生活習慣と予防
前髪をセットする際にどうしても隙間ができてしまったり、以前より毛量が減って扱いにくくなったりなど「前髪が薄い」と感じ始めた場合、もしかしたらそれはAGA(男性型脱毛症)の兆候かもしれません。AGAを発症していた場合、放っておくと前髪だけに留まらず、つむじ周辺の薄毛にまで及ぶ可能性があります。そこで今回のAGAタイムスは前髪が薄い原因とその改善法をご紹介します。

成人男性の場合、前髪が薄い要因として考えられるもののほとんどがAGAだといわれています。AGAの発症には遺伝や生活習慣、ストレスなど様々な原因があるとされていますが、主に男性ホルモンの影響が大きいと考えられています。
AGAは男性ホルモンの一種「テストステロン」が体内の還元酵素「5αリダクターゼ(5α還元酵素)」と結合して生成される、より強力な男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」が「アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)」と結合することによって発症します。
髭や体毛に存在するアンドロゲンレセプターにDHTが結合すると、細胞成長因子「IGF-1」などを生成します。これらの働きは髭や体毛を濃くする働きを持っていますが、前頭部や頭頂部においては脱毛因子と呼ばれる「TGF-β」などが産生され、毛母細胞の増殖を抑制し軟毛化を引き起こす働きを持つことがわかっています。
また髪の毛の成長には「ヘアサイクル」と呼ばれる一定の周期(通常、約2〜6年)があり、このヘアサイクルが健全に機能することによって髪の毛の正常な発育が保たれています。DHTに感受性の強い人の場合、前頭部や頭頂部ではTGF-βなどの脱毛因子が産生されることによってヘアサイクルの成長期が極端に短縮されてしまい、髪の毛が十分に育たなくなるため抜け毛や薄毛が進行すると考えられています。
DHTを生成する5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、主にⅠ型は全身の皮膚や皮脂線に、Ⅱ型は前立腺や髭、前頭部・頭頂部の毛包に存在しています。そのため、前髪やつむじ周辺の薄毛には主にⅡ型の5αリダクターゼが関わっているといわれています。

出典元: AGAヘアクリニック
AGAの進行状態には数種類のパターンと程度が存在します。前頭部の額の生え際から進行するパターン、あるいは頭頂部のつむじ周辺から進行していくパターン、さらには前頭部と頭頂部が同時進行する混合パターンなど様々です。現在では、これらのパターンとAGAの進行レベルで分類された「ハミルトン・ノーウッド分類」が世界基準として設定され、国内の病院でも用いられています。
しかし、日本人の場合は欧米人に比べて頭頂部の薄毛のみが進行するパターンの比率が高い特徴があります。そのためハミルトン・ノーウッド分類にさらにもう1つ段階(Ⅱvertex)を加えた日本特有の分類「高島分類」を用いる病院も多くあります。
前頭部から始まるAGAのパターンは、症状が進行するにつれて前頭部全体の生え際が頭頂部に向かって後退していくパターンや、左右のこめかみの上部の生え際からM字型に後退していくパターンなど、様々な進行パターンがあります。
“前髪が薄い”という自覚がある場合は前頭部の後退が進み、イラストのような経過をたどる可能性が高いです。発症初期の段階であればさほど目立つことはありませんが、症状が進行するにつれて額の面積が広がるため、生え際を前髪で隠したり周りの髪の毛でごまかすことが徐々に難しくなってしまいます。さらに症状が重篤になり頭頂部付近や後頭部にかかる範囲にまで薄毛が広がると、自毛でカバーすること自体が困難になることが考えられます。

出典元: AGAヘアクリニック
ハミルトン・ノーウッド分類を1つの目安として薄毛の進行具合を確かめることができます。しかし、その薄毛の原因がAGAであるかどうかについては、特に薄毛発症初期の場合には自身で見分けることが難しいと考えられます。そこで、一般的に目安となっているAGAのセルフチェック項目をいくつかご紹介します。
上記のチェック項目はあくまでも目安ですが、チェック項目に1つでも心当たりがある場合はAGAを発症している可能性があります。
また、額と前髪の後退の見分けがつかない場合は額の筋肉を動かすことで鏡を見ながら簡易的にチェックすることができます。
シワと生え際までの距離がちょうど指1本分程度であれば薄毛を心配する必要はないでしょう。あくまでも目安になりますが、指2〜3本分の隙間が空いている場合はAGAである可能性も考えられます。これは額の筋肉(前頭筋)が動くと皮膚にシワができるのに対し、頭皮にはシワができないためです。また額と頭皮の皮膚は質感も異なります。ただし、指2〜3本分の隙間が空いていてもAGAではない場合があります。それらを踏まえた上で、セルフチェックの目安として試してみてください。

出典元: AGAヘアクリニック
AGAの原因は男性ホルモンだけではありません。AGAの発症には不摂生な生活や遺伝なども影響していると考えられています。遺伝による影響を未然に防ぐことは難しいとされていますが、不摂生な生活は意識することで改善が可能です。前髪の薄さやつむじ周辺の薄毛、抜け毛の増加が気になる場合は生活習慣を見直すことでAGAの予防に繋がる可能性があります。
食生活が乱れると正常な育毛を妨げる恐れがあるといわれています。髪の毛の成長に必要な栄養素を十分に摂取するためにも、栄養バランスの整った食生活を送るように心がけましょう。また髪の毛の成長に欠かせないタンパク質や亜鉛などを豊富に含む食材を積極的に取り入れることでも正常な育毛に期待が持てるでしょう。
ストレスは自律神経を乱す原因になると考えられています。自律神経が乱れると血圧や血流が変動し髪の毛の発育に悪影響を及ぼす可能性があるため、日頃からストレスを溜め込まないよう意識するとよいでしょう。
ストレスの解消法には個人差がありますが、主に副交感神経の優位な場合がリラックス状態にあるとされています。副交感神経を優位にさせるには、有酸素運動や腹式呼吸による呼吸法を行うこと、自発的な笑いを導くこと、照度の低い緑色の照明を使用することなど様々な方法があります。ストレスが溜まりやすいと感じる場合は、自身の性格やライフスタイルなどに合わせたリラックス方法を見つけてみましょう。
睡眠と髪の毛には深い関わりがあるとされています。睡眠中に分泌が活発になる成長ホルモンには体内に存在する細胞の回復や成長を促す作用があるといわれています。髪の毛も成長ホルモンによって発育が促されるため、睡眠中に成長ホルモンの分泌を活性化させることで正常な育毛に繋がると考えられています。
睡眠中に成長ホルモンの分泌を活性化させるには、質の良い睡眠をとることが重要です。特に成長ホルモンがピークに分泌されるタイミングは入眠後およそ3時間だとされているため、浅い眠りや中途覚醒などは成長ホルモンの分泌にも悪影響が及ぶことがあります。
快眠のためには、睡眠時の照明の照度を低くすることや赤み帯びた照明を使用すること、就寝前にストレッチなどで筋肉を弛緩することなどがよいといわれています。
前髪の薄さにはAGAが関与している可能性が考えられます。改善を望む場合は症状が進行し治療が難航する前に、一度AGA治療専門クリニックなどで医師の診察を受けることをお勧めします。
今回、男性向けのAGAセルフチェック方法をご紹介していますが、AGAか否かの判断は素人の目では難しい場合もあります。AGA治療専門クリニックではセルフチェックとは異なる、医師による医学的な診断を仰ぐことができます。
診察の流れはクリニックによって多少の差はありますが、問診やカウンセラーのヒアリング後に医師による視診やマイクロスコープでの頭髪のチェックなどを行います。そして問診や視診から得た全ての要素を分析した上で、薄毛の可能性を診断する方法が一般的です。
AGAヘアクリニックもAGA治療専門の病院です。男性に多いとされるAGAの治療をはじめ、女性の薄毛治療も行っています。薄毛や抜け毛が少しでも気になった場合やAGA治療に関して疑問や不安がある場合にも、お気軽に当院へご相談ください。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
薄毛対策に関するトピックをお届けします。