頭皮がかゆくなる原因は汗や皮脂、乾燥などいくつかの理由が考えられます。
頭皮は全身の中でも汗や皮脂が多いのが特徴です。頭皮で発生した汗や皮脂は、もともと頭皮に存在する「常在菌」によって分解・酸化され、脂肪酸などへ変化していきます。脂肪酸が頭皮を弱酸性に保つことで病原菌などの繁殖が抑えられ、頭皮は健康な状態に保たれています。
しかし生成物の中には頭皮を刺激し、かゆみを引き起こす物質なども存在します。通常よりも汗や皮脂が多く分泌されるとかゆみを引き起こす原因物質も生成されやすくなり、頭皮にかゆみが生じると考えられています。
頭皮の乾燥は肌のバリア機能の低下を招き、かゆみを引き起こしやすくするとされています。肌の乾燥を招く要因は1つではなく、加齢や肌のターンオーバーの乱れ、紫外線や空気乾燥、過度なシャンプーなどが関係していると考えられています。かゆい部位を掻いてしまうと肌のバリア機能がより低下してしまい、さらにかゆみを引き起こしやすくなる悪循環に陥ってしまいます。
シャンプーなどに含まれる界面活性剤や防腐剤、香料などでアレルギー反応を起こし、かゆみが生じる場合があります。また、成分とは関係なくシャンプーのすすぎ残しなどもかゆみの原因となりえます。
日常的なストレスや不安等、内的ストレスによって頭皮のかゆみを引き起こす可能性があります。自律神経やホルモンバランスが乱れると、かゆみの原因物質である「ヒスタミン」が過剰に分泌されてしまうからだと考えられています。
頭皮のかゆみは何かしらの病気が原因となっている可能性もあります。かゆみが気になる方は次にご紹介する病気の可能性も考慮し、症状がひどくなる前に一度医療機関の受診をおすすめします。
接触性皮膚炎とは、何らかの原因物質が皮膚に接触することでかゆみや発疹が生じる病気で、身の回りにあるほとんどのものが原因になり得るとされています。接触性皮膚炎には強力な石けんや体液、酸などの化学物質が皮膚を損傷し生じる「刺激性接触皮膚炎」と、ゴムや一部の金属類などの物質に対して免疫系が反応を起こし生じる「アレルギー性接触皮膚炎」の大きく2つのタイプに分けることができます。
頭皮においてはヘアケア用品、衣類、塗り薬などが原因になりえると考えられています。接触性皮膚炎の治療には、原因となっている物質の除去が有効とされ、場合によっては塗り薬や内服薬が用いられます。
皮膚の皮脂量が必要以上に減少することで皮膚のバリア機能が低下し、かゆみやひび割れ等が生じる病気を「皮脂欠乏性湿疹(乾燥湿疹・乾皮症)」といいます。皮脂欠乏性湿疹は加齢や外部環境の変化が発症原因となり得るほか、アトピー性皮膚炎の素因を持つ方などにもよくみられます。
症状の予防・改善には皮膚乾燥を防ぐ工夫が有効です。例えば、刺激の強いシャンプーや熱い温度のシャワーを使用すると必要以上に皮脂を洗い流してしまい、頭皮乾燥を招きやすくなってしまいます。頭皮乾燥を防ぐためにも低刺激シャンプーやぬるい温度のシャワーを使用し、必要以上に皮脂が洗い流されないように工夫をするとよいでしょう。
アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う炎症が生じる疾患で、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。患者の多くはアトピー素因を持つのも特徴の一つとされ、アレルギーを起こしやすい人に発症しやすいとされます。
原因には皮膚そのもののバリア機能が低下した状態になっている「体質的な要因」とアレルギーを引き起こす物質や外部刺激が影響する「環境的な要因」に分けられます。精神的なストレス、気温や湿度変化、ダニやカビ、スキンケア用品などが誘発要因とされ、複数の要因が重なって発症すると考えられています。治療・改善には内服薬や外用薬、保湿や誘因物質を避けることが有効とされています。
脂漏性皮膚炎は頭皮などの皮脂分泌が多い部位に発症しやすい皮膚炎で、赤みやふけ、かゆみなどを伴う疾患です。主な原因は真菌マラセチアという皮膚常在菌が異常繁殖するためだと考えられています。真菌マラセチアが異常繁殖する理由ははっきりとわかっていませんが、要因の一つとしてホルモンバランスの乱れや栄養不足、洗髪の過不足などが関係しているとされています。
治療には抗真菌薬の外用薬や抗真菌剤入りシャンプーを使用します。症状の程度によっては皮膚回復のためにビタミンBやCが処方される場合もあります。
乾癬では皮膚が赤く盛り上がり、その表面に銀白色のかさぶたのようなものが付着しフケのように剥がれ落ちる症状がみられます。再発を繰り返す疾患とされ、人によってはかゆみを伴います。
乾癬の患部では皮膚のターンオーバーが異常に活発になっており、皮膚が通常より厚くなると考えられています。この仕組みについてはっきりと解明されていませんが、体の免疫機能が何らかの異常をきたすことが関係しているのではないかといわれています。外用薬、光線療法、免疫抑制薬、注射などで治療を行うのが一般的です。
伝染性膿痂疹は細菌による皮膚の感染症の1種で、一般的には「とびひ」と呼ばれています。水脹れを伴う「水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)」と水脹れを伴わない「痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)」の大きく2種類に分けられ、伝染性膿痂疹のほとんどは水疱性膿痂疹だといわれています。
伝染性膿痂疹の原因となるのはブドウ球菌や溶血性連鎖球菌とされ、患部を掻きむしったり、触ったりすることで症状が広がっていきます。治療では主に抗生剤の内服や抗菌薬入りの塗り薬が使用されます。患部をかき壊すことで周囲の皮膚に広がっていきますので、こまめな爪切りと手指の消毒が大切です。
頭部白癬は「しらくも」と呼ばれ、頭皮の皮膚糸状菌による感染症の1種です。頭皮に乾燥した鱗状の班や斑状の脱毛などが生じ、かゆみを伴うことがあります。白癬は人間だけでなく動物との接触でも感染することがあり、犬や猫などからも感染する恐れがあります。治療は抗真菌薬の内服や外用などで行うのが一般的です。
日常ですぐ実践できる頭皮のかゆみへの対策方法をいくつかご紹介します。
まず見直すべきは普段使用しているシャンプーです。ドラッグストアで販売されている多くのシャンプーは「高級アルコール系シャンプー」と呼ばれる洗浄力の強いシャンプーで、人によっては肌に合わず、かゆみを引き起こす可能性があります。
自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを使用するのが好ましいですが、どのような成分を含むシャンプーが自分に合うかわからない場合は、まず「アミノ酸系シャンプー」と呼ばれる低刺激で洗浄力が優しいシャンプーを使用してみるとよいでしょう。アミノ酸系シャンプーは頭皮の皮脂バランスが整いやすいとされているため、数カ月ほど使用して頭皮の状態を確認してみてください。
頭皮の洗浄方法も見直したいポイントの一つです。1日に何度も洗髪する習慣がある方は1日1回に減らすことをおすすめします。過度なシャンプーは必要以上に皮脂を洗い流し、頭皮のトラブルを招く要因となり得ます。またシャワーですすぐ際は洗い残しに注意し、丁寧に洗浄するよう心がけましょう。
紫外線対策として日傘や日焼け止めを取り入れてみましょう。日焼け止めはクリームやリキッドタイプだと頭皮に塗るのが難しいため、スプレータイプや飲むタイプの日焼け止めを使用するとよいでしょう。また、髪の毛の分け目は紫外線を浴びやすいため、定期的に分け目を変えるだけでも同じ部位に受ける紫外線ダメージを減らす効果が期待できます。
他にも、帽子を被ることで乾燥や紫外線から頭皮を守ることもできます。しかし、夏場や長時間の着帽によって頭皮が蒸れかゆみが発生する場合もあるので、帽子を着用する時期や時間には注意が必要です。
食事、睡眠をはじめとした生活習慣を見直すことも大切です。普段から脂っこい食事を好む傾向のある方は、頭皮の皮脂分泌量が増加し結果としてかゆみを引き起こしやすくなる可能性もあります。脂っこい食事を控え、栄養バランスの整った食事を心がけるようにしましょう。
また、睡眠時に多く分泌される成長ホルモンは体のさまざまな機能を調整する働きを持ちます。睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が滞り、その影響でかゆみが生じる可能性があります。十分な睡眠時間を確保するとともに質の良い睡眠が取れるように、就寝前のカフェインやアルコールの摂取を控えるなどの工夫が大切です。
頭皮のかゆみを改善するには、原因に合わせた対策を行い頭皮環境を整えていくことが大切です。AGAヘアクリニック(以下、当院)では、かゆみの防止や改善の効果を持つケトコナゾール含有治療用シャンプーの「KETOCO」を取り扱っております。
有効成分のケトコナゾールは頭皮の乾燥や過剰な皮脂から生じる真菌マラセチアを抑制する働きを持ち、頭皮環境を整えてくれます。当院では頭皮のかゆみに対するお悩みはもちろん、患者様お一人おひとりのお悩みに合わせた治療法をご提案しております。まずはお気軽にご相談ください。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
薄毛対策に関するトピックをお届けします。