AGA基礎知識

AGAになりやすい人に特徴はある?効果的な3つの治療法を紹介

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「お父さんや、おじいさんが薄毛だから自分も…」と、AGA(男性型脱毛症)を遺伝のせいだと諦めていませんか?確かに遺伝は大きな要因ですが、髪の運命がそれだけで決まるわけではありません。

実は、AGAの鍵を握る遺伝子は母方から受け継がれやすいことをご存知でしょうか。ある調査では、母方の祖父が薄毛の場合、その影響を受け継ぐ確率は約75%ともいわれています。しかし、遺伝はあくまで「なりやすさ」であり、ストレスや生活習慣も進行に深く関わっているのです。

この記事では、ご自身でできるAGAのセルフチェックから、医学的根拠のある3つの効果的な治療法、そして治療前に知っておくべき副作用や費用までを詳しく解説します。諦める前に、正しい知識でご自身の状態と向き合ってみませんか。

目次

    AGAの主な原因と遺伝的特徴4つ

    「お父さんや、おじいさんが薄毛だから、自分も…」 このように、ご自身の髪について心配している方は少なくありません。

    AGA(男性型脱毛症)は、遺伝的な要因が関係することが知られています。 しかし、遺伝子だけで髪の運命がすべて決まるわけではありません。 日々の生活習慣も、AGAの進行に大きく影響します。

    ここでは、AGAの主な原因となる遺伝子の特徴や、 ご自身でできるチェック方法を4つのポイントで解説します。 正しい知識は、不安を和らげ、適切な対策への第一歩となります。

    母方の家系から受け継がれやすい男性ホルモン受容体

    AGAの発症には、男性ホルモンを受け取るアンテナの役割を持つ、 「男性ホルモン受容体」の感度が深く関わっています。 このアンテナの感度が高いと、脱毛の指令を受けやすくなります。 その結果、薄毛が進行しやすくなるのです。

    実は、このアンテナの設計図(遺伝情報)は、 性別を決めるX染色体という特別な場所にあります。 人の性別を決める染色体の組み合わせは以下の通りです。

    • 男性(XY)の遺伝子の組み合わせ
      • お父さんから「Y染色体」を受け継ぐ
      • お母さんから「X染色体」を受け継ぐ

    つまり、AGAの鍵を握るアンテナの情報は、お母さんから受け継がれます。 このため、「母方のおじいさんが薄毛だと、自分もなりやすい」 という話には、科学的な根拠があるのです。 ある調査では、母方の祖父が薄毛の場合、 その影響を受け継ぐ確率は約75%ともいわれています。

    5αリダクターゼの活性度と遺伝の関係

    AGAに関わるもう一つの重要な遺伝的要因は、 「5αリダクターゼ」という酵素の働き(活性度)です。 この酵素は、男性ホルモン「テストステロン」を、 より強力な脱毛作用を持つ「DHT」という物質に変える働きがあります。

    5αリダクターゼの働きが活発だと、DHTが多く作られます。 その結果、髪の成長期が短くなり、抜け毛が増えてしまうのです。 この酵素の活性度の高さも、遺伝によって決まります。

    この遺伝子は「優性遺伝」という形で伝わりやすい特徴があります。 ご両親のどちらか一方がこの特徴を持つだけでも、 お子さんに受け継がれる可能性があるということです。

    遺伝だけじゃない?AGAを進行させる生活習慣とストレス

    遺伝はAGAの「なりやすさ」を決めますが、それだけが原因ではありません。 実は、病気の本当の原因を探るための研究方法があります。 それは「メンデルランダム化法」と呼ばれるものです。

    この方法を使うと、生まれ持った遺伝子の影響と、 生活習慣のような後から加わる要因の影響を区別して考えられます。 これにより、何が本当に病気の原因なのかをより正確に突き止められます。

    この研究からも、遺伝的な素因に加えて、 以下のような生活習慣が重なることで、 AGAの進行が早まる可能性があることがわかってきています。

    • 過度なストレス
      • 自律神経が乱れ、頭皮の血行が悪くなる
    • 睡眠不足
      • 髪の成長に必要なホルモンの分泌を妨げる
    • 栄養バランスの乱れ
      • 髪の材料となるタンパク質やビタミン、ミネラルが不足する
    • 喫煙
      • 血管を縮めて血行を悪化させ、髪に栄養が届きにくくなる
    • 過度な飲酒
      • 髪の栄養になるビタミンを消費し、睡眠の質も下げる

    これらの要因は頭皮の環境を悪化させてしまいます。 遺伝的なリスクがある方は特に、生活習慣を見直すことが大切です。

    すぐにできるAGAセルフチェックリスト

    「最近、抜け毛が増えたかも…」と感じたら、 ご自身の状態を客観的に確認してみましょう。 AGAはゆっくり進行するため、早めに変化に気づくことが重要です。

    □ 朝起きたとき、枕についている抜け毛が増えた □ 抜け毛の中に、細くて短い「弱々しい毛」が混じっている □ 髪全体のボリュームが減り、地肌が透けて見える □ 生え際が後退した、または頭のてっぺんが薄くなった □ 髪にハリやコシがなくなり、ヘアセットが決まりにくい □ 親族(特に母方の祖父や父)に薄毛の人がいる

    これらの項目に複数当てはまる場合は、AGAのサインかもしれません。 ただし、これはあくまでご自身で確認するためのリストです。 気になることがあれば、一人で悩まず専門のクリニックに相談しましょう。

    AGAに効果的な3つの代表的な治療法

    AGAは進行しますが、「遺伝だから」と諦める必要はありません。 医学的根拠に基づいた有効な治療法が確立されています。 治療はAGAの進行を抑えるものから、発毛を促すものまで様々です。

    慢性的な病気の治療では、生活習慣の改善がとても重要になります。 AGA治療も同様で、薬だけでなく生活を見直すことも大切です。 ご自身の状態や希望に合わせ、適切な治療法を医師と選びましょう。 ここでは代表的な3つの治療法を、その特徴と共に解説します。

    内服薬による治療(フィナステリド・デュタステリド)

    AGA治療の基本となるのが、飲み薬による治療です。 主に「フィナステリド」と「デュタステリド」が使われます。 これらの薬は、脱毛の原因物質「DHT」が作られるのを防ぎます。 AGAの進行にブレーキをかける「守りの治療」と考えてください。

    薬の種類作用する酵素の種類主な特徴
    フィナステリドⅡ型5αリダクターゼ抜け毛の進行を抑える効果が期待できます。
    デュタステリドⅠ型・Ⅱ型5αリダクターゼより広く作用し、発毛効果も認められています。

    毎日飲み続けることで、抜け毛が減るなどの効果が期待できます。 効果を実感するには、数ヶ月から1年ほど続けることが大切です。 定期的に通院し、効果を評価しながら治療を進めます。

    外用薬による治療(ミノキシジル)

    「ミノキシジル」は、頭皮に直接塗って使う外用薬です。 もともとは血圧を下げる薬として開発された歴史があります。 頭皮の血流を改善し、髪を作る「毛母細胞」を元気にします。 髪の成長を後押しする「攻めの治療」と言えるでしょう。

    髪の毛を作る工場である毛母細胞に、栄養をしっかり届けます。 これにより、髪の成長を助け、太く丈夫な髪を育てます。 内服薬と併用することで、より高い相乗効果が期待できます。 治療効果を高めるためにも、禁煙など血流を良くする生活が重要です。

    投薬以外の選択肢(注入治療・自毛植毛)

    飲み薬や塗り薬だけでは、効果が不十分な場合もあります。 より積極的な改善を望む場合には、他の選択肢を検討します。 これらの治療は、専門的な知識と技術が必要になります。

    • 注入治療(メソセラピーなど)
      • 髪の成長に有効な成分(成長因子など)を注射で頭皮に届けます。
      • 髪を作る細胞に直接栄養を与え、発毛を促す方法です。
    • 自毛植毛
      • ご自身の後頭部など、AGAの影響を受けにくい部分の毛髪を使います。
      • 毛髪を皮膚ごと薄毛の部分に移植する外科的な治療法です。

    これらの治療は、様々な要因を考慮した多角的なアプローチが求められます。 経験豊富な医師とよく相談し、納得のいく方法を選びましょう。

    治療開始前に知っておくべき重要事項5選

    AGA治療を考え始めるとき、期待とともに不安がよぎるかもしれません。 「本当に効果があるのか」「副作用はないか」など、気になる点は多いでしょう。

    安心して治療の一歩を踏み出すためには、正しい知識を持つことが大切です。 これからお話しする5つのポイントは、治療という旅の地図になります。 ご自身の状況に合った治療を納得して選ぶための、大切な情報です。

    治療で期待できる効果と実感できるまでの期間

    治療を始めても、すぐに髪が目に見えて増えるわけではありません。 AGA治療の効果は、段階的に現れるのが一般的です。 多くの場合、まず抜け毛が減ることから変化が始まります。 その後、髪にハリやコシが出て、産毛が生え始めます。 そして、その産毛が太く長い髪へと育っていくのです。

    治療法によって、効果を実感できるまでの期間は異なります。

    治療法効果を実感できるまでの期間の目安
    内服薬3ヶ月~6ヶ月程度
    外用薬4ヶ月~6ヶ月程度

    これはあくまで目安であり、効果の現れ方には個人差があります。 髪の成長には時間がかかるため、焦らず根気強く治療を続けることが大切です。

    初期脱毛や性機能低下などの主な副作用

    どのようなお薬にも、良い効果がある一方で副作用の可能性があります。 AGA治療で使われるお薬にも、知っておきたい副作用があります。

    • 初期脱毛
      • 治療を始めて1ヶ月ほどで、一時的に抜け毛が増えることがあります。
      • これは乱れたヘアサイクルが正常に戻る過程で起こる現象です。
      • 古い髪が、新しく生えてきた元気な髪に押し出されるのです。
      • 治療が効いている証拠の一つとも考えられています。
    • 性機能の変化
      • ごくまれに、飲み薬の影響で性欲が減ったり、勃起機能に影響が出たりすることが報告されています。
    • 頭皮のトラブル
      • 塗り薬の場合、使った部分にかゆみ、赤み、かぶれなどが起こることがあります。

    これらの副作用は、必ず起こるわけではありません。 もし気になる症状が出たら、自己判断で薬をやめないでください。 必ず処方した医師に相談し、指示を仰ぐことが重要です。

    治療にかかる費用の目安と保険適用の有無

    AGA治療は、容姿をより良くするための「自由診療」です。 そのため、健康保険は使えず、費用は全額自己負担となります。 費用はクリニックや治療内容によって異なりますが、目安は以下の通りです。

    治療内容費用の目安(月額)
    内服薬のみ5,000円~15,000円程度
    外用薬のみ10,000円~20,000円程度
    内服薬+外用薬15,000円~35,000円程度

    AGA治療は継続が必要なため、無理なく続けられる計画が大切です。 なお、治療費は確定申告で医療費控除の対象となる場合があります。 忘れずに領収書を保管しておきましょう。

    治療の中断で起こる薄毛の再進行

    AGAは進行性の脱毛症のため、「完治」を目指すものではありません。 治療の目的は、進行を抑え、今の状態を改善・維持することです。 そのため、自己判断で治療をやめると、再び薄毛が進行し始めます。

    実は、私たちの体には「時計遺伝子」という機能が備わっています。 これは体の正常なリズム(概日リズム)を刻む、大切な仕組みです。 最近の研究では、このリズムの乱れが様々な病気に関わることがわかっています。 AGA治療薬は、乱れてしまったヘアサイクルのリズムを正常に保つ働きをします。

    治療を中断すると、薬で保たれていた良いリズムが崩れてしまいます。 そして体は、元の乱れた状態に戻ろうとしてしまうのです。 これが、薄毛が再進行する大きな理由です。 経済的な理由などで継続が難しい場合も、まずは医師に相談しましょう。

    AGA専門クリニックと一般皮膚科の選び方

    AGAの治療は、専門クリニックと一般皮膚科で受けられます。 それぞれに特徴があるため、ご自身に合った医療機関を選びましょう。

    【AGA専門クリニック】

    • 特徴
      • AGA治療に特化しており、医師やスタッフの専門知識が豊富です。
      • 飲み薬や塗り薬のほか、注入治療など幅広い選択肢があります。
      • 薄毛の悩みに特化したカウンセリング体制が整っています。

    【一般皮膚科】

    • 特徴
      • AGAだけでなく、他の皮膚の病気も一緒に相談できます。
      • 自宅や職場の近くにあれば、通院しやすいのが利点です。

    どちらを選ぶか迷う場合は、複数の医療機関で話を聞いてみましょう。 医師の説明の分かりやすさや、通いやすさなどを総合的に比較し、 ご自身が納得して治療を続けられる場所を見つけることをお勧めします。

    まとめ

    今回は、AGAになりやすい人の特徴から、具体的な治療法まで詳しくご紹介しました。 AGAの発症には遺伝的な要因が関係しますが、それが全てではありません。生活習慣も大きく影響するため、「遺伝だから」と諦める必要はないのです。

    AGAは進行性の脱毛症ですが、内服薬や外用薬といった医学的根拠に基づいた有効な治療法が確立されています。大切なのは、正しい知識を持って根気強く治療を続けることです。

    もし、抜け毛の増加や髪質の変化など、気になるサインを感じたら、一人で悩みを抱え込まないでください。まずは専門のクリニックで気軽に相談し、ご自身に合った治療への第一歩を踏み出してみましょう。

    参考文献

    出典元・参考URL
    • Zheng T, Wang K, Shi Q, Zhang L, Yan Q, Jiang W, Chen C, Zhao K, Feng J and Wang W. “Clock genes in pancreatic disease progression: from circadian regulation to dysfunction.” Annals of medicine 57, no. 1 (2025): 2528449.
      Chen Z, Yang Y, Peng C, Zhou Z, Wang F, Miao C, Li X, Wang M, Feng S, Chen T, Chen R and Liang Z. “Mendelian randomisation studies for causal inference in chronic obstructive pulmonary disease: A narrative review.” Pulmonology 31, no. 1 (2025): 2470556.
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