ月以内には治まる傾向があります。
初期脱毛が起こるということは、新しい毛が生えてきている証拠です。
古い毛が抜ける一次的な抜け毛ですので、気を落とさずAGA治療に専念しましょう。
ミノタブはもともと高血圧の薬として開発されました。血管を拡張させ、血流が増えることで、血圧を下げる効果があります。
しかし、血管拡張の作用によって副作用が生じて、心血管系に影響を与える場合があります。
具体的には、動悸や息切れ、胸痛などです。ごくまれに悪化すると、不整脈や狭心症、心筋梗塞、心不全などの心疾患を引き起こす可能性もあります。
服用中に気になる症状が現れた場合は、速やかに医師に相談するようにしましょう。
多毛もミノタブの副作用の一つで、起こる確率が高い副作用です。
ミノタブを服用すると、血管の血流改善によって毛の発育に必要な栄養や酸素が隅々まで運ばれることで、頭髪以外にも発毛効果が現れます。
むくみもミノタブを服用した後によく現れる副作用です。
ミノタブは血管を拡張させる作用がありますが、対象は血液を全身に運ぶ動脈のみで、全身の血液を心臓に戻す静脈には血管拡張の作用が働きません。
よって、血流が増えても戻しきれない血液が末端にたまることで、むくみとして現れます。
また、ミノタブは肝臓や腎臓にも負担を与える場合があり、肝臓や腎臓の機能低下もむくみを起こす要因です。
ここからは、副作用のリスクを高めないためにも、ミノタブ(ミノキシジルタブレット)の正しい服用方法について解説していきます。
ミノタブは、服用する時間による効果の差はありません。
ただし、有効成分の血中濃度を保つためにも、毎日同じ時間に服用することが重要です。
服用の習慣を付けるためにも、例えば食後や寝る前など、自身で決めた時間に服用しましょう。
ミノタブは、一般的に2.5mg・5mg・10mgの用量があります。
ほとんどの場合2.5mgから処方され、多くても5mgとされています。
一日に服用できる量は通常2.5mgまでとされており、循環器系が健康な方でも5mgは副作用のリスクが高まります。
副作用のリスクを抑えるために、最初は2.5mgの錠剤を半分に割って、濃度を薄めた上で服用するのがよいでしょう。
ミノタブの5mg以上の服用は、副作用リスクが高まるためおすすめできません。
しかし、どうしても増量が必要な場合は、必ず医師の判断を仰いだ上で服用しましょう。
また、心疾患系の副作用リスクも高いので、増量する場合は心電図検査などを受けて全身の状態を確認する必要があります。
ミノタブは厚生労働省未承認の薬です。
実際に服用する際の薬の入手方法について紹介します。
ミノタブは、基本的には医師からの処方で入手します。
インターネットなどを介しての個人輸入もできますが、模倣医薬品や偽造医薬品の危険性があるので注意が必要です。
また、偽造医薬品には人体に有害な物質が含まれている可能性や、不衛生な環境で製造された可能性があると、厚生労働省から注意喚起が出ています。
安全な入手方法は、病院やクリニックなどでの医師からの処方です。しかし、厚生労働省未承認の薬なので、取り扱いがある病院やクリニックが限られている点も知っておく必要があります。
ミノキシジルを主成分とする薬は、内服薬と外用薬の2種類あります。
そして、厚生労働省からの認可の有無で入手方法も異なります。
内服薬であるミノタブは、上記で説明したとおり未承認の薬なので、医師からの処方か個人輸入での入手になります。
外用薬は厚生労働省に認可されており、内服薬に比べると比較的効果も緩やかで副作用のリスクも低いため、市販の薬局やドラックストアで手軽に購入が可能です。もちろん病院やクリニックでの処方もあります。
最後に、ミノタブ(ミノキシジルタブレット)を服用する上での注意点を解説します。
上記を順番に解説していきます。
ミノタブを服用しているときは、発毛効果を実感できますが、服用をやめると再び脱毛が始まってしまいます。よって、ミノタブは継続的に飲み続ける必要があります。
また、長期的に飲み続ける際には注意が必要です。
ミノタブは血管拡張の作用があるので、心臓に負担をかけてしまいます。不整脈や心筋梗塞、心不全などの心疾患を引き起こすリスクがあるので、医師による定期的な健康チェックが不可欠です。
ミノタブの主成分であるミノキシジルは、現時点では耐性があるという医学的根拠は報告されていません。
一方で、長期間服用しているうちに効果が薄まったという声もあります。
この場合、ミノキシジルへの耐性ができたわけではなく、AGAが進行したことでこれまでの服用量では効果を実感できなくなった可能性があります。効果が薄まったと感じたら、医師に相談すべきでしょう。
ミノタブの服用をやめると、頭皮が元の状態に戻る場合があります。
ミノタブにはAGAによる抜け毛を止める作用はなく、AGAを根本的に治療するものではないことに注意が必要です。
ミノタブは他のAGA治療薬を併用すれば、AGAに対する効果を高めることが期待できますが、一方で併用禁止の薬があるので注意が必要です。
併用禁止の薬を以下の表にまとめました。
併用禁止の薬 | 説明 |
イブプロフェン(風邪薬) | ・発毛効果を下げる・血流を悪化させる |
ED治療薬 | ・ミノキシジルと同様の血管拡張の作用があり、併用すると副作用のリスクが高まる |
イミグラン(偏頭痛治療薬) | ・脳内の血管を収縮させる作用がある・血圧の異常を引き起こす |
アルコール | ・血管拡張の作用があり、急な血圧低下を招く |
降圧剤 | ・血管平滑筋を弛緩させて血圧を下げる作用があり、急な血圧低下を招く |
上記の薬以外にも服用している薬があれば、重篤な副作用のリスクを避けるために必ず医師に相談しましょう。
ミノタブは血圧への強い作用があるため、あらかじめ服用を避ける必要がある方がいます。
以下の方は、ミノタブを服用しないでください。
ミノタブの降圧作用により、褐色細胞腫からのカテコールアミンの分泌を刺激する可能性があるため、褐色細胞腫には禁忌です。
また、ミノタブの主成分であるミノキシジルの臨床試験では、未成年に使用したデータがないので不透明な事項が多く、成長段階の未成年に継続的に服用するのは危険です。
さらに、妊娠中や授乳中の方も胎児に悪影響を及ぼすリスクもあるため服用しないでください。
ミノタブはもともと降圧剤として使用されていたので、循環器系に作用します。そのため、心臓や肺、血管系や肝臓に持病がある方の服用は特に注意が必要です。
他にも、重篤な腎障害がある方は、腎障害の進行を防ぐためにミノタブの投与量を減らす必要があります。
持病や既往歴のある方は、医師の判断のもとに服用をするようにしましょう。
これまで、ミノタブの特徴や効果、副作用、服用する上での注意点まで解説してきました。
AGA治療薬として高い効果が期待でき、魅力的な薬であるミノタブですが、併用禁止の薬や服用を避けるべき方など、注意点も多い薬剤です。
正しい知識を身に付けて、医師の判断に基づいて服用するようにしましょう。
ミノタブに興味がある方は、AGA専門クリニックへの相談がおすすめです。厚生労働省未承認のミノタブですが、一部のAGA専門クリニックであれば処方することができます。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
薄毛対策に関するトピックをお届けします。