主にAGA(男性型脱毛症)の治療薬として用いられている「ミノキシジル」には男女を問わず発毛効果があり、剤形としては二種類、外用薬と内服薬があります。
ミノキシジル内服薬はもともと血圧を下げる「降圧剤」として1979年から欧米で使用されてきた血管拡張作用のある薬剤ですが(本邦では承認されていません)、副作用として「多毛」があらわれたことから発毛剤としてミノキシジル外用液の開発が進められ、現在ではミノキシジル外用液は代表的なAGA治療薬のひとつとしての地位を確立しています。
ミノキシジル内服薬には末梢血管を拡張することによる降圧効果があります。末梢血管拡張効果に伴う末梢循環の改善によって、育毛に必要な酸素や栄養素が毛乳頭まで届きやすくなることにより発毛が促されると考えられていましたが、他の血管拡張剤では同様の発毛効果が得られないことが確認されたため、現在この考え方は否定的とされています。
ミノキシジル外用薬は、日本皮膚科学会が発表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版(以下、ガイドライン)」で男女ともに推奨度の最も高い、推奨度Aに位置付けられているAGA治療薬です。
ミノキシジルには髪の毛の根元にある毛乳頭を活性化させる増殖因子「IGF-1」や「VEGF」などの産生を亢進させる働きや、髪の毛を生成する「毛母細胞」に作用し、ヘアサイクルを延長させる働きがあります。ミノキシジルによって発毛が促進されるメカニズムはこれらのほかにも多数の機序が関与されていると考えられており、現時点ではまだ完全には解明されていませんが、ミノキシジルを長期的に継続することで髪の毛が太く長く成長し、高い増毛効果が得られます。
ミノキシジルは男性のみならず、女性の薄毛治療にも有効です。現在、女性の薄毛治療でガイドラインによる最も高い推奨度である推奨度Aを保持する治療薬はミノキシジル外用薬のみとなります。
一方、ミノキシジル内服薬は外用液と比較すると安全性が確立されておらず、ガイドラインにおいては男女ともに推奨されていませんが、治療方針によっては医師の指導のもと処方されることがあります。
ミノキシジル外用薬および内服薬は、AGA治療専門クリニックで処方してもらうことが可能です。
ミノキシジル外用薬のミノキシジル含有量は製品や受診するクリニックによって濃度が異なり、1%、5%、15%など様々ですが、ガイドラインにおいての女性の薄毛治療に関する適切なミノキシジル濃度は1%とされています。
ただし医師の診察を受けた上で使用する場合は、医師の適正な判断によってミノキシジル濃度1%以上の外用薬が用いられる場合があります。また、海外の女性の薄毛患者を対象とした研究では、1%よりも5%のミノキシジル外用薬を使用した場合の方が、高い女性の薄毛改善効果があらわれたという報告があります。
ミノキシジル外用薬については女性への重大な副作用はないとされていますが、使用する際の注意点がいくつかあります。
ミノキシジル外用薬には市販薬もあり、様々な濃度のものが売られています。しかし医師の診察を受けていない場合は、万が一の副作用に瞬時に応じることができないなどのリスクがあります。
医師の処方により使用する場合は比較的安全ですが、個人の判断で女性が市販の高濃度ミノキシジル外用薬を使用するのは避けた方がよいでしょう。
女性が妊娠中または授乳中の場合は、胎児や赤ちゃんに対するミノキシジルの安全性が不明であるため、ミノキシジル内服薬、外用薬ともに使用できません。 現在妊娠をしていないが、近いうちに妊娠する可能性が高い場合は、まだ気づかれない妊娠初期に薬剤が胎児に影響を与えてしまう可能性があるため、ミノキシジル内服薬は使用しないようにしましょう(妊娠が判明していない期間にミノキシジル外用薬を使用することにつきましては、決まったルールはありませんが、おそらく安全と考えられています)。
ミノキシジルは未成年者への安全性が確立されていないため、未成年者は使用できません。
ミノキシジル内服薬、外用液それぞれで副作用の発症具合が異なります。ミノキシジル内服薬は濃度にもよりますが、一定の割合で副作用のリスクがありますので、原則として安全な治療を継続するためには医師の監督下で内服する必要があります。
ミノキシジル外用液による副作用発症率は低いとされていますがゼロではありません。きちんと副作用の可能性について理解した上で治療を行うことが大切です。
治療開始の初期段階でみられる抜け毛の増加を「初期脱毛」といいます。初期脱毛は、ミノキシジルを使用した薄毛治療を行う上で多くの人にみられる副作用で、個人差はあるものの、使用開始後約2週間から8週間ほどで起こる可能性があります。
初期脱毛が生じるメカニズムには「ヘアサイクル」が関係しています。ホルモンバランスの乱れなどの影響で休止期になっていた毛包が治療薬によって成長期へ移行することで、古い髪の毛が新しい髪の毛に押し出されるため脱毛が起こります。初期脱毛は一般的に4〜8週間程度で改善するとされており、治療を継続していけば髪の毛は生えてきます。初期脱毛はミノキシジルが効いている証拠でもありますので、一時的な症状であると理解して過度に心配をせずに治療を続けるようにしましょう。
ミノキシジル内服薬の副作用として動悸や息切れの副作用が起こる可能性があります。またミノキシジルはもともと降圧剤であることから、血圧が不安定な方や心臓疾患がある方などでは、心機能障害や不整脈が増悪する可能性があります。これらは稀な副作用ではありますが、低血圧の方や高血圧で降圧剤を服用中の方、心臓に障害のある方は、ミノキシジルの服用に際して必ず医師に相談してください。
ミノキシジルの持つ血管拡張作用により毛細血管が拡張することで、頭痛が引き起こされる可能性があります。また毛細血管が拡張して血圧が低下するとめまいを感じる場合もあります。ミノキシジル内服薬の使用開始後に頭痛、めまいなどの症状が現れた場合は必ず医師に相談しましょう。
その他の副作用としてミノキシジルを使用すると身体にむくみの症状が現れる場合があります。これはミノキシジルの影響による腎機能からのナトリウム排泄低下に伴う疾患として起こるむくみ(二次性浮腫)です。また、稀に心機能の低下に伴うむくみが起こることもあります。この場合には放っておくと心不全や心筋梗塞などを招く恐れもあるため、少しでも違和感を感じたらすぐに処方された医師へ相談してください。
ミノキシジルを服用した場合、毛髪だけでなく全身の体毛にも発毛効果が認められます。多毛の症状は治療薬が効いている証拠であるため、あまり心配する必要はありませんが、気になる方は医師に相談して他の治療法を検討してもよいでしょう。
ミノキシジル内服薬は肝臓で代謝される治療薬であるため、体質によっては肝臓に負担がかかる可能性があります。肝機能障害の副作用は極めて稀であると考えられていますが、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、何か異常が起きたとしても自覚症状はほとんどないため、服用にあたっては定期的に血液検査を行い、肝臓の状態を継続的に確認しておくことが大切です。
ミノキシジルの稀な副作用として狭心症などの心疾患の事例も報告されています。狭心症は冠動脈が狭くなり一時的に心筋への血流が不足した状態を指し、胸痛や息切れなどの症状がみられます。これはミノキシジルの副作用である頻脈に起因して、もともと冠動脈が狭かった方の場合に、頻脈に伴う心筋の酸素消費量の増加と、狭い冠動脈を通過して心筋に酸素を供給する能力とのミスマッチが発生し、相対的に心筋への酸素供給量が足りなくなるため起こるとされています。しかし、報告数は少なく、起こる可能性は極めて低いとされています。狭心症の他には、心筋梗塞や心不全の副作用もごく稀に報告されていますが治療薬との因果関係は不明です。
ミノキシジル外用薬でも、前述した初期脱毛が起こる可能性があります。
外用薬使用による皮膚トラブルも副作用として報告されています。搔痒感(そうようかん)、発赤(ほっせき)、落屑(らくせつ)、毛包炎、接触性皮膚炎などの症状がみられる可能性があります。発現率は高くないものの、肌に合わないと感じた場合は医師に相談の上、使用の継続可否を判断してもらいましょう。外用薬の使用中止を勧められた場合は、他の治療方法を検討することも可能です。
AGAヘアクリニックでは、患者様お一人おひとりにあった治療法を適正価格でご提案させていただいております。治療費は1,800円からご利用可能で、お支払いは現金または各種クレジットカードで承っております。
MINOCK
(ミノキシジル配合内服薬)
10,000
円
オンライン診療価格
9,000
円
ミノキシジル内服薬は血中より毛球部分にある毛乳頭を辿って効果をあらわします。内服薬は体内の血中から薬効を発揮するため、外用薬よりも高い発毛効果が期待できるといえます。
MINOCK LIQUID
(ミノキシジル配合外用薬)
13,000
円
オンライン診療価格
12,000
円
ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接塗布させるタイプのAGA治療薬です。有効成分が皮膚の中に浸透(直接浸潤)して毛根まで届くことで効果を発揮します。内服薬との併用で、より発毛効果を実感していただけます。
AGA治療薬の他にも、女性専用内服薬、毛髪成分サプリメント、オリジナルシャンプーなどの取り扱いがございます。各種費用や検査費用、お支払い方法の詳細はこちらをご覧ください。
現在は薬局だけでなく、個人輸入でも簡単にミノキシジル外用薬や内服薬を手に入れることが可能です。しかし、個人輸入によるミノキシジルの使用は、粗悪品リスクがあることと、使用後に医師が体調の変化を継続的に確認する事が困難であることから推奨されていません。ミノキシジルは医師の指導のもと安全に使用することで薄毛改善につながりますので、必ず医師に相談するようにしましょう。
ミノキシジルは薬剤に様々な形状・濃度があることから、医師の診察を受けた上で現在の症状に合った治療薬を処方してもらうことが好ましいです。また女性の薄毛には様々な疾患が関わっている可能性も考えられますので、原因をしっかりと追求する必要があります。
AGAヘアクリニックは男性だけでなく、女性の薄毛のお悩みにも対応している薄毛治療専門のクリニックです。女性向けのミノキシジルだけでなく、世界で初めて女性の薄毛に効果が認められた薄毛治療薬「パントガール(Pantogar)」も処方しています。
カウンセリングおよび診察は何度でも無料で行なっており、診察室は全室個室を完備しているため女性の方でも安心して治療をお受けいただけます。女性向けのミノキシジルやパントガール(Pantogar)を使用したい方や、薄毛や抜け毛、髪の毛のボリュームなどが少しでも気になる方はぜひ一度、当院へお越しください。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
薄毛対策に関するトピックをお届けします。