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AGAの抜け毛とストレスの抜け毛は見分けられる?

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シャワーの後の排水溝や、朝起きた時の枕に増えた抜け毛を見て、ドキッとした経験はありませんか?「これはAGA(男性型脱毛症)の始まりだろうか…」「それとも最近のストレスが原因?」と、一人で不安を抱えている方も多いかもしれません。

実は、その抜け毛がどちらのタイプなのかは、髪が薄くなる「場所」や、抜けた毛の「毛根」を観察することで、ある程度見分けることができるのです。この記事では、専門家でなくてもできるセルフチェックの方法から、原因に応じた具体的な治療法までを詳しく解説します。手遅れになる前に、まずはあなたの髪が発しているサインを正しく読み解いてみませんか?

目次

    抜け毛の見た目でわかる AGAとストレス性脱毛症の主な違い3つ

    抜け毛が増えてくると、「病気なのかな?」「このまま薄くなってしまうのかな?」と、とても不安になりますよね。

    抜け毛にはいくつかの原因がありますが、特に多いのがAGA(男性型脱毛症)とストレスによるものです。

    この2つは、髪の毛の抜け方や薄くなる場所に違いがあります。 それぞれの特徴を知ることで、ご自身の状態を理解する手がかりになります。

    まずは抜け毛の状態をよく観察して、原因を探る第一歩にしましょう。

    生え際と頭頂部から薄くなるAGAの進行パターン

    AGA(男性型脱毛症)の最も大きな特徴は、薄くなる場所が決まっている点です。 多くの場合、おでこの生え際か、頭のてっぺん(頭頂部)から髪が薄くなっていきます。

    これは、AGAの原因となる物質が、頭の前側とてっぺんにある髪の毛の根元(毛根)に特に影響を与えやすいためです。

    AGAの進み方には、いくつかのパターンがあります。

    • M字型
      • おでこの生え際の両サイドが、アルファベットのMの形のように後退していくタイプです。
    • O字型
      • 頭のてっぺんが、アルファベットのOの形のように丸く薄くなるタイプです。日本人にはこのパターンが多いといわれています。
    • U字型
      • おでこの生え際全体が、少しずつ後ろに下がっていくタイプです。

    これらのパターンが、それぞれ単独で、またはいくつか組み合わさってゆっくりと進んでいくのがAGAの特徴です。

    鏡を使って、ご自身の髪の状態がどのパターンに近いか確認してみてください。

    全体的に髪の量が減るストレス性の抜け毛

    強いストレスが原因で起こる抜け毛は、AGAとは少し違います。 特定の場所からではなく、頭全体の髪がなんとなく少なくなるのが特徴です。

    これを「びまん性脱毛」と呼びます。 髪をとかした時やシャンプーの時に、以前よりたくさんの髪が抜けることで気づくことが多いでしょう。

    これは、心や体への大きなストレスによって髪の成長サイクルが乱れてしまうことが原因です。 多くの髪の毛が一斉に成長をストップして、抜けてしまうために起こります。

    • 過度な仕事のプレッシャーや、学校での人間関係の悩み
    • 睡眠不足や不規則な生活リズム
    • 無理なダイエットによる栄養不足

    このような状態が続くと、髪全体が薄くなったように感じられます。 原因となっているストレスがなくなれば、抜け毛が改善する可能性がある点が、AGAとの大きな違いです。

    抜けた毛の毛根でチェック 細く短い毛はAGAのサイン

    床に落ちている抜け毛や、お風呂の排水溝にたまった抜け毛をよく見てみましょう。 抜けた髪の毛の状態からも、原因を探るヒントが得られます。

    健康な髪の毛は、寿命を終えて自然に抜けるため、ある程度の太さと長さがあります。 毛根(毛の根元の部分)も、白っぽく丸い形をしています。

    しかし、AGAの場合は、髪の毛が十分に育つ前に抜けてしまうという特徴があります。 そのため、細くて短い、まるでうぶ毛のような抜け毛が増えてくるのです。

    項目正常な抜け毛(寿命で抜けた毛)AGAのサインとなる抜け毛
    太さと長さ太くて長く、しっかりしている細くて短く、弱々しい
    毛根の形白っぽく、丸い形をしている小さい、またはほとんど形がない

    もし、細くて短い毛がたくさん見つかるようであれば、それはAGAのサインかもしれません。 髪全体のハリやコシがなくなってきたと感じる場合も、注意が必要です。

    円形脱毛症など他の脱毛症との見分け方

    抜け毛の原因は、AGAやストレスだけではありません。 「円形脱毛症」という病気もあります。

    これは、コインのように円形や楕円形に、髪の毛がまとまって突然抜けてしまうのが特徴です。 自分の体を守るはずの免疫が、間違って髪の毛の根元を攻撃してしまうことで起こると考えられています。

    脱毛した部分の境目がはっきりしているため、AGAやストレス性の抜け毛とは見た目が大きく異なります。

    最近の研究では、治療で髪が再び生えてくると、患者さん自身の満足度が上がり、心の負担も軽くなることが報告されています。

    また、円形脱毛症などの治療法は日々進歩しています。 細胞の働きを利用した新しい治療法(細胞外小胞治療など)の研究も進められており、将来が期待されています。

    その他にも、自分で無意識に髪を抜いてしまう「抜毛症(ばつもうしょう)」など、脱毛症には様々な種類があります。

    もし、円形に髪が抜けたり、AGAやストレス性の抜け毛とは違う症状が見られたりした場合は、自分で判断せず、早めに皮膚科などの専門の医療機関に相談することがとても大切です。

    病院へ行くべき?抜け毛の原因を特定するための2つのステップ

    最近、枕やお風呂の排水溝にたまる髪の毛が増えたと感じていませんか。 「これって大丈夫かな」と不安になりますよね。

    抜け毛の原因を突き止めて、自分に合った対策を始めることがとても大切です。 そのためには、まず自分の状態をきちんと知ることから始めましょう。

    ここでは、ご自宅でできることから、専門家への相談までを2つのステップに分けて解説します。 一人で悩まず、まずは一歩を踏み出してみましょう。

    まずはセルフチェック AGAの初期症状リスト

    抜け毛が気になり始めたら、ご自身の状態を鏡で見て確かめてみましょう。 AGA(男性型脱毛症)には、いくつかの特徴的なサインがあります。

    以下のリストで、当てはまるものがないか確認してみてください。

    【AGAの初期症状セルフチェック】

    • 以前より抜け毛の量が増えたと感じる
      • シャンプーの時や、朝起きた時の枕元でチェックしてみましょう。
    • 髪の毛1本1本が細く、弱々しくなった
      • 髪の成長期間が短くなり、太く育つ前に抜けているサインです。
    • 髪の毛にハリやコシがなくなった
      • 全体的にボリュームが減り、セットがしにくくなったと感じます。
    • おでこの生え際が後退してきた(特にM字部分)
      • AGAの原因物質の影響を受けやすい場所から薄くなるのが特徴です。
    • 頭のてっぺん(頭頂部)の地肌が透けて見える
      • 生え際と同じく、AGAの影響が出やすい部分です。
    • 枕や排水溝に、細くて短い毛が目立つようになった
      • 成長しきる前に抜けてしまう「未熟な髪の毛」が増えている証拠です。

    これらの項目は、AGAが始まっている可能性を示す大切なサインです。 もし複数当てはまる場合は、一度専門家へ相談することを考えてみましょう。

    ストレス要因の振り返りと生活習慣の見直し

    抜け毛の原因は、AGAだけではありません。 強いストレスや生活習慣の乱れも、髪の健康に大きく影響します。

    ご自身の最近の生活を振り返って、髪に負担をかけていないかチェックしましょう。

    【ストレスや生活習慣のチェックポイント】

    • 心の状態
      • 最近、仕事や人間関係で大きな悩みやプレッシャーはありませんか?
      • 引っ越しや転職など、生活環境の大きな変化はありませんでしたか?
      • 趣味や運動など、リラックスして心から休める時間はありますか?
    • 体の状態
      • 毎日、十分な睡眠時間を確保できていますか?(質の良い睡眠が大切です)
      • 食事の栄養バランスは偏っていませんか?(特に髪の材料になるタンパク質やビタミン、ミネラル)
      • 適度な運動で、血行を良くする習慣はありますか?

    過度なストレスは、自律神経のバランスを崩して頭皮の血管を収縮させます。 すると、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなり、抜け毛につながることがあります。

    また、栄養不足や睡眠不足は、髪を作るためのエネルギーが足りなくなる原因になります。 思い当たることがあれば、少しずつでも改善を心がけることが大切です。

    受診の目安 早期治療が改善のカギ

    セルフチェックや生活習慣の振り返りをしてみて、「やっぱり気になる」「どうしたらいいかわからない」と感じたら、それは専門家に相談するタイミングです。

    特に、以下のような場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

    • セルフチェックリストに3つ以上当てはまる
    • 抜け毛が急に増え、1ヶ月以上続いている
    • ご両親や祖父母など、血縁者に薄毛の方がいる
    • 生え際の後退や頭頂部の薄毛が、明らかにわかるレベルで進んでいる

    脱毛症に関するある研究では、症状が出てから治療を始めるまでの期間が短いほど、治療の効果が高まりやすいことが報告されています。

    これは円形脱毛症の研究ですが、AGAの治療においても同じことが言えます。 早期に治療を始めることで、抜け毛の進行を緩やかにし、改善を目指しやすくなるのです。

    自己判断で様子を見続けるよりも、一度専門家の目で診てもらうことが、あなたの髪を守るための最も確実な一歩となります。

    相談先は皮膚科?AGA専門クリニック?診療科の選び方

    抜け毛の相談をしたいと思っても、どこに行けばよいか迷いますよね。 主な相談先は「皮膚科」と「AGA専門クリニック」です。

    それぞれの特徴を知り、ご自身に合った相談先を選びましょう。

    診療科の種類特徴こんな方におすすめ
    皮膚科・皮膚に関する病気を幅広く診療します。
    ・円形脱毛症などAGA以外の脱毛症も診断できます。
    ・主に保険診療で対応します。
    ・抜け毛の原因が何かはっきりしない方
    ・AGA以外の病気も心配な方
    ・まずは気軽に相談してみたい方
    AGA専門クリニック・AGAの診断と治療に特化しています。
    ・内服薬や外用薬など治療の選択肢が豊富です。
    ・自由診療が中心となります。
    ・セルフチェックでAGAの可能性が高いと感じる方
    ・より専門的な治療を積極的に受けたい方

    AGA治療は日々進歩しており、専門クリニックの中には、細胞から分泌される物質(細胞外小胞など)を活用するような、新しい治療法の研究動向に注目しているところもあります。

    まずは一般的な皮膚科で相談し、診断によっては専門クリニックを紹介してもらうという方法もあります。 一人で悩まずに、専門家の力を借りてみてください。

    原因に応じた抜け毛の主な対策と治療法4選

    抜け毛の原因がAGAなのかストレスなのか、おおよその見当がつくと「じゃあどうすればいいの?」と次のステップが気になりますよね。

    原因が違えば、もちろん対策や治療の方法も変わってきます。 現在では、お薬を使った治療やご自身でできる生活習慣の改善など、さまざまな選択肢があります。

    さらに、医療は日々進歩しています。 細胞から出る小さなカプセル(細胞外小胞)を使って髪の成長を助けるなど、新しい治療法の研究も進められています。

    ここでは、代表的な対策と治療法を4つご紹介します。 ご自身の状況に合わせて、どのような方法があるのかを知っておきましょう。

    ストレス性の抜け毛を改善するセルフケア

    ストレスが原因で抜け毛が増えている場合、まず心と体をしっかり休ませてあげることが一番の対策になります。

    お薬を考える前に、ご自身の生活を見直すことから始めてみましょう。 毎日の少しの工夫が、頭皮の環境を整え、健やかな髪を取り戻すための土台作りになります。

    具体的には、以下のようなセルフケアを意識してみてください。

    • 質の良い睡眠をとる
      • 毎日なるべく同じ時間に寝て、起きるように心がけましょう。
      • 寝る前はスマホやゲームの画面を見るのを控え、リラックスできる環境を整えることが大切です。
    • 栄養バランスの整った食事
      • 髪の主成分であるタンパク質(お肉、お魚、卵、大豆製品など)をしっかり摂りましょう。
      • 髪の成長を助けるビタミンやミネラル(特に亜鉛)も、好き嫌いせず食事に取り入れると良いです。
    • 適度な運動を習慣にする
      • ウォーキングなどの軽い運動は、全身の血行を良くするだけでなく、ストレス解消にもつながります。
    • リラックスできる時間を作る
      • 趣味に夢中になったり、ゆっくりお風呂に入ったりと、自分なりの方法で心から休める時間を作りましょう。

    AGAの進行を抑える内服薬(フィナステリド・デュタステリド)

    AGA(男性型脱毛症)と診断された場合、その進行を抑えるために内服薬(飲み薬)による治療が中心となります。

    AGAは、男性ホルモンの一種である「DHT(ジヒドロテストステロン)」という物質が、髪の成長サイクルを乱すことで起こります。

    内服薬は、このDHTが作られるのをブロックする働きがあります。 いわば、抜け毛の進行に「ブレーキ」をかける役割です。

    代表的なお薬には、次の2種類があります。

    薬剤名特徴
    フィナステリドDHTを作るのに必要な「5αリダクターゼ」という酵素のII型を邪魔します。
    デュタステリド5αリダクターゼのI型とII型の両方を邪魔する、より広い範囲に働くお薬です。

    これらの薬は、AGAの進行を食い止め、今ある髪の毛の数を保つ効果が期待できます。 どちらの薬が適しているかは、医師が症状の進み具合などをみて判断します。

    発毛を促す外用薬(ミノキシジル)治療

    AGAの治療では、進行を抑える内服薬とあわせて、髪の毛を生やす「アクセル」役となる外用薬(塗り薬)が使われることがあります。

    その代表的な成分が「ミノキシジル」です。 ミノキシジルには、頭皮の血管を広げて血の流れを良くする働きがあります。

    血流が良くなることで、髪の毛を作る「毛母細胞」に栄養が届きやすくなります。 細胞が元気になって、発毛が促されると考えられています。

    治療法を組み合わせる際には、医師との相談が大切です。 例えば、ミノキシジルと低出力レーザー治療を一緒に使う治療法があります。

    しかし、ある研究では、この2つを組み合わせても、ミノキシジル単独の治療と比べて、効果に大きな差はなかったと報告されています。

    自己判断でいろいろ試すのではなく、専門家のアドバイスのもとで治療計画を立てましょう。

    治療を始める前に知っておきたい費用・期間・副作用

    AGA治療を始めるにあたっては、費用や期間、副作用について正しく理解しておくことがとても大切です。

    安心して治療を続けるために、事前に知っておきましょう。

    • 費用について
      • AGA治療は、基本的に健康保険が使えない「自由診療」です。
      • そのため、費用は全額自分で支払う必要があります。
      • クリニックや治療内容によりますが、毎月お薬代などの費用がかかります。
    • 期間について
      • AGA治療は、すぐに効果が出るものではありません。
      • 多くの場合、効果を実感できるまでには、少なくとも半年ほどの期間が必要です。
      • また、治療をやめると症状が再び進むため、効果を保つには治療を続けることが基本となります。
      • 別の脱毛症の研究ですが、症状が出てから治療を始めるまでの期間が短いほど、治療の効果が高まりやすいことが示唆されています。
      • AGAも同様に、早期に相談し治療を始めることが大切です。
    • 副作用について
      • どのようなお薬にも副作用の可能性があります。
      • 例えば、内服薬ではごくまれに性機能の低下や肝臓への影響、外用薬では頭皮のかゆみやかぶれなどが報告されています。
      • 気になる症状が出た場合は、自分で判断してやめたりせず、すぐに処方してくれた医師に相談してください。

    まとめ

    今回は、AGAとストレスによる抜け毛の見分け方から、それぞれの対策・治療法までをご紹介しました。

    抜け毛の場所や毛根の状態から原因を推測するヒントはありますが、ご自身だけで判断するのは難しいものです。 抜け毛が増えて不安に感じたら、まずはセルフチェックを試してみてください。

    そして、もし当てはまる項目が多かったり、悩みが続くようでしたら、一人で抱え込まずに皮膚科や専門クリニックへ相談することが、改善への一番の近道です。 早期の相談が、あなたの髪と自信を守るための大切な第一歩になります。

    参考文献

    出典元・参考URL
    • Law EH, Hanson KA, Harries M, Korver D, Sherif B, Chirila C. “Patient-reported outcome improvements following scalp hair regrowth among patients with Alopecia Areata: analysis of the ALLEGRO-2b/3 trial.” The Journal of dermatological treatment 36, no. 1 (2025): 2460577.
      Li M, Xiang L, Li Y. “Efficacy and safety of compound glycyrrhizin in patients with alopecia areata: a systematic review and meta-analysis.” Annals of medicine 57, no. 1 (2025): 2491659.
      Alosaimi A, Algarni A, Alharbi A, Alotaibi A, Alomairi A, Alsurayhi M, Alharbi W. “Comparative efficacy of minoxidil alone versus minoxidil combined with low-level laser therapy in the treatment of androgenic alopecia: a systematic review and meta-analysis.” The Journal of dermatological treatment 36, no. 1 (2025): 2447355.

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