AGA基礎知識

AGAのパターンや分類とは?タイプ別の特徴をご紹介

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「最近、生え際の形が変わってきた」「頭のてっぺんの地肌が気になる…」と感じていませんか?実は、AGA(男性型脱毛症)の進行には、人によって異なる決まった”型”が存在します。M字型やO字型など、そのパターンは一つではありません。

世界中の専門クリニックでは、「ハミルトン・ノーウッド分類」といった世界基準の物差しを用いて、薄毛の進行度を客観的に評価しています。ご自身の状態がどの段階にあるのかを正確に知ることは、今後の対策を立てる上で非常に重要です。

この記事では、代表的なAGAのパターンや分類法を詳しく解説します。ご自身のタイプを把握し、最適なケアを見つけるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

目次

    AGAの代表的な2つの分類法

    「最近、生え際の形が変わってきた気がする」 「頭のてっぺんの地肌が目立つようになったかも…」

    このように、薄毛の悩みは人それぞれ異なります。 AGA(男性型脱毛症)の進行の仕方は一つではありません。 そのパターンを知ることで、ご自身の状態を客観的に把握できます。

    世界中のクリニックでは、薄毛の進行度を評価するための 「分類法」という物差しが使われています。 代表的なものに「ハミルトン・ノーウッド分類」と 「高島分類」があり、今後の対策を考える上で役立ちます。

    ハミルトン・ノーウッド分類による進行度の見方

    ハミルトン・ノーウッド分類は、世界で最も標準的に 用いられているAGAの進行度を示す分類法です。 生え際の後退と頭頂部の状態から、Ⅰ型からⅦ型の 7つの段階に分けて評価します。

    進行度特徴
    Ⅰ型AGAの所見はほとんど見られない健康な状態。
    Ⅱ型生え際が少し後退し始める。いわゆる「M字」の剃り込みが浅く見える段階です。
    Ⅲ型生え際の後退がさらに進み、誰が見ても薄毛と認識できる状態。頭頂部が薄くなる「Ⅲ型 vertex」もこの段階に含まれます。
    Ⅳ型M字部分の後退がさらに深くなり、頭頂部の薄毛もはっきりと目立つようになります。
    Ⅴ型生え際と頭頂部の薄毛部分が、あと少しでつながりそうな段階。まだ細い毛で隔てられています。
    Ⅵ型生え際と頭頂部の薄毛部分が完全につながり、薄毛の範囲が頭頂部全体に広がります。
    Ⅶ型側頭部と後頭部の一部にしか髪が残っていない、最も進行した状態です。

    ご自身の頭髪の状態がどの段階に近いかを確認することで、 客観的な進行度を把握する助けになります。

    高島分類|日本人によく見られる薄毛のパターン

    高島分類は、ハミルトン・ノーウッド分類を基にして、 日本人によく見られる薄毛のパターンに合わせて より細かく分類した日本独自のものです。

    日本人男性は欧米人と比較して、生え際の後退よりも 頭のてっぺん(頭頂部)から薄くなる傾向があります。 そのため、高島分類では頭頂部の薄毛を特に重視しています。

    • Ⅱv型
      • 生え際に変化はないものの、頭頂部がO字型に薄くなり始める段階です。
    • Ⅲv型
      • 頭頂部のO字型の薄毛がさらに進行し、地肌がはっきりと見えるようになります。
    • Ⅳv型
      • 頭頂部の薄毛の範囲がさらに広がります。
    • Ⅴv型
      • 生え際の後退と頭頂部の薄毛がつながり始めます。

    このように、高島分類は頭頂部から進行するタイプのAGAを より詳細に把握するのに適しています。

    なぜ人によって進行パターンが違うのか

    AGAの進行パターンが人によって異なる主な理由は、 「遺伝的要因」と「男性ホルモンの影響」が 複雑に関係しているためです。

    • 遺伝的要因
      • 男性ホルモンの影響の受けやすさ(受容体の感受性)は、遺伝によって決まることが分かっています。ご家族に薄毛の方がいる場合、その体質を受け継いでいる可能性があります。
    • 男性ホルモンの影響
      • AGAの主な原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)に対する感受性は、頭皮の部位によって異なります。一般的に前頭部や頭頂部は感受性が高く、側頭部や後頭部は低い傾向にあります。この感受性の違いが、M字型やO字型といったパターンの差を生み出すのです。

    例えば、がん治療の研究では、病状を正確に分類し、 治療効果を評価するための基準を統一することが不可欠です。 研究ごとに基準が異なると、どの治療が本当に有効なのかを 正しく比較できなくなるからです。

    これはAGAの治療にも通じる考え方であり、 まずご自身の薄毛のタイプを分類法に沿って正確に評価することが、 適切な治療法を選択するための重要な第一歩となります。

    女性の薄毛(FAGA)との分類の違い

    男性のAGAと女性の薄毛(FAGAまたはFPHL)では、 薄毛の進行パターンが大きく異なります。 そのため、評価に用いる分類法も全く違うものが使われます。

    男性の薄毛(AGA)女性の薄毛(FAGA/FPHL)
    特徴生え際が後退する(M字)、頭頂部が薄くなる(O字)など、局所的に進行します。生え際は保たれ、頭頂部の分け目を中心に髪全体が薄くなる「びまん性脱毛」が特徴です。
    分類法ハミルトン・ノーウッド分類、高島分類などルードヴィッヒ(Ludwig)分類、オルセン(Olsen)分類など

    女性の薄毛は、男性のように特定の場所から進行するのではなく、 頭部全体の髪の毛が細くなることでボリュームが減り、 地肌が透けて見えるようになるのが一般的です。

    このように、男性と女性では薄毛の原因や進行の仕方が 根本的に異なるため、治療法もおのずと変わってきます。 ご自身の状態について迷う場合は、自己判断せずに 専門のクリニックへ相談することが大切です。

    部位でわかる薄毛の進行パターン6種類

    AGA(男性型脱毛症)の進行の仕方は、人によって様々です。 「生え際の形が変わってきた」「頭のてっぺんが気になる」など、 悩みの始まりは異なります。

    ご自身の薄毛がどのパターンで進んでいるかを知ることは、 今後の対策を立てるための非常に重要な第一歩です。 ここでは、代表的な薄毛の進行パターンを解説します。

    生え際が後退するM字型

    額の左右の生え際、いわゆる「そりこみ」の部分から 後退していくのが特徴的な「M字型」です。 正面から見ると、生え際がアルファベットの「M」の 形に見えることから、このように呼ばれています。

    このタイプは、ご自身では気づきにくい初期段階から ゆっくりと進行することが少なくありません。 「以前より額が広くなったかも」と感じる場合は、 M字型のサインかもしれません。

    AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の 影響を受けやすい前頭部に症状が現れやすい、 代表的なパターンの一つです。

    頭のてっぺんから薄くなるO字型

    頭のてっぺん、いわゆる「つむじ」周辺から円を描くように 薄毛が進行していくのが「O字型」です。 頭頂部からアルファベットの「O」の字を描くように 薄毛の範囲が広がっていくため、この名前がついています。

    このパターンは、ご自身の目で直接確認しにくい場所のため、 ご家族や友人から指摘されて初めて気づくことも多いです。 合わせ鏡を使ったり、スマートフォンで写真を撮ったりして、 定期的に状態を確認することをおすすめします。

    つむじ周りの髪の毛が細くなり、地肌が透けて見える場合は、 O字型が進行している可能性があります。

    生え際全体が後退していくU字型・C字型

    生え際が部分的にではなく、全体的に後退していくのが 「U字型」や「C字型」と呼ばれるタイプです。 M字型のようにそりこみだけが後退するのではなく、 前頭部の生え際がライン状に上がっていきます。

    これにより、額全体が広くなったように見えるのが特徴です。 進行すると、生え際の形がアルファベットの「U」や 弓なりの「C」のようになることから、こう呼ばれます。

    M字型がさらに進行して、そりこみ部分の後退が深くなり、 結果的にU字型へと移行するケースもあります。 見た目の印象が変わりやすいため、悩まれる方が多いタイプです。

    M字とO字が同時に進行する複合型

    生え際の後退(M字型)と頭頂部の薄毛(O字型)が 同時に進行していくのが「複合型」です。 前頭部と頭頂部の両方で薄毛が始まるため、 進行が早いと感じることが多いかもしれません。

    このパターンが進行していくと、M字部分とO字部分の 薄毛エリアがつながることがあります。 最終的には、側頭部と後頭部の毛髪だけが残る状態に 至ることもあり、注意が必要です。

    薄毛の範囲が広範囲に及びやすいため、 複数の箇所で症状に気づいた場合は、 早めに専門家へ相談することをおすすめします。

    自分の薄毛タイプを確認するセルフチェックポイント

    ご自身の薄毛がどのタイプに当てはまるのか、 以下の項目を参考に、現在の状態を確認してみてください。

    【薄毛のセルフチェックリスト】

    • □ 昔の写真と比べて、額が広くなったと感じる
    • □ 左右のそりこみが深くなった、または形が変わった
    • □ 頭のてっぺん(つむじ周り)の地肌が透けて見える
    • □ 髪の分け目が以前より目立つようになった
    • □ 抜け毛に、細くて短い毛が増えた
    • □ 髪全体のハリやコシがなくなり、ボリュームが減った

    これらの項目に当てはまるものがあれば、AGAが 進行している可能性があります。 ただし、セルフチェックはあくまで目安です。

    例えば、がん治療の研究では、有効性を保ちながら 副作用や経済的負担を減らすため、薬の量を調整する 「減量戦略(De-escalation)」という考え方が注目されています。 これはAGA治療にも通じる、非常に大切な視点です。

    AGAの治療は長期にわたることが多く、自己判断で放置すると 症状が進行し、より強い治療が必要になる可能性があります。 そうなると、有効性を保つための経済的負担が増えたり、 副作用のリスクが高まったりするかもしれません。

    早期に専門のクリニックで正確な診断を受け、 ご自身の状態に合った適切な強度の治療から始めることが、 将来的な心身や経済的な負担を軽減することにつながります。 一人で悩まず、まずは専門医に相談しましょう。

    AGAの分類・パターン別の主な治療法3選

    ご自身の薄毛がどのパターンで進んでいるかを知ると、 次に「どうすれば良くなるのだろう?」と考えるはずです。 AGAの治療は、闇雲に何かを試せば良いわけではありません。

    薄毛の進行を食い止める「守りの治療」と、 髪を育てて増やす「攻めの治療」があります。 ご自身の状態や希望に合わせて、これらを組み合わせることが 悩みを解決するための大切な一歩になります。

    内服薬(フィナステリド・デュタステリド)による進行抑制

    AGA治療の中心となるのが、飲み薬による治療です。 これは、薄毛の進行を内側から食い止める「守りの治療」です。 AGAは、DHTという男性ホルモンが髪の成長を邪魔することで起こります。

    フィナステリドやデュタステリドという成分の薬は、 このDHTが体内で作られるのをブロックする働きがあります。 車のブレーキのように、薄毛の進行に歯止めをかけるイメージです。

    • フィナステリド DHTを作る酵素の一つの働きを邪魔します。
    • デュタステリド より広い範囲の酵素の働きを邪魔します。

    AGA治療は、長く続けていくことがとても重要です。 例えば、がんの治療研究では「減量戦略」という考え方があります。 これは、薬の効果をしっかり保ちながら、副作用のリスクや 経済的な負担をできるだけ軽くするための工夫です。

    治療の強さと効果は、必ずしも比例するわけではありません。 AGA治療も同様に、ただ薬を飲み続けるのではなく、 医師と相談しながらご自身に合った適切な使い方を見つけることが、 安心して治療を続けるための鍵となります。

    外用薬(ミノキシジル)による発毛促進

    飲み薬が薄毛の進行を防ぐ「守り」の治療なら、 塗り薬は髪の毛を生やす「攻め」の治療と言えます。 その代表的な成分が「ミノキシジル」です。

    ミノキシジルには、頭皮の血行を良くする働きがあります。 髪の毛を作る工場である「毛母細胞」に栄養をたくさん届け、 その働きを活発にすることで、発毛をサポートします。 細く弱ってしまった髪を、太く丈夫に育ててくれるのです。

    【ミノキシジル外用薬のポイント】

    • 毎日コツコツ続ける 1日2回、朝と夜に気になる部分へ塗るのが基本です。
    • 内服薬との併用が効果的 進行を抑える飲み薬と併用することで、「守り」と「攻め」の 両方からアプローチでき、より高い効果が期待できます。
    • 初期脱毛について 使い始めに一時的に抜け毛が増えることがあります。 これはヘアサイクルが正常に戻る過程で見られるサインであり、 薬が効き始めている証拠の一つであることが多いです。

    効果を感じるまでには数ヶ月かかることが一般的です。 焦らずに、根気強くケアを続けることが大切になります。

    進行したAGAに検討される注入治療・自毛植毛

    飲み薬や塗り薬だけでは改善が難しい場合や、 より積極的な変化を希望される場合には、 さらに進んだ治療法も選択肢になります。

    治療法特徴こんな方におすすめ
    注入治療髪の成長を応援する栄養成分(成長因子など)を、注射を使って頭皮に直接届け、髪が育つための土壌を整える方法です。・薬物療法の効果をもっと高めたい方
    ・頭皮の環境から根本的に改善したい方
    自毛植毛AGAの影響を受けにくい後頭部などのご自身の元気な髪の毛を、薄くなった部分にお引越しさせる外科的な治療法です。・生え際が大きく後退してしまった方
    ・薬の効果を実感しにくい方

    これらの治療は、飲み薬や塗り薬と組み合わせて 行うことで、相乗効果を期待できる場合もあります。 それぞれの治療にメリットと注意点があるため、 医師とよく相談し、ご自身の希望に合った方法を選びましょう。

    まずは専門クリニックで正確な診断を受ける重要性

    ここまで様々な治療法をご紹介しましたが、 最も大切なことは、自己判断で治療を始めないことです。 薄毛の原因はAGAだけではない可能性もあります。

    ご自身の薄毛がどのタイプで、どのくらい進行しているのかを 正確に知ることが、適切な治療への最短ルートです。 専門のクリニックでは、医師が頭皮の状態を詳しく診察し、 客観的な物差しで進行度を評価します。

    例えば、がん治療の研究分野では、治療の効果を正しく評価するため、 検査方法や診断の基準を世界中で統一することが非常に重要です。 もし、病院や研究ごとに基準がバラバラだと、どの治療法が 本当に有効なのかを正しく比べることができなくなってしまいます。

    これはAGAの治療でも全く同じことが言えます。 最初に専門家が「ハミルトン・ノーウッド分類」といった 共通の基準で正確な診断を行うことが、 その後の治療方針を決める上で何よりも重要なのです。 正しい診断があって初めて、あなたに合った最適な治療が始まります。

    まとめ

    今回は、AGAの進行パターンや分類について詳しく解説しました。 M字型やO字型など、ご自身の薄毛がどのタイプに近いか、客観的に把握する一助となれば幸いです。

    しかし、最も大切なことは、どのパターンであっても自己判断で悩みを抱え込まないことです。薄毛の原因や進行度は人それぞれで、最適な治療法も一人ひとり異なります。ご自身の状態を正確に知ることが、悩みを解決するための最短ルートになります。

    「もしかしてAGAかも?」と感じたら、まずは専門のクリニックへ相談してみましょう。専門医による正しい診断を受けることで、あなたに合った治療法が見つかり、一人で抱えていた不安もきっと軽くなるはずです。勇気を出して、まずは最初の一歩を踏み出してみませんか。

    参考文献

    出典元・参考URL
    • Huijs JWJ, Bortolot M, Berghoff AS, Brastianos PK, Degens JHRJ, De Ruysscher DKM, Compter A and Hendriks LEL. Screening for brain metastases in patients with advanced non-small cell lung cancer and an actionable genomic alteration: A structured literature review. Neuro-oncology practice 12, no. 4 (2025): 545-570.
      Bortolot M, Remon J, Bironzo P, Cortiula F, Menis J, Chan SW, van Geel R, Reguart N, Arrieta O, Mountzios G, Dingemans AC, Besse B and Hendriks LEL. De-escalation strategies with targeted therapies in non-small cell lung cancer. Cancer treatment reviews 139, no. (2025): 102995.
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