



AGA基礎知識
#女性の薄毛
女性の薄毛にはさまざまな原因があり、原因に合わせた治療をしていくことが重要です。
しかし、女性が自分自身で薄毛の原因を詳しく知ることは難しいかもしれません。
本記事では、女性の薄毛の原因として考えられるものや、対処法、治療法などを詳しく解説します。
薄毛に悩んでいる女性はぜひ参考にしてみてください。
女性の薄毛はさまざまな種類があります。
自身に起こっている薄毛の種類について知らなければ適切な治療には至りません。
ここでは、女性の薄毛の種類について詳しく解説します。
脱毛のパターンや原因に基づいた病名が付けられている点に注目してください。
びまん性脱毛症は特定の病名ではなく、髪が全体的に抜けていく状態の総称です。
びまん性脱毛症にはさまざまな状態や病気が含まれますが、主なものは加齢による脱毛や休止期脱毛症です。
加齢による脱毛は閉経前後に起こると考えられています。また休止期脱毛は、精神的ストレス、手術、出産、鉄欠乏性貧血、栄養障害などさまざまな原因から起こります。
目次 びまん性脱毛症とは びまん性脱毛症の原因 びまん性脱毛症の予防方法 びまん性脱毛症の治療法 びまん性脱毛…
FAGAとは女性が発症する男性型脱毛症のことです。
近年ではFPHLと呼ばれることもあります。呼び方が異なっても意味は同じです。
男性と発症パターンは異なり、頭頂部の比較的広い範囲で髪が薄くなります。
また、男性型脱毛症と異なり男性ホルモンの影響はデータとして報告されておらず、女性ホルモンや環境因子などさまざまなことが原因になっているほか、更年期での発症者が多い傾向があります。
一般的にFPHLは、FAGAと同じ意味で用いられたり、女性の脱毛症全体の意味で用いられたりしています。
本記事ではFAGAと同義語として記載していきます。
牽引性脱毛症とは、髪を引っ張られることで起こる脱毛症です。
ポニーテールや編み込み、三つ編み、お団子といった髪を引っ張る髪型を長時間続けることで、頭皮の血流が悪化して起こります。
また、エクステやヘアアイロンなどで毎日少しずつ習慣的に髪を引っ張る場合も、牽引性脱毛症を誘発すると考えられています。
出産後に女性ホルモンのバランスが乱れることで起こる脱毛症です。
妊娠後期には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの影響で、毛周期の成長期から休止期への移行が抑制されています。
しかし、出産後はエストロゲンが一気に低下するため、抑制がなくなり、休止期に入る髪の毛が急激に増加し、産後脱毛症を引き起こすのです。
主に出産後2~3カ月後に脱毛が目立つようになりますが、病的なものではないので放置していても徐々に回復します。
脂漏性脱毛症とは、脂漏性皮膚炎によって脱毛が進むことをいいます。
脂漏性皮膚炎とはマラセチア菌という常在細菌が異常増殖した結果、発症する病気です。
マラセチア菌は皮脂を食べて増殖し、皮脂を脂肪酸に分解して炎症を起こすため、この炎症によって頭皮環境が乱れ、抜け毛を引き起こすのです。
ほかにも、過剰な皮脂が毛穴に詰まることで、脂漏性脱毛症を引き起こしていると考えられています。
ひこう性脱毛症とは、発生した大量のフケが毛穴を塞ぐことで頭皮環境を悪化させて、脱毛を引き起こす病気です。
ひこう性脱毛症の発症者は男性に多い傾向がありますが、女性がまったくならないということではなく、女性にも発症の可能性が十分にあります。
円形脱毛症とは、円状やまだら状の脱毛斑ができる病気です。
自身の免疫が毛根を敵だと認識して攻撃し、毛根が破壊されることで引き起こされます(自己免疫性疾患)。
痛みやかゆみなどの症状がなく、急速に進行することが特徴です。男女差はなく、誰でも発症する可能性がある病気です。
近年、薄毛の悩みは男性だけでなく女性でも急増しています。
生え際や頭頂部に特異的に薄毛が進行する男性の脱毛症とは異なり、女性の薄毛は髪の毛全体のボリュームが減ったり、分け目や地肌全体の薄さが目立ったりすることが多いので、家族や他人から髪の毛が薄くなったことを指摘されたという方も多いようです。
このような女性の薄毛には、女性特有の原因もあることが特徴です。
ここでは、女性の薄毛の原因について詳しく解説します。
女性の薄毛や脱毛は、加齢に伴い発症することが特に多いと考えられています。
年齢を重ねることで主に次の2つの現象が起こり、薄毛へとつながります。
加齢に伴いヘアサイクルが徐々に乱れてきます。ヘアサイクルの乱れは人によって異なるため一概にはいえませんが、30代から徐々にヘアサイクルの乱れが始まり、特に50歳以上となると、ヘアサイクルの乱れが顕著に認められるのです。
ヘアサイクルが乱れることで成長期の髪の量が少なくなり、休止期の髪が増えてくるため髪の抜ける量も増加し、薄毛を進行させます。
加齢は髪の毛を作ったり成長させたりする毛母細胞の細胞分裂にも影響します。
毛母細胞が活発に細胞分裂をすることで髪は成長していくのですが、細胞が老化し細胞分裂をあまり行わなくなることで成長期が短縮され、髪が育たなくなります。
一般的に髪の毛は1つの毛穴から2~3本生えるのですが、細胞が老化すると1つの毛穴から生えてくる髪の量が減少し、髪密度が低くなることで髪が薄くなるのです。
女性の髪の毛は女性ホルモンが強く影響しており、特にエストロゲンは髪を美しく強く成長させるために重要です。そのため、女性ホルモンが減少すると薄毛につながります。
女性ホルモンが減少する理由は加齢に伴う閉経、出産に伴う一時的なホルモン減少以外にも、多嚢胞性卵巣症候群などの婦人科系の病気も一因とされています。
血流が悪くなると、十分な栄養が頭皮へと行き渡らず、薄毛や抜け毛へとつながる可能性が高くなります。
女性は冷え性が多いといわれており、血行不良の方が多いです。
この理由はホルモンバランスや筋肉量などが考えられていますが、そのほかにも無理なダイエットが挙げられます。
誤ったヘアケアも女性の薄毛の進行に関係しています。
自身の頭皮に合わないシャンプーや整髪料の使用は頭皮の環境を乱し、薄毛を助長すると考えられています。
女性の中には頭皮のにおいを気にして一日に何回も洗髪をする方がいますが、複数回のシャンプーも頭皮環境を乱す原因となるのです。
睡眠不足や過度の喫煙、飲酒、過激なダイエットなど、さまざまな生活習慣の乱れが薄毛や抜け毛につながることがあります。
睡眠は体の成長や回復に欠かせない生理的機能です。深い眠りに入ることで細胞の生成や修復に関わる「成長ホルモン」が分泌されます。
髪の毛も細胞が活性化することによって生成されるため、成長ホルモンの分泌が低下すると髪の毛の成長にも悪影響が出る可能性があります。
また、女性ホルモンはアルコールの代謝を妨げることから、女性は男性よりお酒に酔いやすいといわれています。
また、喫煙が肌荒れや肩こり、生理不順や不妊、骨量の減少、女性ホルモンの分泌などに悪影響を及ぼすとされていることから、過度な飲酒や喫煙に関しては特に女性の場合は注意が必要といわれています。
過度なダイエットによって十分な栄養がとれていない、もしくは食べる物が偏っていると頭皮に十分な栄養を供給できないため、薄毛になるリスクを増大させると考えられています。
特に減量などでダイエットを食事で行っている方は、薄毛のリスクを高めるため注意が必要です。
仕事や人間関係、家庭内問題のストレスなど、慢性的にストレスを受けることで自律神経に乱れが生じ、血行不良を引き起こすおそれがあるとされています。
健康的な髪の毛を育むために必要な栄養素や酸素は、主に血液によって毛根まで運ばれるため、ストレスにより血行不良の状態が続くことで、正常な育毛に必要とされる十分な栄養素が行き届かなくなり、薄毛や抜け毛を助長するおそれがあります。
持病の治療薬が脱毛症に関係しているケースもあり、これを薬剤性脱毛症といいます。
脱毛症を発症させる薬剤は次のとおりです。
これらのお薬を服用している方は薄毛や抜け毛のリスクが高まるため、注意が必要です。
母方の祖父がAGA(男性型脱毛症)である場合、産後脱毛が進行しやすい可能性があります。
女性型脱毛症という診断が下された方のうち、約半数は家族の中にも薄毛あるいは同じ病気を診断されている方がいるということも分かっています。
特に若い年齢で薄毛を発症している方は、家族の薄毛によって自身も薄毛になっている可能性が高いことが分かっているため、薄毛と遺伝には因果関係があるといえるでしょう。
しかし、中には薄毛と遺伝が女性においては無関係との意見もあります。
女性が薄毛になる理由は、遺伝子レベルの遺伝よりも、食生活や日常生活などが薄毛になっている家族と酷似するためで、いわゆる家庭環境が薄毛の原因となっているというものです。
したがって、女性においては遺伝と薄毛が関係しているかどうかについて現時点ではまだ解明されていませんが、可能性として0ではないという点を押さえておきましょう。
がん治療による抗がん剤の副作用によって脱毛を発症することがあります。
抗がん剤は細胞に作用して治療をするものですが、毛母細胞にも抗がん剤が作用してしまうため、抜け毛を引き起こします。
また、放射線治療で頭部に放射線を当てている方も、脱毛を引き起こすリスクがあるのです。
女性は髪が長い方が多いこともあり、そもそも脱毛をしているかどうか気づけないケースもあります。しかし、着実に脱毛は進行します。
女性が脱毛しているかどうかをセルフチェックしてみましょう。
髪の毛は一日平均で50~100本抜けます。
この量は季節などにも左右されますが、100本以上毎日抜けるということは考えづらいです。
髪の毛がどのくらい抜けているかを数えることはできませんが、体感として一昔前よりも髪の抜ける量が増えた、洗髪後に髪の毛で配水管が詰まるという場合には、抜け毛の量が増えていることが考えられます。
髪が細くなり、ハリやコシが失われている場合には髪が抜けやすくなるため、脱毛のリスクが増します。
また、髪質の変化はヘアサイクルの乱れを意味します。
そのため、以前と髪質が変わったと感じる場合には、ヘアサイクルが乱れている可能性も考えられるのです。
額の面積が広くなるのは、髪の生え際が脱毛していることが考えられます。
特にFAGAの場合は、生え際の毛が後退するケースもあるため、額の面積が広くなった方はFAGAの可能性が考えられます。
以前よりもおでこの生え際が後退している場合には、何かしらの脱毛症によって髪が抜け落ちていることは明らかなので原因を調べるのがおすすめです。
頭皮が透けて見える場合には、薄毛が進行して毛量が減っている可能性があります。
毛穴一本一本から髪が生えているから大丈夫と思われるかもしれません。
しかし、毛穴一つからは本来複数の髪の毛が生えてくるため、一つの毛穴から一本しか生えていないということは、発毛のトラブルが起こっている可能性が極めて高いのです。
薄毛の原因を知るためにも、さまざまな角度から発毛状態をチェックすることが必要です。
本来、抜け毛には毛根鞘とよばれる透明な膜が付着しているのが特徴です。
毛根鞘の主な役割は髪の毛を頭皮に固定したり、外部刺激から守ったりすることで、髪の毛を頭皮にくっつける接着剤の役割をしています。
この毛根鞘が付着していない場合には、髪がしっかりと成長していないかもしれません。
FAGAやAGAなどは、毛根鞘が付着していない抜け毛が多く見られる傾向があります。ただし、毛根鞘が付着せずに抜け落ちる髪が少量であれば問題ありません。
また、毛根鞘はあったものの血が付いていた場合には、毛穴や毛根に傷が付いている可能性があるため、抜け毛の発症に関係する可能性もあります。
毛根鞘だと思っていたものが、実は皮脂だったというケースもあります。
皮脂は触るとベタっとしている点が違いです。
毛根鞘ではなく皮脂が付いている場合も、毛穴に皮脂がたまっていたり、頭皮に皮脂がたくさん付着していたりする証なので、頭皮環境が乱れているということになります。
そのため、今後薄毛になる、あるいは薄毛になっている可能性が高いといえるでしょう。
薄毛や抜け毛が気になり始めると、いろいろな改善方法を探し始める方も少なくないでしょう。
日々の生活を送る中で、気づかないうちに薄毛になりかねない行為をしている可能性があります。
日常生活の中でできる対策もあるので、薄毛対策として今からでもできることから行っていきましょう。
薄毛を予防するためにも、生活習慣を見直しましょう。
特に重視したいのが睡眠と食事です。日頃から十分な睡眠時間の確保や質の高い睡眠をとることが望ましいといえます。
しかし、仕事や家事、育児などにより、十分な睡眠時間の確保や質の高い睡眠をとることが難しい場合もあるかもしれません。
その場合は、意識的に睡眠の質を向上させるよう努めることが大切です。
睡眠の質を向上させるためには、就寝前に深部体温を上げることをおすすめします。
人間の体は深部体温が下がることで自然な睡眠が誘発されやすくなるため、就寝の2時間前くらいに39~40℃程度のぬるめのお湯に入浴するとよいでしょう。
また、就寝前のアルコールやカフェインの摂取は睡眠を妨げる原因になり得るため、控えることをおすすめします。
食生活においては、栄養バランスの整った食事を心がけることが大切です。
中でも、女性ホルモンと似た働きを持つ食材や、髪の毛のもととなる栄養素を含む食材、髪の毛の成長をサポートする栄養素を含む食材を積極的に摂取するとよいでしょう。
ホルモンバランスを整えることで、薄毛の予防や改善へとつながります。とはいえ、年齢を重ねると閉経や更年期によりホルモンバランスは乱れやすいです。
ホルモンバランスを整えるには、上述したように日常生活の見直しが重要です。
バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動習慣を意識してホルモンバランスを整えましょう。
また、ストレスケアも重要です。
ストレスによって自律神経を乱すことがないよう、映画鑑賞や音楽鑑賞、適度な運動、買い物、旅行など、趣味に没頭できる時間を確保したり、マッサージに行ったり、好きなアロマをたいたりと、リラックス・リフレッシュ効果があるとされる方法を日常生活に取り入れてみましょう。
頭皮や髪に直接作用するヘアケアに注力するのも薄毛ケアにはよい方法です。
ヘアケアとして主に次の2点に力を入れてみましょう。
洗髪を見直す上で大切なのは、自身に合ったシャンプーを使用することです。
頭皮の環境を整え、育毛を目指すのであれば、育毛成分を配合しているシャンプーがおすすめです。
頭皮環境を整えたい方は、アミノ酸系シャンプーを使うとよいでしょう。即効性は見込めませんが、日々のケアで徐々に薄毛の改善が見込めます。
また、シャンプーを意識したら洗い方も意識しましょう。ぬるま湯で予洗いをしたら、シャンプーを適量手に取ってよく泡立てながら洗い、すすぎ残しのないようにたっぷりのお湯ですすぎます。
毎日継続することで、髪にとってよい影響が期待できるでしょう。
育毛剤や発毛剤を併用することで、健康な髪を育てたり毛量を増やしたりできます。
育毛剤は、ドラッグストアなどでも売られており、今ある髪を成長させるときに使います。
一方で、発毛剤は髪の毛を生やすために使いますが、医薬品の成分を含むため、医師から処方をしてもらわないと手に入れられないケースが多いです。
自身が育毛剤と発毛剤どちらを使うべきか悩む方は、まず薄毛治療専門の医師に相談してみましょう。
女性の薄毛治療は、セルフケアでは改善できないケースもあり、この場合は医療機関での治療が有効です。女性の薄毛はセルフケアをしつつ、医療機関を受診しましょう。
上述したように、薄毛にはさまざまな原因がありますが、原因が分からないと改善効果は期待できません。
そのため、まずは薄毛治療専門の医療機関で薄毛の原因をチェックしてみましょう。
薄毛治療専門の医療機関ならば、薄毛の原因をチェックするだけでなく、改善のための治療もその場で提案してもらえるため、すぐに治療を開始したい方にもおすすめです。
女性の脱毛治療には主に次の2つの方法があります。
特徴的なのは男性と治療方法が異なる点です。
女性特有の治療法となるため、しっかりとチェックしておきましょう。
女性の場合、男性と同じお薬は使えず、スピロノラクトンという飲み薬とパントガールという髪に栄養を与えるサプリメントで治療をします。
スピロノラクトンは、男性ホルモンであるジヒドロテストステロンの抑制効果が期待できるお薬です。
本来は利尿剤として高血圧の方に処方されているため、低血圧や頻尿といった副作用が出てくる可能性があります。
パントガールは髪のハリやツヤにも効果を発揮するため、きれいな髪を作る上で効果的です。
内服薬単体で使うケースは少なく、外用薬と並行して使われることがほとんどです。
外用薬では、男性の薄毛と同様にミノキシジルを使います。
男性の場合、5%や2%のミノキシジルを使いますが、女性の場合は1%ミノキシジルの使用が推奨されています。
皮膚に直接使用するため、かゆみ、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などの副作用が現れる可能性があり、副作用が発現したらすぐに治療を中止して処方医へ相談しましょう。
ほかにもアデノシン、カルプロニウム塩化物の使用がAGA診療ガイドラインで推奨されています。
女性の薄毛は、FAGAやFPHL、びまん性脱毛症だけでなく、そのほかの全身性疾患などが原因となっていることもあるので、薄毛や抜け毛が気になる場合は一度医師の診察を受けたほうがよいでしょう。
また、女性の場合にはホルモンバランスをはじめ生活習慣の影響も強いため、生活習慣を改善することにも注力する必要があります。
薄毛かもしれないと思った方、改善方法が分からないという方は、一度AGA治療専門クリニックへ相談してみてはいかがでしょうか。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
薄毛対策に関するトピックをお届けします。