



AGA基礎知識
#ストレス
ストレスと頭髪には因果関係がないと思う人も多いようですが、実はとても密接な関係があります。
過度なストレスが長期間かかり続けると、抜け毛が増え、薄毛になる可能性が高まるのです。
本記事では、ストレスと頭髪の因果関係、抜け毛の改善策などを詳しく解説します。
人はストレスを受けると自律神経系、内分泌系(ホルモン)、免疫系などを介して何かしらのストレスサインが現れます。
自律神経には身体を緊張させる「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」があり、この二つがバランスよく機能することで、心身の健康が保たれているのです。
しかし、このバランスが崩れると抜け毛を引き起こすことがあるため、どのようなメカニズムをたどるのかを知っておくことが重要です。
それでは、頭髪の抜け毛とストレスの関係性を詳しく見ていきましょう。
人はストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位な状態になりますが、この優位な状態が続くと、毛細血管の収縮が起こって血流が低下します。
髪の毛を健やかに成長させるために欠かせない栄養は、血液を通して頭皮まで運ばれます。
そのため、頭皮の血流が悪くなると栄養供給が滞り、髪の毛の成長を妨げ抜け毛が起こる可能性があるとされているのです。
ストレスがかかると腎臓のそばにある副腎の副腎皮質から「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
慢性的なストレスによりコルチゾールが過剰分泌されると、免疫機能が抑制され頭皮環境が悪化し、抜け毛を引き起こす可能性があります。
また、ストレスによって暴飲暴食、過度な飲酒をすると皮脂分泌が過剰になります。
その結果、皮脂が毛穴に詰まったり、髪の生育環境が悪くなったりするため、抜け毛へとつながるのです。
ストレスは毛髪の成長へも大きな影響を及ぼします。
ハーバード大学で行われた研究では、慢性的なストレスで副腎皮質からコルチゾールが多量に分泌されると、毛包幹細胞に作用して発毛を阻害するということを証明しました。
また、ストレスがかかると肝臓でメタロチオネインという物質が作られ、この物質が体をストレスから守るのですが、メタロチオネインを作るためには大量の亜鉛が必要となります。
亜鉛は髪の健やかな成長を保つ上で欠かせない成分ですが、ストレスから体を守るために大量に消費されることから、髪に栄養として届かず、毛髪の成長へ影響を及ぼすのです。
抜け毛の原因はストレスだけではなく、ほかにもさまざまな原因があるといわれています。
ここからは、ストレス以外の抜け毛の原因を解説します。
ホルモンバランスの乱れは、抜け毛に大きく関係します。
男性の場合、ホルモンバランスが乱れて男性ホルモンの分泌量が増えると、皮脂の過剰分泌へとつながります。すると髪の生育環境が悪くなり、薄毛になります。
後述しますが、男性の髪の生育は男性ホルモンも関係しているため、男性ホルモンの分泌量が増えると薄毛につながるのです。
また女性も同様に、エストロゲンの分泌量がホルモンバランスの乱れによって減少すると、髪が十分に成長できずに抜け毛が増えるのです。
生活習慣の乱れは、抜け毛の大きな原因となります。
特に、食生活の乱れや睡眠不足、運動不足は髪の成長に影響するとされています。
脂質の多い食事や偏った食生活をしていると、髪に十分な栄養が供給できなくなり、睡眠不足になると、髪の成長に関係する成長ホルモンが十分に分泌されません。
また、運動不足によって頭皮に十分な血流が届かなければ、十分に栄養や酸素を供給しにくくなります。
このことから、抜け毛を起こさないためには生活習慣を整えることが重要なのです。
出産後は女性ホルモンのバランスが大きく乱れます。
出産までは妊娠を維持するために、髪の成長にも関係するエストロゲンが多く分泌されていましたが、出産を機にエストロゲンの分泌量が急降下します。
すると、髪の成長が止まってしまうため、抜け毛の症状が起こるのです。
ただし、産後の抜け毛はあくまで一時的なものなので、時間がたつと新しい髪が生えてきます。
誤ったヘアケアも抜け毛を誘発します。
例えば、自分に合っていないシャンプーを使用していると、頭皮の乾燥やべたつきの症状が起こり、抜け毛の原因となります。
また、ワックスなどの整髪料が頭皮の毛穴に詰まっていても、抜け毛を誘発することがあります。
このように誤ったヘアケアの場合は、正しく見直すことで、抜け毛が改善されるでしょう。
同じ髪型を毎日している方の中には、そのヘアスタイルが抜け毛の原因となることがあります。
例えば、ポニーテールやお団子などの髪を引っ張るようなヘアスタイル、ヘアアイロンを毎日している、エクステをつけているという場合には、髪が抜けやすいのです。
髪を引っ張ることで毛髪が抜けやすくなり、抜け毛を引き起こすことを「牽引性脱毛症」と言います。
初期段階であれば、ヘアスタイルを変えることで元に戻りますが、長時間続くと毛包がダメージを受け、髪が永久に生えてこなくなることもあるため注意が必要です。
ここからは、ストレスが関係して発症する脱毛症について解説します。
ただし、抜け毛にはさまざまな要因が関係しているため、あくまでも要因の一つとしてご覧ください。
AGAは男性型脱毛症とも呼ばれる脱毛症で、男性ホルモンが関係して発症します。
特に、40歳以降になると発症率が高くなるのが特徴です。
AGAの発症には、主に男性ホルモンの一種であるテストステロンの作用が関係しており、ストレスにAGAとの直接的な因果関係は認められていません
ただし、先に述べたようなストレスによる身体への影響により、AGAによる抜け毛や薄毛が助長される可能性があります。
テストステロンとは、男性らしい体つきや生殖器の機能を維持するために欠かせないホルモンの一つです。
テストステロンが体内に存在する5αリダクターゼ(5α還元酵素)という還元酵素と結合すると、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンに変化します。
このDHTが男性ホルモンの受容体である「アンドロゲンレセプター」と結合すると、体毛を太くするよう作用します。しかし、前頭部や頭頂部の髪の毛においては、ヘアサイクルを短縮するように作用し、AGAによる薄毛を進行させると考えられているのです。
ストレスで発症する可能性がある脱毛症を知っておくことで、具体的な対策ができるかもしれません。
ストレスが原因とみられる脱毛症は、次のとおりです。
休止期脱毛症とは、ヘアサイクルが乱れて、多くの髪の毛が休止期を迎えることにより、抜け毛が発生する疾患です。
ヘアサイクルとは髪の毛が成長する周期のことで、髪の毛が成長する「成長期」、成長が止まって毛包が退縮していく「退行期」、毛包の活動が休止する「休止期」の大きく3つの段階から構成されています。
ヘアサイクルが短縮されると、髪の毛が成長する期間も短くなり、十分に育ちきらない髪の毛が増えます。結果、細くて短い髪の毛が増加するために、薄毛が進行していくと考えられています。
休止期脱毛症の原因は、大きなストレスに加え、高熱、手術、大量出血、栄養失調などです。
円形脱毛症とは、自身の免疫が毛包を攻撃することで炎症が起こり、髪が抜けてしまう症状のことです。
このような病気を自己免疫性疾患と呼びます。
髪を生やす毛包そのものが機能しないため、一度抜けると生えてこなくなってしまう点が特徴です。
円形脱毛症はストレスが直接的な原因ではありませんが、精神的なストレスがきっかけとなり、症状を誘引している可能性があると考えられています。
びまん性脱毛症とは、髪全体が薄くなるという脱毛症です。
原因はストレスをはじめ、日常生活やホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が複合的に絡み合って発症すると考えられています。
ストレスだけが原因ではないものの、深く関係している脱毛症といえるでしょう。
分娩後は一時的ではありますが、脱毛症を起こすことがあり、これを分娩後脱毛症と言います。
分娩後脱毛症の主な症状は、女性ホルモンの減少が主な原因とされています。しかし、人によっては慣れない子育てによるストレスで、ホルモンバランスや生活習慣が乱れることにより、発症している可能性も示唆されています。
びまん性脱毛症と同じく、発症の原因はストレスのみならず、さまざまな原因が複合的に絡み合っているという点を抑えておきましょう。
ストレスによる脱毛症は、何かしらの対策や治療を行わない限り進行していきます。
進行した結果、二度と髪の毛が生えてこない可能性もあるかもしれません。
ここからは、日常生活の中ですぐに実践できる対策からクリニックで行える対策まで、幅広くご紹介していきます。
ストレスをためないようにするのみならず、脱毛症の要因となる生活習慣や頭皮環境を改善していきましょう。
現代社会の生活において、ストレスを感じないようにしたり、ためないようにしたりするのは難しいことかもしれません。
そのため、ストレスを感じてもうまく対処できるように、自分なりのストレス発散方法を持っておくことが大切です。
また、自分がどんなときにストレスを感じやすいのか知っていると、事前にストレスを回避しやすくなるでしょう。
気分が落ち込む、集中できない、下痢や胃痛がする、眠れない、故意に人付き合いを避けたくなるなど、これらの症状はストレスを感じているサインかもしれません。
少しでも心や体の不調を感じたときは、息抜きの時間を持ってみてください。
現在は食生活も多様化しており、外食やコンビニ飯を利用する方も多くなっています。外食は手軽に済ませることができるというメリットがありますが、意識しないと栄養が偏ってしまいます。
髪の毛の健やかな成長を促すためには、バランスの良い食事の摂取が欠かせません。
ご飯やパンなどの主食、肉や魚などの主菜、野菜などの副菜がそろった食事を摂取するよう心がけましょう。
質の良い十分な睡眠が髪の毛に良いとされる理由には、成長ホルモンの働きが関係しています。
成長ホルモンは、子どもの頃は骨や筋肉などを発達させる働きをしますが、大人になるとタンパク質合成や細胞増殖、代謝の促進などの役割を持つようになります。
また、成長ホルモンは入眠から3時間後のノンレム睡眠時に多く分泌されると考えられています。
理想的な睡眠時間は6時間以上8時間未満とされていますが、必要な睡眠時間は人によって異なるため、自分に合った睡眠時間を確保するのが理想的でしょう。
少しでもスムーズに入眠するためには、睡眠を妨げるカフェインやニコチンの摂取を控えたり、入眠前にぬるめの温度で入浴したりするなどの方法がおすすめです。
ドラッグストアなどで気軽に購入できるのが発毛剤と育毛剤です。
薄毛に悩む方ならば、一度は検討したことがあるかもしれません。
発毛剤には「ミノキシジル」という発毛効果を持つ成分が含まれているため、毛乳頭細胞を活性化させ、髪の毛を生やす効果が期待できます。
一方、育毛剤に発毛効果はありませんが、頭皮環境を整えることにより、薄毛を予防する効果は期待できるでしょう。
ただし、発毛剤や育毛剤はあくまでも頭皮ケアのサポート的役割を果たすものであり、使用したからといって必ずしも薄毛が改善されるものではありません。
髪の毛のハリやコシが改善したと実感するようであれば、使用を続けても良いでしょう。
ただし、一定期間使用を続けていても改善が感じられない場合は、クリニックを受診するなど他の対策を行うことをおすすめします。
抜け毛が多い時期には、頭皮への刺激となるパーマやカラーを極力控えましょう。
これだけでも頭皮への負担が減り、抜け毛が改善される可能性が高まります。
特にパーマは髪の毛を引っ張りながら行うことが多く、牽引性脱毛症を誘発しやすいため、頻度を減らすだけでも改善が見込めるでしょう。
どうしてもパーマやカラーをしたい場合は、頭皮に優しい成分の基材を使いましょう。
AGAによる薄毛が進行している場合、または前述の対策法で改善しない方は、薄毛治療専門クリニックの受診を検討されることをおすすめします。
AGAは進行性の脱毛症であり、専門的な治療を行わない限り進行を止めることは難しい症状です。
薄毛の進行具合にもよりますが、現在は投薬治療が主流であり、外用薬や内服薬のみで治療を行うことも可能です。
また、薄毛に特化したクリニックならば知識も豊富なため、薄毛の悩みに強いといえます。クリニックを選ぶ際は、費用面のみで選ぶのではなく、実績豊富なクリニックをおすすめします。
適度に運動して頭皮の血流を良くすることで、頭皮に栄養を送れるようになるため、薄毛の進行を予防したり、薄毛を改善したりすることが可能です。
特に有酸素運動は薄毛の予防や改善効果が望めます。
また、有酸素運動はセロトニンの分泌を活性化するため、ストレス解消効果にも期待できて、ストレスによる薄毛の対策としては一石二鳥といえるでしょう。
まずはウォーキングやランニングなど、無理のないものから試してみることをおすすめします。
AGAの治療方法として主流なものは、薬剤を用いた治療です。
ここからは、AGAの治療として一般的に用いられる薬物治療の方法を2つ解説します。
AGA治療に用いられる薬として代表的なのは「フィナステリド」「デュタステリド」です。
フィナステリドとデュタステリドは、5αリダクターゼの働きを抑制してAGAの進行を防ぐ働きが期待できます。
内服薬のみでの治療も可能ですが、後述する外用薬と併せて治療することにより、さらに高い効果が期待できます。
AGAの外用薬治療として唯一取り入れられているのが、ミノキシジルを使用した治療です。
ミノキシジルは発毛を促す働きが期待できる治療薬で、AGA治療ガイドラインにおいても高い発毛効果が報告されています。
ただし、直接頭皮につけることから、副作用として頭皮のかぶれや発赤などの報告もあるため、医師に相談した上で様子を見ながら使いましょう。
また、近年はミノキシジルの市販化もされているため、手軽に購入できますが、ミノキシジルのみではAGAの進行は抑制できないため、医師へ相談して内服薬と併用するのも効果的です。
ストレスとAGAの直接的な因果関係は認められていませんが、ストレスは薄毛を助長させる要因となる可能性があります。
薄毛の原因がAGAであるとは限りませんが、もしAGAである場合は進行性の脱毛症であるため、早めの治療が大切です。
ここからは、AGAを治療できる専門クリニックをご紹介していきます。
AGA治療専門クリニックとは、その名前の通り、AGA治療に特化したクリニックのことです。
AGAの治療は基本的に皮膚科で行い、一部泌尿器科で受診できるケースもあります。
しかし、どちらにおいてもAGA以外の病気の診療もしているという観点から、専門的な検査などはできません。
この点、AGA治療専門クリニックならば、AGA治療に特化しているのでより専門的な検査が行えます。
また、一般的な診療科では、治療の選択肢が投薬治療のみとなります。
ただし、ほかの治療の選択肢を提供してもらえたり、AGA治療に有効なシャンプーなどを紹介してもらえたりするため、治療や対策の幅が広いことがポイントです。
AGA治療専門クリニックを探すときには、クリニックの評判を必ず確認しましょう。
クリニックに対する評判や口コミは、実際に治療をした方の生の声です。
そのため、口コミや評判、ホームページを併せて確認しましょう。
また、治療実績の確認も重要です。
一つの症例だけではなく、さまざまな症例を載せているクリニックは、脱毛に対して柔軟に対応できるということになります。
さらに、料金形態についてもおさえておきましょう。
AGA治療は自費診療となるため、クリニックごとに価格が設定されています。
ほかのクリニックと比べて高額である、あるいは低額である場合には、後々追加で料金を請求されることがあります。
相場を調べ、適正価格で治療を提供しているクリニックが理想的でしょう。
新型コロナウイルスの感染症蔓延をきっかけに、オンラインによる診療が活発となり、AGAクリニックでもオンライン診療を取り入れるところが増えました。
オンライン診療には、薬の費用が安く済む、自宅やオフィスから気軽に診療が受けられるなどのメリットがあります。
その一方で、医師に直接頭皮の様子を見てもらえない上に検査もできないため、本当に改善しているのか経過が分からないと不安に思う方がいるのも現状です。
対面では検査はもちろんのこと、医師が直接頭皮の状態を診察してくれるため、経過をしっかりと把握でき、都度その人に合った治療薬を処方してもらえます。
AGA治療は治療期間が長いことから、医師と二人三脚で治療していくことがカギとなります。
そのため、できるだけ医師に直接頭皮の様子を見てもらえるよう、対面での診療がおすすめです。
実績と治療経験が豊富な医師が在籍しているAGAヘアクリニックでは、患者さま一人一人のお悩みに沿った治療法をご提案させていただいております。
診察室は完全個室を採用しており、ほかのお客さまと顔を合わせることなく、安心して治療を行っていただけます。薄毛でお悩みの方は、ぜひ一度、当院までご相談ください。
ストレスによって抜け毛が生じることは、医学的にも証明されています。
そのため、ストレスがたまっており、なおかつ抜け毛も増えているという方は、ストレスを適宜解消することが必要です。
また、ストレスのみならず、髪はさまざまな原因で抜けてしまいます。
特に髪が抜ける理由がAGAであった場合は、早期の治療が重要です。
現在、AGA治療は皮膚科クリニックやAGA専門クリニック、オンライン診療ができるクリニックなど、多くの選択肢があります。
オンラインは気軽に診療が受けられる一方で、医師が対面で診察をしていないことから、経過をしっかりと把握できず、薬の治療効果が正しく判定しにくいです。
より確実に治療効果を得たいという方は、オンラインではなく、対面で診察が受けられるAGA治療専門クリニックを受診してはいかがでしょうか。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
薄毛対策に関するトピックをお届けします。