生え際の後退はAGA? M字型の薄毛(M字ハゲ)の原因や治療法を解説

生え際の後退で起きる薄毛とは?

生え際が後退してM字型の薄毛(M字ハゲ)になることがあります。M字型の薄毛(M字ハゲ)とは、一般的に生え際が剃り込みのように後退して正面から見た時の額の形が「M」に見える状態のことをいいます。

M字型の薄毛(M字ハゲ)の目安として、おでこと頭皮の境界線を知ることで、M字型の薄毛(M字ハゲ)に該当するかどうかを簡単にチェックすることができます。自分がM字型の薄毛(M字ハゲ)かどうか気になる方は鏡を用意し、前頭部を見ながら以下のようにやってみましょう。

(1)目を見開いて眉毛を上に動かし、おでこにシワをつくります
(2)おでこにできた一番上のシワ(生え際に最も近い位置にできたシワ)が、おでこと頭皮の境界線の目安になります
(3)おでこにシワを作った状態のまま、一番上のシワ(頭皮とおでこの境界線)と生え際の間に1本指を置いてみましょう
★ちょうど指1本分程度であれば薄毛の可能性は低いといえます
★指2本分、3本分と隙間が空いている場合はM字型の薄毛(M字ハゲ)に該当する可能性が高まります
★このセルフチェックはあくまでも目安です。気になる場合は一度、医療機関で診察を受けましょう
生え際の後退で起きる薄毛とは?

M字型の薄毛(M字ハゲ)の原因

M字型の薄毛(M字ハゲ)の原因としては、AGA(男性型脱毛症)と牽引性(けんいんせい)脱毛症の二つの疾患が考えられます。

AGA(男性型脱毛症)

AGAは主に男性ホルモンに起因して発症する、成人男性に多くみられる脱毛症の一種です。男性ホルモン以外にも遺伝や生活習慣などさまざまな要因が関わっていると考えられています。

AGAは一般的に額の生え際や頭頂部のつむじ周辺から薄毛や抜け毛が進行するとされているため、M字型の薄毛(M字ハゲ)の原因として考えられます。またAGAは進行性の脱毛症であるため、時間をかけて少しずつ薄毛の症状が進んでいくのが特徴です。

牽引性脱毛症

M字型の薄毛(M字ハゲ)の原因がAGAでない場合、牽引性脱毛症の可能性があります。

牽引性脱毛症は特定の髪型や分け目などによって髪の毛が継続的に長時間引っ張られ、毛根や頭皮に負荷がかかることで脱毛が生じる疾患です。血液が頭皮の細胞に栄養や酸素を運ぶ役割を持っているため、毛根や頭皮への負担による血行不良が要因の一つとして考えられます。

特に髪の毛を強く結ぶ髪型やいつも同じ髪型をしている場合、頭皮に重みのかかるエクステやウィッグ、ヘアアクセサリーを常用している場合などに起こりやすいとされています。

AGAの場合、M字型の薄毛(M字ハゲ)は進行する

AGAの主な原因といわれている男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン(DHT)」は、精巣や副腎から分泌される男性ホルモンの「テストステロン」と体内の還元酵素「5αリダクターゼ」が結びついて生成されます。

DHTが前頭部や頭頂部の毛乳頭にある男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結合すると、「TGF-β」と呼ばれる脱毛因子が増加します。

通常、髪の毛は2〜6年ほどかけて太く強く成長し、その後に抜け落ちて新しい髪の毛に生え変わります。しかしDHTが過剰に生成され、TGF-βなどの脱毛因子が増加すると髪の毛の成長する周期「ヘアサイクル」が短縮されてしまい、髪の毛が成長しきれずに柔らかく短い髪の毛の状態で抜け落ちます。その結果、細く短い髪の毛ばかりが生えてくるようになり、薄毛へと進行するのです。

M字型の薄毛(M字ハゲ)の場合、特におでこの生え際部分の毛根部でDHTが過剰に生成されている可能性があります。

先述のとおり、AGAは進行性の脱毛症であるため、早めの対策をとるためにも薄毛治療専門のクリニックなどを受診して治療を開始するのが薄毛改善への近道といえるでしょう。

AGAの治療方法

M字型の薄毛(M字ハゲ)、AGAの治療方法には投薬治療や外科的治療があります。

投薬治療

M字型の薄毛(M字ハゲ)、AGAの投薬治療に用いられる治療薬には主に薄毛の進行を抑制し“現在の髪の毛の状態を維持する”ための薬と、発毛作用によって“髪の毛を生えさせる”ための治療薬があります。

また用いられる治療薬には内服薬と外用薬がありますが、内服薬または外用薬のどちらかのみが処方されるケースや内服薬と外用薬を併用するケースなど、薄毛の進行具合や患者様のご希望によって用いる治療薬は異なります。

M字型の薄毛(M字ハゲ)、AGAの投薬治療に用いられる、薄毛の進行を抑制して“現在の髪の毛を維持する”治療薬には「デュタステリド内服薬」と「フィナステリド内服薬」の2種類が、新しい髪の毛を生えさせる治療薬には「ミノキシジル外用薬」と「ミノキシジル内服薬」があります。

デュタステリド内服薬

AGAの主な原因であるDHTと呼ばれる男性ホルモンは「5αリダクターゼ」という酵素が男性ホルモンの一種「テストステロン」に影響することで生成されます。デュタステリドは、5αリダクターゼの働きを抑制することでDHTの生成を阻害し、AGAを改善する治療薬です。

5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類がありますが、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型の両方を抑制する効果が期待できます。またⅠ型は主に全身の皮脂腺に、Ⅱ型は前頭部・頭頂部の毛乳頭や前立腺に多く発現していることが分かっており、このうちAGAには主にⅡ型の5αリダクターゼが関係していると考えられています。

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フィナステリド内服薬

デュタステリドと同じような作用をもたらす有効成分として「フィナステリド」があります。デュタステリドがⅠ型とⅡ型の5αリダクターゼの両方を抑制する一方で、フィナステリドはⅡ型にのみ作用し、AGAの進行を抑制します。

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ミノキシジル外用薬

ミノキシジルはもともと高血圧などの疾患に対し、血圧を下げるための「降圧剤」として開発された薬剤です。しかし副作用として「多毛」があらわれたことから髪の毛の発毛剤としての開発が進み、AGAの標準的治療薬として用いられるようになりました。

降圧剤として使用されていたため血管拡張作用を持つミノキシジルですが、ミノキシジル以外の血管拡張剤では同様の発毛効果が得られないことなどから、“血流改善効果によって発毛を促す”わけではないと考えられています。

ミノキシジルには髪の毛の根元に存在する“毛乳頭”を活性化させる増殖因子「IGF-1」「VEGF」などの産生を亢進させる働きや、髪の毛を生成する「毛母細胞」に作用してヘアサイクルを延長する働きがあるとされており、これらの効果によって髪の毛が十分に太く長く成長し、高い薄毛改善効果が得られるとされています。

ミノキシジル外用薬は直接頭皮に塗布して使用する治療薬です。そのため重篤な副作用が出る可能性は極めて低いといわれており、国内でも使用が推奨されているほか、厳しい評価基準が定められ世界的にも信頼度の高い「アメリカ食品医薬品局(FDA)」でもAGA治療薬として認可されている薬剤で、女性でも使用が認められています。

ミノキシジル内服薬

ミノキシジル内服薬は外用薬とは異なり、有効成分が体内から毛乳頭へと作用します。ミノキシジル内服薬の発毛メカニズムはミノキシジル外用薬と同様ですが、体内から作用する内服薬の方が発毛効果や成分の吸収率が高いと考えられています。しかし内服薬は外用薬に比べて副作用の出る可能性が高く、医師による処方が必要な治療薬です。

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外科的治療

M字型の薄毛(M字ハゲ)、AGAは投薬治療のほかに針などを用いる外科的治療があります。国内では推奨されていない治療法もありますが、外科的治療には主に自毛植毛やメソセラピー、HARG療法などがあります。

自毛植毛

薄毛や抜け毛が気になる部分に自身の頭皮から採取された毛組織(ドナー)を移植する方法です。このドナーは薄毛が進行していない後頭部などから健康な毛根ごと(頭皮ごと)採取します。

現在の主な施術方法は2種類あり、メスで毛組織を皮膚ごと切り取るFUT法と、パンチと呼ばれる鋭利な筒状の刃物で1株(毛穴一つ分の毛包)ずつ毛組織を採取するFUE法があります。

移植した毛組織がきちんと生着すれば薄毛が進んでいない部分の髪の毛と同じように成長するため、薄毛が改善されていきます。自毛植毛はドナーに自分自身の毛組織を使用しているため拒絶反応が少なく、生着率が高いことが特徴といえます。

自毛植毛は局所麻酔中毒に伴う不整脈や術後の血腫、創感染、一過性の頭皮の知覚異常などの合併症のリスクが懸念されていますが、医療技術の進歩によってこれらのリスクは近年徐々に軽減しています。しかし、少なからずリスクは存在していることは知っておいた方がよいでしょう。

メソセラピー

メソセラピーは注射を使用して患部に直接有効成分を注入する治療方法で、主に痛みの治療としてスポーツ学、リハビリ医学、リウマチ学などにおいて用いられていました。現在ではAGAなどの脱毛症のほか、加齢によるしわ、局所の脂肪やセルライトの除去など美容医学の治療法としても応用されています。

AGA治療においてのメソセラピーは頭皮に注入する成分に特に決まりはありません。多くの場合はミノキシジルなどの有効成分や成長因子、栄養素などを頭皮に直接注入しますが、クリニックごとに配合成分は異なります。

また現時点ではメソセラピーはあくまでもフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどの投薬治療の補助的役割として使用されています。

AGA治療に使用されるメソセラピーの主な成分
■ミノキシジル・・・発毛を促す効果
■フィナステリド・・・AGAの進行を抑制する効果
■IGF(インスリン様成長因子)・・・毛母細胞の増殖を促し、髪の毛の成長をサポートする効果
■VEGF(血管内皮細胞増殖因子)・・・血管を分岐させ、髪の毛に栄養が届きやすくし成長をサポートする効果
■KGF(ケラチン細胞増殖因子)・・・髪の毛の成長促進、頭皮環境を整える等の効果
■タンパク質・・・髪の毛の土台、また健やかな成長をサポートする効果。
■ビタミン類・・・髪の毛を生成に欠かせない栄養素の吸収をサポートする、頭皮の血行を促進し頭皮環境を整える等の効果
■ヒアルロン酸・・・保湿効果により頭皮環境を整える効果

HARG療法

HARG療法はメソセラピーの一種に分類される治療方法で、髪の毛の成長を促す脂肪由来の幹細胞から抽出した「AAPEパウダー」と呼ばれる成長因子を頭皮に注入することで発毛を促します。AAPEパウダーには150種類以上の成長因子が含まれています。

HARG療法は成長因子を直接頭部に注入し、毛包を回復させることによって髪の毛を生成する毛母細胞を活性化させて発毛を促します。HARG療法において頭皮に注入する成長因子の成分はさまざまで、個人の症例に合わせて成分の配合を変えることができます。

また、HARG療法はAGAに起因する男性ホルモンを抑制するわけではなく髪の毛の再生を促す治療法であり、効果が実感できるまで時間がかかるほか、術後に多少の痛み、出血、患部周辺の赤み、腫れ、かゆみ、内出血、感染症など様々な副作用が生じることも考えられます。

生え際が気になったらAGA専門クリニックを受診しよう

生え際が後退してM字型の薄毛(M字ハゲ)が気になってきたら、AGAによる薄毛を発症している可能性が高いといえます。改善を望む場合は早めに薄毛治療専門クリニックなどを受診し、治療方法などを医師と相談するとよいでしょう。

AGAヘアクリニック(以下、当院)も薄毛治療専門クリニックですので、生え際が後退したM字型の薄毛(M字ハゲ)の治療にも対応しております。当院では投薬治療を推奨しているため、デュタステリドやフィナステリド、ミノキシジルなどの治療薬を取り扱っており、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しております。診察やカウンセリングは何度受けても無料なので、まずは薄毛に対する不安やお悩みなどをお気軽にご相談ください。

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