生活習慣と予防
入浴後、朝の寝癖直しなど、日々幾度となく繰り返すドライヤー習慣。ドライヤーをかけると洗面台に抜け毛がたくさん落ちている…。といった現象に悩む人も少なくないでしょう。
ドライヤーをかけるとなぜ抜け毛が増えるのか、本当にドライヤーのせいなのか。そんな疑問を抱く方にむけて、今回のAGAタイムスではドライヤーと抜け毛の関係、正しいドライの方法、ドライヤーの選び方などについて解説していきます。

結論からお伝えすると、ドライヤーをかけることが直接的な原因となって抜け毛が増える可能性は極めて低いでしょう。では、なぜドライヤーをかけると抜け毛が増えていると感じやすくなるのでしょうか。
理由としては、以下のような要因が考えられます。
シャンプー後やドライヤーをした後など、浴室や洗面台の排水溝にたまった大量の抜け毛を見てしまうと「もしかしてこのまま薄毛になるのでは…」と心配になることもあるでしょう。
しかし、健康な髪の毛の場合でも頭皮には約10万本の毛穴があり、そのうち約0.1%は日々生えかわっているため、結果的に1日に50~100本程度は抜け落ちている計算となり、その抜け毛の分は再び新しい髪の毛が生えるヘアサイクル(毛周期)を繰り返しているため、この本数の程度の範囲であれば過度に抜け毛を心配する必要はありません。そして抜け毛の多くは他の髪の毛に引っかかったり絡まったりして頭部にとどまっています。それが洗髪やドライなどの際に一気に取れるため、シャンプーやドライヤーのせいで大量に抜け毛が起きているように感じてしまうのです。
ドライヤーで抜け毛が増えたと感じている方のほとんどはこの要因が当てはまるといえるでしょう。
抜け毛の量が明らかに正常な抜け毛の範疇を超えている場合や、抜け毛が細く短いものが多かったり毛根が痩せていたりすると、何らかの病気や栄養失調の疑いがあります。
また毛根にしっぽのようなものが付いていたり、形がいびつであったりした場合も何らかの疾患が関係している可能性があるので、少し気にかけた方がよいかもしれません。
抜けた髪の毛がそのような状態だからといって、必ずしも体に異常が生じているわけではありません。ただし、心当たりがある場合は早いうちに医師の診察を受けることをお勧めいたします。
髪の毛の構造は大きく分けて「メデュラ」「コルテックス」「キューティクル」の3層に分かれており、海苔巻きのような形状になっています。

最も外側に位置するキューティクルは毛先に向かって“うろこ状”に重なっており、髪の毛を外的刺激から守ります。普段はヘアダメージを防ぐためにぴったりとすき間なく張り付いて髪の毛を保護していますが、水に濡れると水分を含んで柔らかくなり、少しの刺激でもはがれやすい状態になります。したがって、髪の毛は雨だけに限らず水に濡れると外部からのダメージを受けやすくなるのです。
キューティクルが開いた状態の毛髪は引っかかりやすくなっているため、髪の毛同士が互いに擦れあい、すでに抜けて留まっていた髪の毛が落ちやすくなります。また絡まりを無理やりほどこうとして引っ張るうちに、まだ抜けていなかった髪の毛が抜けてしまう可能性も考えられるため、シャンプーやドライヤー時の髪の毛の扱いには注意が必要です。
ドライヤーは、かけ方次第で頭皮や髪の毛のダメージにつながる可能性があります。例えば、乱暴な手ぐしで頭皮が傷つく、髪の毛が乾いたあとも熱風を当て続けてしまい髪の毛が傷むといったケースが考えられます。
髪の毛は、100℃以上の加熱の繰り返しで毛髪内部のタンパク質が部分的に変性して空洞ができてしまいます。うねりや枝毛、切れ毛などが生じやすいダメージヘアへと発展する可能性もあるので、頭皮や髪の毛の健康のためにも適切なドライヤーのかけ方を心得ておくことが大切です。
ここまで“ドライヤーで抜け毛が増えたように感じる理由”や“ドライヤー習慣の注意点”などについて説明してきました。ドライヤーをかける際に気をつけるべきことは諸々ありますが、では「ドライヤーをかけないのがベストか」というと、そうではありません。
ドライヤーを用いたヘアドライは、そのリスク以上に髪の毛や頭皮にとってメリットがある大切な習慣です。むしろ、髪の毛をしっかり乾かさずに自然乾燥させることのほうが髪の毛や頭皮にとっては良くないと考えられます。その理由は、以下の通りです。
ここまでにお伝えしたような事態を避けるためにも、ドライヤーを用いたヘアドライの徹底はとても重要になります。では、健やかな頭皮や髪の毛のためにはどのような方法を用いればよいのでしょうか?
こちらの章では、髪の毛や頭皮を労わるための適切なドライ方法について説明していきます。ぜひ毎日のドライヤー習慣の参考にしてみてください。
まず、ドライヤーをかける前にタオルでしっかり頭皮と髪の毛の水分をふき取ります。タオルでゴシゴシ拭くと摩擦で髪の毛にダメージを与えてしまうため、タオルで頭部や髪の毛をやさしく押すようにしましょう。
タオルドライ後はブラッシングをして、絡まった髪の毛をほどいておきます。ドライヤーで熱を加えながら髪の毛をブラッシングすると刺激になりやすいため、必ずドライヤーをかける前にブラッシングしてください。
しかしながら先述の通り濡れた髪の毛はダメージを受けやすい状態なので、擦れによる刺激を減らすために目の粗いブラシを用いたり、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)などを併用するのがおすすめです。この際、熱から髪の毛を守る効果があるアウトバストリートメントを選ぶと、その後のドライでのダメージ軽減にも役立ちます。頭皮に塗るとべたつきの原因になるので、髪の毛だけに塗ることを意識しましょう。
根元部分の髪の毛は毛先に比べて密度が高く乾きづらいため、まずは頭皮に近い場所から乾かしていきます。手を使って髪をかき分けながら、しっかり根元にドライヤーの風が届くように乾かしましょう。
根元がある程度乾いたら、その後は中央、毛先の順番で温風を当てていきます。この時、温風で髪の毛を熱しすぎないようドライヤーは髪から20cmほど離すのがコツ。一か所に長くあてすぎないように頭全体にまんべんなくドライヤーをかけてください。
全体的に髪の毛が乾いたら、最後に冷風をあてて頭部の熱をとります。頭皮にこもった熱は頭皮の乾燥やヘアダメージを助長させる要因にもなるため、冷風で温度を下げて頭部をクールダウンさせてください。
髪の毛が広がりやすい方やハイダメージの方など、ドライ後の髪の毛の乾きが気になる方はこのタイミングで再度アウトバストリートメントを活用して保湿ケアするのもよいでしょう。
抜け毛を助長させない健やかな育毛環境のためには、適切なドライヤー習慣だけでなく、適切なドライヤー選びも重要です。とはいえ、何を基準に選べば良いか分からない人も少なくないでしょう。この章では、ドライヤー選びのポイントについて紹介していきます。
ドライヤーは製品によってさまざまな機能を備えています。マイナスイオン機能、低温で髪の毛を乾かすヘアケア(スカルプ)モード、遠赤外線機能、自動温度調節機能など、多様な用途にフィットする機能があるため、自身の目的やお悩みに合わせて選ぶとよいでしょう。
一般的なドライヤーの風量は「1.3㎥分」程度といわれていますが、中にはそれ以上の風量が出せるものも存在します。風量が強いほど早く乾かすことができるため、長時間温風を当てることによる乾燥、髪の毛や頭皮へのダメージの軽減に役立ちます。
風量の強さを調整できるドライヤーを選ぶことで、短時間で髪の毛を乾かせるようになるため、ドライヤー選びの際は風量が「1.3㎥分」以上あるかを基準に見るとよいでしょう。
ドライヤーは一定の時間、持ち上げながら顔の近くで使うため重さや音にも注意したほうがよいでしょう。
一般的に使いやすいと感じられるドライヤーは本体の重さが600g以下、音量は75dB以下の製品といわれています。この数値を基準として風量などほかの機能性も見つつ、できるだけ軽くできるだけ静かなタイプのドライヤーを選ぶと、毎日のドライヤー習慣がより快適になるのではないでしょうか。
はじめに説明した通り、ドライヤーが直接的な抜け毛の原因になることはほとんどないといえるでしょう。とくにヘアサイクルに異常がなく、抜け毛が起きていない人でも洗髪やドライヤーの際に抜け毛が増えた様に感じることはよくあります。
ただし、1日50~100本を基準として明らかに抜け毛が多い、もしくはこれまでと比較して抜け毛の量が異常に増えているなどの場合は、ドライヤーなどの習慣ではなく、頭皮の疾患などが原因で抜け毛が起こっている可能性が考えられます。このような事態が生じた際は、一度しっかり現状を把握するためにも皮膚科や薄毛治療専門のクリニックを受診した方がよいでしょう。
AGAヘアクリニック(以下、当院)では、診察・カウンセリングを無料で実施しています。患者様お一人おひとりにあった治療方針を提案し、薄毛の進行状況に合った治療薬を処方しているため「薄毛治療の専門病院は初めて」という方も安心してご来院いただけます。少しでも気になることがある方は、ぜひ一度当院に足を運んでみてください。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
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