薄毛の原因は何?治療の効果や方法について紹介

年齢を重ねると、薄毛が気になる方は少なくありません。

薄毛に悩み始める年齢の平均値としては男性が30代後半、女性が40代前半とされており、特に男性においては40歳になると半数以上の方が薄毛を気にするようになるといわれています。

しかし、一方で薄毛の悩みや薄毛の解決策を周りの人には気軽には聞けないという方も多くいるようです。

本記事では薄毛について、薄毛と関係あるAGAや治療における費用などを詳しく解説します。

「薄毛が気になるけれど周囲に気軽に相談できずに悩んでいる」「薄毛とAGAの関係について気になる」という方はぜひ参考にしてみてください。

目次

    薄毛の原因は何?

    しばしば薄毛とAGAは混同して用いられます。

    薄毛は髪が薄いという状態を表わす言葉であり、AGAは薄毛を起こす病気の名前です。男性の薄毛の場合、その多くがAGAによって起こっています。

    まずAGAとは何か、見ていきましょう。

    AGAとは

    男性型脱毛症とも呼ばれるAGAは、薄毛を起こす病気の一種です。

    AGAの原因は主に男性ホルモンですが、他にもさまざまな遺伝的要因、環境要因があります。

    AGAの発症者割合を見てみると、20代は約10%と低いものの、30代では20%、40代では30%、50代以降になると40数%となり、3人に1人がAGAを発症すると考えられています。

    薄毛の原因(要因)

    薄毛はAGA以外でも起こることがあるため、自身の薄毛がAGAによるものか、そうでないものかを知るためにも、薄毛の原因(要因)を知っておきましょう。

    ここでは、薄毛の原因(要因)を6つ紹介します。

    遺伝

    日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」によると、AGAと遺伝は関係していることが分かっています。

    AGAと遺伝が密接な関係にある理由には、X染色体上に存在する男性ホルモン受容体遺伝子(AR遺伝子)の多型が関係しています。

    遺伝子の多型とは、人口の1%以上に見られて、単独では重大な病気を引き起こさない変異のことです。この遺伝子多型によって男性ホルモン受容体の活動性が増加すると考えられています。

    母親側のX染色体が男性に引き継がれるため、母親の家系に薄毛の男性がいると、自身も薄毛になる可能性が高いといえます。両親が薄毛ではないのに自分が薄毛になっているという場合には、隔世遺伝の可能性が考えられるでしょう。

    ただし、AR遺伝子の多型が見られても全員がAGAになるわけではありません。また家族研究では、AGAの息子の父親は81.5%がAGAであることが示されています。

    したがって、他の常染色体遺伝子もAGAの発症に関係していると考えられます。

    男性ホルモン

    AGAの原因は男性ホルモンの一種であるテストステロンによるものです。

    テストステロンは本来、骨・筋肉の発達を促したり、髭や胸毛などの毛を濃くしたりと男性らしい体を作る役割を担います。しかし、テストステロンがII型5α還元酵素によってジヒドロテストステロンに変換されると、薄毛につながります。

    ジヒドロテストステロンが頭皮の毛包にある男性ホルモン受容体に結合すると、毛母細胞の増殖が抑制されるため髪の毛の成長がストップしますが、その後すぐに休止期といって髪の毛が抜ける時期に入ってしまうのです。

    ただしこのメカニズムが存在しても、すべての例で薄毛になるわけではありません。

    まだ研究段階ですが、男性ホルモン受容体の増加、男性ホルモン受容体の機能的多型、ジヒドロテストステロンの局所的産生の増加および局所的分解の減少などが関係しているといった説もあります。

    男性ホルモン受容体は頭頂部と前頭部に多くあることから、AGAでは前髪の生え際と頭頂部が薄くなる傾向があるのです。

    生活習慣

    薄毛の発症は生活習慣も関係しており、特に食事、運動、睡眠は薄毛の原因となります。

    食事においては糖質や脂質の多い食事、塩分過多、カフェインのとりすぎが原因に挙げられています。糖質や脂質の多い食事をとり続けると、血行に乗って頭皮に糖分や脂質が運ばれるため、頭皮のべたつきにつながり、頭皮環境が悪化して薄毛になりやすくなるのです。

    また塩分の多い食事をとり続けると、血液がドロドロになって十分な栄養が運べなくなり、こちらも頭皮環境を悪化させる原因です。

    さらに、カフェインはアデノシンを破壊するといわれています。アデノシンは毛髪を成長させる毛乳頭に直接作用し、発毛促進因子であるFGF-7の産生量を高めて発毛を促進するため、アデノシンが破壊されると発毛がなかなか進まず、薄毛を助長すると考えられています。

    一方で睡眠は、髪の成長のために非常に大切です。髪が健康的に成長するには成長ホルモンが必須ですが、睡眠が不足して成長ホルモンが十分に分泌されないと、薄毛を助長すると考えられているのです。

    加えて、運動不足になると血流が悪くなるため薄毛が進行しやすくなります。

    薬の副作用

    病気の治療で服用している治療薬の中には、副作用で薄毛を発症させるものもあります。

    代表的な薬剤が抗がん剤です。抗がん剤は細胞分裂を阻害して、がんの治療をするお薬のため、髪の毛の毛母細胞の働きも抑制します。

    そのため、服用開始から1~2週間の早い時期から脱毛が始まり、薄毛になるのです。

    他にも高血圧の治療薬、抗うつ薬、抗凝固薬は脱毛を引き起こすことが考えられていますが、発症頻度は低いといわれています。

    栄養不足

    栄養が十分にとれていない、栄養バランスが乱れている場合にも薄毛になりやすいです。

    髪の成長にはタンパク質、シスチン、亜鉛、ビタミンが必要です。どの栄養も十分にとれていない場合や偏りがある場合には、髪の成長が阻害されるため、健康な髪が生えてこず薄毛になるリスクが高まります。

    頭皮環境

    頭皮環境が悪いことも薄毛の要因となります。

    例えば、頭皮がべたついているとマラセチアという頭皮の常在細菌が異常増殖して脂漏性皮膚炎となり、この状態を放置することで頭皮環境が悪化して薄毛の原因となるのです。

    他にも皮脂が過剰に分泌されると、頭皮の毛穴が詰まりやすくなり、髪の毛の成長を阻害して抜けやすくなります。特に、皮脂成分に中性脂肪ともいわれるトリグリセリドの割合が高いと、トリグリセリドの割合が低い皮脂よりも粘り気が強くなるため、毛穴も詰まりやすくなります。

    また、頭皮が乾燥していると毛穴に慢性的な炎症が起こるため、こちらも薄毛の要因です。

    そのため、頭皮はべたつきすぎず、乾燥しすぎないようにケアしておくことが必要です。

    若ハゲが増加傾向にある

    実は近年、若ハゲが増加傾向にあります。

    若ハゲとは、医療用語で若年性脱毛症といい、10代や20代前半など本来薄毛になることが少ない年齢で薄毛になってしまう進行性の脱毛症です。

    20代でAGAになる方は10%程度ですが、AGA以外の要因も含めるともう少し多いことが推測されています。

    若ハゲについてはこちらでも詳しく紹介しています

    AGA治療法と治療効果

    薄毛は原因によって治療法が異なります。

    生活習慣、薬、栄養不足、頭皮環境などが要因の場合、要因を取り除けば大抵の薄毛は改善するでしょう。

    ここからは、AGA治療法と治療効果について詳しく解説します。

    AGA治療法とは?

    AGA治療は主に内服薬と外用薬で治療が行われ、この2つの治療法がガイドラインにおいても推奨度A、つまりは積極的に行うべき治療とされています。

    これらの治療法で効果がなかった、副作用症状で治療が継続できないという場合に、植毛や光療法など他の治療法が取り入れられます。

    内服薬

    AGA治療で使用される内服薬はフィナステリドを主成分とするプロペシアと、デュタステリドを主成分とするザガーロです。

    今回はこの2つの薬剤をメインに、他にも使われる可能性のある薬剤について解説します。

    フィナステリド(プロペシア)

    フィナステリド錠とプロペシアはどちらもフィナステリドを主成分とした薬剤です。

    テストステロンの還元酵素である5αリダクターゼII型を阻害して、薄毛を予防します。

    通常は、0.2mgを1日1回服用して治療しますが、医師の指示によっては1mgを服用することもあります。この点については医師と相談して決めましょう。

    ガイドラインによると、服用開始後48週間で0.2mg/日で54%、1mg/日で58%の方に軽度改善効果が見られており、さらに2年間または3年間の内服継続によって、それぞれ68%と78%の方に軽度改善以上の効果が見られています。

    継続して服用すれば、約半数以上の方の薄毛改善が認められているのです。特に、40歳未満の若年者や薄毛の重症度が低い場合にはより高い効果があることが分かっています。

    フィナステリドの詳しい内容についてはこちら

    ザガーロ

    ザガーロはデュタステリドを主成分とした薬剤で、プロペシアと同じく5αリダクターゼの活動を阻害しますが、ザガーロはI型とII型どちらの5α還元酵素も阻害できます。

    5αリダクターゼI型は側頭部や後頭部を中心に、5αリダクターゼII型は生え際や前頭部、頭頂部を中心に多く存在しているといわれているため、髪全体の薄毛が気になる方には高い改善効果が期待できるでしょう。

    発毛効果はプロペシアやフィナステリドよりも1.6倍あるといわれており、外部専門家による写真評価でも26週の服用において頭頂部は81%、前頭部も76%の改善効果が報告されています。

    アボルブ

    アボルブとはデュタステリドを主成分とする薬剤の先発品で、効能や効果についてはザガーロと同様で、1日1回0.5mgを服用します。

    日本では前立腺肥大の治療薬として用いられているため、薄毛に対しての積極的な研究はなされていません。しかし、主成分や成分含有量はザガーロと同様であることから、効果についてはザガーロと同様であることが予想されています。

    ミノキシジル

    ミノキシジルの内服薬をミノキシジルタブレットといい、世間ではミノタブとも呼ばれています。

    これまで紹介してきた薬は抜け毛を予防していくものでしたが、ミノキシジルタブレットは発毛を促進する内服薬です。

    ミノキシジルは、一般的にはAGA診療ガイドラインにのっとり外用薬が使用されていますが、一部のクリニックではミノキシジルタブレットの処方も可能です。

    ミノキシジルタブレットはガイドラインにおいて推奨度がDとされているため、日本での積極的な治療効果判定はされていません。しかし、知識と使用経験の豊富な専門医の判断のもとで適切に使用すれば、AGA治療でより高い効果を発揮できます。

    ミノキシジルについてはこちらでも詳しく紹介しています。

    外用薬

    内服薬と同様に治療における推奨度が高いのが外用薬です。

    ここからは、外用薬を2種類解説します。

    ロゲイン

    ロゲインはミノキシジルを主成分とした発毛剤です。

    最低3カ月の使用が推奨されており、3カ月を過ぎた頃に少しずつ効果が出てきます。

    94%の方に発毛・育毛効果が実証されており、薄毛改善の高い効果が期待されています。

    アロビックス

    アロビックスは、カルプロニウム塩化物を含有した薬剤です。

    カルプロニウム塩化物には血管拡張作用があるため、さまざまな皮膚領域の治療に使われていますが、AGAにおいては頭皮に塗ることで血流を促進させ、薄毛の改善を目指します。

    また、アロビックスは副作用が起こる可能性が非常に低いため、副作用が気になるという方も安心して使い続けられるでしょう。

    植毛

    植毛とは髪の毛を直接頭皮へ植え付ける治療法で、内服薬や外用薬で治療をしても効果がなかった場合の最終手段です。

    ガイドラインによると日本で施術が認められている自家植毛は82.5%と高い生着率が認められています。

    一方で人工毛の植毛は、高い安全性が認められていないことや、早期に再び髪が抜け落ちる可能性が高いという理由から、日本では治療をしているところはほとんどありません。

    光治療

    光治療は高輝度LEDの光および低出力レーザーを毛乳頭細胞に当てて活性化を促すことで、発毛を促進する治療法です。ガイドラインでは推奨度Bとなっていますが、他の治療法と並行して行うことが多いです。

    LED治療は1回20分程度光を当てるのみで治療が完了するため、負担が少ない点も特徴といえるでしょう。

    また、LEDは毛の発育に必要な成長因子であるHGFやLeptin、VEGF-Aといった物質の濃度を上昇させることが確認されており、髪の成長を促進することが証明されています。

    週3回低出力レーザー照射を26週間行った方の経過を見てみると、平均して1cm2あたり約20本毛髪が増えたと報告されており、十分な治療効果も認められています。

    AGAヘアクリニックの治療事例はこちら

    AGA治療で得られる効果と副作用

    AGA治療は治療法によって効果が異なりますが、上記でご紹介したいずれの治療法にしても高い効果が認められています。

    副作用も治療法によって異なりますが、内服薬治療では主に性機能低下が副作用として確認されており、性欲の低下については、薬を中断しても副作用が数カ月継続することがあるため注意が必要です。

    ミノキシジルについては、そもそも心疾患の治療薬だったという背景もあり、心血管系の副作用報告も挙がっているため、気になる症状が出た場合には治療の中断も視野に入れておきましょう。

    外用薬については皮膚に直接塗布することもあり、皮膚のかゆみや発疹が認められています。

    早期のAGA治療が有効

    薄毛が気になりだした場合は、放置せずになるべく早く治療に取り組むべきとされています。

    薄毛の原因がAGAであった場合には自然に治ることはないでしょう。むしろ徐々に悪化していく疾患であるため、最初は軽度の薄毛だったのにいつの間にか重度の薄毛になっている可能性もあります。

    薄毛治療は、軽度の状態からスタートした場合には高い効果が認められています。

    しかし、重度の薄毛の状態からAGA治療を開始すると、治療において思うような効果が得られなかったり、十分に治療できなかったりするかもしれません。

    薄毛が気になりだしたタイミングには、治療を検討あるいはスタートするのがおすすめです。

    AGA治療はいつまで行う?

    しかし、治療を中断または終了してしまうと、また薄毛が再開します。そのため、AGA治療の期間に上限はなく、完治して治療をすべてストップできるというわけではありません。

    ただし、医師の判断によってある程度髪が生えそろったタイミングから、薬を減量していくことはあります。

    薬を生涯飲み続けるのは難しいという方は、医師と相談しながら治療の終了のタイミングや減薬のタイミングを検討しましょう。

    AGA治療にかかる費用は?

    AGA治療は保険が適用されず、全額自費診療です。そのため、治療費用がネックになる方も多いでしょう。

    ここからはAGA治療の費用について詳しく解説します。

    AGA治療の費用相場

    AGA治療にかかる費用の内訳は初診料、再診料、検査料、薬剤料です。

    初診料の相場は5,000円程度です。しかし、クリニックによっては治療を受けることを条件に無料になるケースもあるため、診療の際に確認しておきましょう。

    再診料は3,000~4,000円程度で、初診以外の診察でかかります。

    検査料は5,000~10,000円程度が相場ですが、検査料もクリニックによっては治療を受けるという条件で無料になるケースもあります。一方で、オンライン診療のクリニックではそもそも検査ができないので検査料はかかりません。

    薬剤料は選択する薬剤によって異なります。内服薬の費用相場は8,000~10,000円程度、外用薬は10,000~15,000円程度です。フィナステリドなどのジェネリック医薬品の場合は、この半額程度で治療が受けられます。

    さらに、植毛の費用相場は50~150万円、LED光療法の費用相場は1回あたり5,000円程度が相場です。

    皮膚科とクリニックでの料金の違い

    AGA治療は前述したように自費診療となるため、クリニックによって費用に差があります。これは、皮膚科でもAGA治療専門クリニックでも同様です。

    ただし、AGA治療専門クリニックにおいては、AGAの治療に効果があると考えられる他の治療を導入しているケースがあります。

    さまざまな治療を並行して行うことから、より多くの費用がかかることもありますが、高い費用対効果を得られることも少なくありません。

    費用面のみならず効果も併せて検討しましょう。

    まとめ

    薄毛になる原因はさまざまあります。原因を解消することで薄毛が改善することもありますが、多くの場合には治療が必要です。

    また、治療をせずにAGAを改善するのは非常に困難です。

    AGAの治療には内服薬や外用薬を使った治療法、植毛や光療法などさまざまな治療法があるため、医師に相談した上で自身にぴったりな治療法を見つけましょう。

    AGAの治療は、専門的かつ多様な治療法を選べるAGA専門クリニックで進めるのがおすすめです。薄毛が気になる場合、まずはAGA専門クリニックを受診してみましょう。

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