AGA予防・対策

タンパク質不足でAGAに?タンパク質と薄毛の関係とは?

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髪のボリュームが減ったり、抜け毛が増えたりと年齢を重ねるにつれて髪に関する悩みが増えてきた…そんな方も多いのではないでしょうか。「もしかして原因はタンパク質不足?」と考え、薄毛対策にタンパク質の摂取を検討している方もいるかもしれません。

この記事ではタンパク質と薄毛の関係について詳しく解説し、薄毛改善に効果的な食事法やサプリメント、さらに専門医による治療の重要性についてご紹介します。

目次

    タンパク質と薄毛の関係;薄毛に与える影響とは

    実は髪の成分の約80%は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質でできており、これが髪の強さや美しさを支えています。髪の毛は私たちの身体の状態を映し出す鏡のような存在です。

    タンパク質は筋肉や臓器、血液など、私たちの身体を作るために欠かせない栄養素ですが、髪の毛にとっても非常に重要です。

    タンパク質が不足するとどうなるのでしょうか? これは家を建てるのに必要なレンガが足りない状況に似ています。レンガがなければ家は完成しませんよね? 同じようにタンパク質が不足すると髪の毛は十分に成長できず、細く弱々しいものになってしまいます。

    タンパク質不足が薄毛を引き起こす具体的なメカニズム

    タンパク質不足が薄毛を引き起こす具体的なメカニズムとして、以下の3つが挙げられます。

    1. 毛母細胞の活動低下: 毛母細胞は髪の毛の成長に欠かせない細胞です。タンパク質が不足すると毛母細胞は十分なエネルギーを得られず、活動が低下してしまいます。その結果、髪の毛の成長が遅くなり、薄毛につながってしまうのです。
    2. ヘアサイクルの乱れ: 健康な髪の毛は、成長期、退行期、休止期というサイクルを繰り返しています。しかしタンパク質が不足すると、このサイクルが乱れてしまい、成長期が短縮し、休止期が長くなってしまいます。その結果、髪の毛が十分に成長しないまま抜け落ちてしまい、薄毛につながってしまうのです。
    3. 頭皮環境の悪化: 頭皮は髪の毛の成長を支える土壌のようなものです。タンパク質が不足すると、頭皮の新陳代謝が低下し、頭皮環境が悪化してしまいます。乾燥、過剰な皮脂分泌、血行不良など、頭皮環境の悪化は毛母細胞の活動やヘアサイクルにも悪影響を与え、薄毛を促進してしまうのです。

    科学的根拠に基づくタンパク質の重要性

    タンパク質を摂取したからといって、薄毛が治るわけではありません。しかし、髪の毛の成長にはタンパク質が必要不可欠であり、タンパク質の不足は薄毛に影響を与えるという点は多くの研究によって裏付けられています。

    例えば、ある研究ではタンパク質摂取量が少ない人ほど、薄毛のリスクが高いという結果が出ています。これはタンパク質が不足すると、髪の毛の成長に必要な栄養素が不足し、毛母細胞の活動が低下するためだと考えられています。

    また別の研究では、タンパク質を十分に摂取することで、薄毛の予防や改善効果が期待できるという結果も報告されています。これはタンパク質が毛母細胞の活動を活性化し、ヘアサイクルを正常に保つ効果があるためだと考えられています。

    これらの研究結果からも、健康な髪の毛を維持するためには、タンパク質をしっかりと摂取することが重要であると言えるでしょう。

    AGAとタンパク質摂取量の関連性;治療への影響

    AGAとタンパク質の関係については、まだはっきりと解明されていない部分も多いです。しかしタンパク質をしっかり摂ることは、健康な髪を育むためにとても大切です。ここではAGAとタンパク質の関係について詳しく見ていきましょう。

    AGAの発症リスクを高める要因

    AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンの影響を受けて発症する脱毛症で、遺伝的な要因が大きく関わっています。しかしそれ以外にも生活習慣や環境要因など、様々な要因が複合的に影響していると考えられています。

    例えば、食生活の乱れはAGAの発症リスクを高める可能性があります。髪の毛の成長には、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラルなど様々な栄養素が必要です。しかし偏った食生活を続けているとこれらの栄養素が不足し、髪の毛の成長サイクルが乱れてしまうことがあります。

    また食生活以外にも睡眠不足やストレスなどもAGAの発症リスクを高めると考えられています。睡眠不足やストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、血行不良や頭皮環境の悪化を引き起こす可能性があります。

    AGAは男性ホルモンの影響が大きいとされていますが、これらの生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れるとAGAの発症を促進したり、症状を悪化させたりする可能性があるのです。

    さらに喫煙もAGAのリスクを高める要因の一つです。喫煙は血管を収縮させる作用があり、頭皮への血流を悪化させる可能性があります。頭皮への血流が悪くなると、毛根に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなり、髪の毛の成長が阻害されてしまうのです。

    このようにAGAの発症には遺伝的要因だけでなく、様々な要因が複雑に絡み合っています。AGAを予防し、健康な髪の毛を維持するためにはバランスの取れた食生活を心がけ、十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにすることが大切です。

    要因AGAへの影響
    遺伝的要因AGAの発症に大きく関与
    男性ホルモン毛髪の成長サイクルを乱す可能性がある
    食生活の乱れ髪の毛に必要な栄養素が不足する可能性がある
    ストレスホルモンバランスを乱し、血行不良を引き起こす可能性がある
    睡眠不足ホルモンバランスを乱し、細胞の修復を妨げる可能性がある
    過度な飲酒ビタミンやミネラルの吸収を阻害する可能性がある
    喫煙血行不良を引き起こし、頭皮環境を悪化させる可能性がある

    効果的なタンパク質摂取量について

    では実際にどのくらい摂取すれば良いのでしょうか?

    日本人の成人男性の場合、1日に必要なタンパク質摂取量の目安は約60gとされています。これは体重1kgあたり約1gに相当します。しかしこれはあくまでも目安であり、運動習慣や年齢、健康状態によって個人差があります。

    例えば、激しい運動をする人は、筋肉の修復や成長のためにより多くのタンパク質が必要となります。また成長期の子どもや妊娠中、授乳中の女性も多くのタンパク質を必要とします。

    タンパク質は様々な食品に含まれていますが、その中でも特に薄毛改善に効果が期待できる食品を具体的な例を挙げながらご紹介します。

    食品群食品例1日に必要な摂取量の目安ポイント
    肉類鶏むね肉(皮なし)、豚ヒレ肉、牛赤身肉、レバー100g程度鉄分も豊富なので、貧血気味の方にもおすすめ!
    魚介類マグロ、鮭、カツオ、サバ、イワシ、サンマ1切れ(約80g)DHAやEPAなどの良質な脂質も摂取できます。
    鶏卵1~2個ビタミンやミネラルなど、髪の成長に必要な栄養素をバランス良く含んでいます。
    大豆製品納豆、豆腐、油揚げ、高野豆腐1パック(納豆1パック、豆腐1/2丁、油揚げ1枚、高野豆腐1/4枚程度)植物性タンパク質なので、コレステロールが気になる方にもおすすめです。
    乳製品牛乳、ヨーグルト、チーズ牛乳コップ1杯(200ml)、ヨーグルト1カップ、チーズ30g程度カルシウムも豊富なので、骨の健康にも役立ちます。

    このようにタンパク質は、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。これらの食品をバランスよく摂取することが大切です。

    例えば、朝食に卵料理、昼食に豆腐ハンバーグ、夕食に魚の塩焼きなど意識するだけでも、大きな違いが生まれます。

    「毎日忙しくて、自炊する時間がない…」という方はコンビニやスーパーで売られているサラダチキンやヨーグルトなど、手軽にタンパク質を摂取できる食品を選びましょう。

    毎日の食事を見直し、不足しがちなタンパク質を補うことで、髪の毛だけでなく体全体の健康にも繋がります。

    治療とタンパク質摂取のバランス

    AGAの治療には、飲み薬や塗り薬など様々な方法があります。これらの治療法と並行して、バランスの取れた食事から十分なタンパク質を摂取することは、健康な髪の毛の成長をサポートするために重要です。

    AGA治療を受けている方は、担当医に食事内容やタンパク質摂取量について相談してみるのも良いでしょう。

    例えば、脂肪分の多い食事はAGAの原因となる男性ホルモンの分泌を促進する可能性があります。そのためAGA治療中は、脂肪分の多い食事を控えるように心がけることが大切です。

    またインスタント食品や加工食品は添加物が多く含まれているため、頭皮環境に悪影響を与える可能性があります。これらの食品を控えることもAGA治療中は意識してみましょう。

    近年注目されている再生医療においても、毛髪再生にタンパク質の重要性が示唆されています。

    毛髪再生は失われた髪の毛を再び生やすことを目的とした治療法ですが、そのメカニズムにおいて、毛乳頭細胞と呼ばれる細胞が重要な役割を担っています。

    毛乳頭細胞は毛髪の成長を促進する様々な成長因子を分泌しており、毛包の成長サイクルを調節しています。

    近年の研究ではこの毛乳頭細胞の働きを活性化させるために、Wntシグナル伝達経路と呼ばれる細胞内の情報伝達経路が重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。

    Wntシグナル伝達経路は、細胞の増殖や分化、細胞間のコミュニケーションなど、様々な細胞プロセスに関与する重要な経路です。

    そしてこのWntシグナル伝達経路の活性化を促進する物質として、タンパク質が挙げられます。

    つまりタンパク質を摂取することで、Wntシグナル伝達経路が活性化され、毛乳頭細胞の働きが高まり、毛髪の成長促進効果が期待できる可能性があるのです。

    さらにタンパク質は血小板から分泌される成長因子とも密接に関係しています。

    血小板は血液凝固や血管修復に関与する細胞として知られていますが、実は毛髪の成長を促進する様々な成長因子も分泌しています。

    これらの成長因子は、毛乳頭細胞の増殖や毛包の成長を促進する効果があり、毛髪再生に重要な役割を担っていると考えられています。

    そしてこれらの成長因子の分泌を促進するためにも、タンパク質の摂取が重要となります。

    タンパク質を十分に摂取することで、血小板から分泌される成長因子の量が増加し、毛髪再生効果が高まる可能性があるのです。

    おすすめのタンパク質サプリメント

    「食生活の改善を心がけてはいるけれど、忙しくてなかなかバランスの良い食事が摂れない…」

    「肉や魚をたくさん食べるのはちょっと苦手…」

    という方もいるかもしれません。

    そんな時に便利なのが、不足しがちな栄養素を手軽に補うことができるサプリメントです。

    タンパク質を効率良く摂取できるサプリメントとして、大きく分けて「プロテイン」と「アミノ酸サプリメント」の2種類があります。

    • プロテイン
      プロテインは牛乳や大豆などの原料から作られたサプリメントです。水や牛乳に溶かして飲むタイプが一般的で、手軽にタンパク質を摂取することができます。
      プロテインには牛乳由来の「ホエイプロテイン」、大豆由来の「ソイプロテイン」など、様々な種類があります。それぞれのプロテインの特徴を簡単にまとめると以下のようになります。
    種類特徴
    ホエイプロテイン吸収が早く、運動後の筋肉修復に効果的。牛乳アレルギーの人は注意が必要。
    カゼインプロテイン吸収が遅く、就寝前の摂取で筋肉の分解を防ぐ効果が期待できる。牛乳アレルギーの人は注意が必要。
    ソイプロテイン植物性タンパク質で、コレステロールが気になる人におすすめ。大豆アレルギーの人は注意が必要。

    このように、プロテインは種類によって特徴が異なるため、ご自身の目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
    運動習慣や体質、目的に合わせて適切なプロテインを選ぶようにしましょう。

    • アミノ酸サプリメント
      アミノ酸サプリメントはタンパク質を構成している最小単位であるアミノ酸をサプリメントとして摂取できるものです。
      アミノ酸の中でも、特に筋肉の合成に重要な役割を果たす「必須アミノ酸」を配合したサプリメントが人気です。
      必須アミノ酸は体内で生成することができないため、食事やサプリメントから摂取する必要があります。
      アミノ酸サプリメントはプロテインよりも消化吸収が早く、胃腸への負担が少ないというメリットがあります。そのため運動後や食後など、こまめにタンパク質を補給したい場合に適しています。

    サプリメントはあくまで食事で不足しがちな栄養素を補うためのものです。健康な髪を育むためには、まずはバランスの取れた食事を心がけることが大切です。

    薄毛でお悩みなら薄毛治療専門クリニックへ

    タンパク質は髪の毛の成長に欠かせない栄養素ですが、タンパク質をしっかり摂れば薄毛が改善するわけではありません。なぜなら、薄毛の原因は実にさまざまで、体質や生活習慣、遺伝などが複雑に関係しているからです。

    さらに薄毛には男性ホルモンの影響が大きいAGA(男性型脱毛症)や、自分の免疫細胞が髪の毛を攻撃してしまう円形脱毛症など、様々な種類があります。

    円形脱毛症は免疫の異常が原因で髪の毛が抜けてしまう病気です。免疫細胞は本来体の中に侵入してきたウイルスや細菌と戦う、いわば私たちの体の「守護神」のような役割を担っています。しかし円形脱毛症では、この免疫細胞が本来守るべき自分の体の細胞である髪の毛の細胞を「敵」と誤って攻撃してしまうことで、髪の毛が抜けてしまうと考えられています。

    円形脱毛症の治療には、炎症を抑えるステロイド薬や免疫の働きを抑える免疫抑制剤などが用いられます。さらに近年この免疫細胞の暴走を抑えるために、JAK阻害剤という新しいタイプの薬が開発され、注目されています。JAK阻害剤は免疫細胞内の特定の情報伝達経路を遮断することで脱毛を抑え、発毛を促す効果が期待できます。

    AGAヘアクリニック(ヘアクリ)では、患者様一人ひとりの薄毛の原因や症状、そしてライフスタイルに合わせて、最適な治療プランをご提案しています。自己判断でサプリメントを飲み続けるよりも、まずは専門医に相談し、髪の毛のプロによる適切な診断と治療を受けることをおすすめします。薄毛にお悩みの方は一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

    出典元・参考URL
    • Freitas E, Guttman-Yassky E, Torres T. Baricitinib for the Treatment of Alopecia Areata. Drugs 83, no. 9 (2023): 761-770.
      Gentile P, Garcovich S. Advances in Regenerative Stem Cell Therapy in Androgenic Alopecia and Hair Loss: Wnt pathway, Growth-Factor, and Mesenchymal Stem Cell Signaling Impact Analysis on Cell Growth and Hair Follicle Development. Cells 8, no. 5 (2019).
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